シャリシャリとした食感に程よい甘みが魅力の梨。
約90%が水分の梨は、独特な食感だけでなくみずみずしさもあり、食後のデザートには最適な果物です。
水分が多い分、含まれる栄養は少なめですが、アミノ酸などの栄養を含むため、疲労回復に進められている果物です。
今回は、そんな梨の栄養と効能についてご紹介します。
目次
梨の栄養と効能 一覧
「日本食品標準成分表2015」より (可食部100gあたり)
梨にはアミノ酸の一種であるアスパラギン酸に、クエン酸やリンゴ酸といった有機酸などの栄養が含まれています。
梨に含まれるアスパラギン酸は特別豊富な量ではありませんが、日本梨はレモンやキウイを上回る量を含んでいます。
アスパラギン酸やクエン酸やリンゴ酸は、TCAサイクルの合成を円滑にするとともに、乳酸を分解してエネルギーに変える栄養で、疲労回復に効果的です。
また、さくらんぼは素早くエネルギーに変わる果糖やブドウ糖などの栄養も含むため、疲労回復や夏バテ解消に有効な果物です。
梨にはプロテアーゼという成分が含まれています。
プロテアーゼは、タンパク質を分解する消化酵素の一種で、肉や魚などの消化を促す効能があります。食後のデザートに梨を食べることで、胃もたれの予防に効果があります。
また、キウイフルーツにも、同じくタンパク質を分解する酵素アクチニジンが含まれています。一緒に食べることでより消化が良くなるため、胃腸の調子がいまいちの状態に最適です。
梨は便秘改善の効能におすすめの果物です。
梨のシャリシャリとした独特の食感は、石細胞(せきさいぼう)のペントザンと、食物繊維の一種であるリグニンによるものです。
ペントザンは、リグニンと同じく不溶性食物繊維と同じような働きをするため、腸の蠕動運動を促し、便通改善に作用します。
また、整腸作用のあるソルビトール(糖アルコールの一種)も含まれているため、食物繊維との相乗効果で便通がさらによくなり、大腸がんの予防にも効果があります。
梨にはカリウムが含まれています。
カリウムはミネラルに分類される栄養で、細胞内の水分量を調節したり、血圧を安定させたりするため、高血圧予防に効果のある栄養です。
また、カリウムの利尿作用には、ナトリウムを排泄する効能もあるため、むくみを改善する効果もあります。
エネルギー | 水分 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 | ナトリウム |
---|---|---|---|---|---|---|
38kcal | 88.0g | 0.3g | 0.1g | 11.3g | 0.9g | Tr |
カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 | 銅 |
140mg | 2mg | 5mg | 11mg | 0mg | 0.1mg | 0.06mg |
マンガン | ビタミンA | ビタミンD | ビタミンE | ビタミンK | ビタミンB1 | ビタミンB2 |
0.04mg | 0μg | 0μg | 0.1mg | 0μg | 0.02mg | Tr |
ナイアシン | ビタミンB6 | ビタミンB12 | 葉酸 | パントテン酸 | ビオチン | ビタミンC |
0.2mg | 0.02mg | 0μg | 6μg | 0.14mg | 0.5μg | 3mg |
日本梨(生)の100gあたりの成分表(Tr:微量、-:未測定「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より)
見た目の違いは一目瞭然ですが、食感や味わいにも違いがあります。
「和梨の特徴」は、何と言ってあの独特のシャリシャリとした食感に、みずみずしく甘酸っぱさがあります。一方、「洋梨の特長」には、ねっとりととろけるような食感に、甘みと強い香りがあります。
含まれる栄養の違はというと、洋梨の食物繊維が2倍ほど多く含んでいる以外はさほど変わりません。和梨は生で食べることが多いですが、洋梨は生食よりもタルトやケーキ、コーンポートなどのスイーツがおすすめです。
引用および参考:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」