きくらげに含まれる栄養と効能についてお伝えします。気が付くと食べているけど、じつは正体が分からないで食べている方も多いはず。
きくらげをクラゲの仲間だと思っている方も多いそうですが、きのこ類の一種で、桑や柳の枯れ木に発生します。中華料理には欠かせない食材で、日本では豚骨ラーメンの具としておなじみですね。
味にはクセながく、プルプルとした見た目が特徴的で、コリコリとした独特の食感が料理のアクセントになります。また、形が人の耳に似ていることから漢字では「木耳」と書きます。
今回はそんなきくらげについて、その栄養と効能をご紹介します。
目次
きくらげの栄養と効能 一覧
きくらげに含まれている主な栄養素のレーダーチャート
まずはきくらげ(ゆで)に含まれる栄養を、グラフで確認してみましょう。15種類の主要栄養素がどのくらい含まれているのが、一目でわかりますね。
きくらげの栄養で特徴的なのが、豊富な食物繊維です。群を抜いて含まれているのが分かりますね。
その他には、カルシウムや鉄分といったミネラル、ビタミンB2もある程度の量を含みます。
以下では栄養と効能以外にも、乾燥きくらげの戻し方や生きくらげの特徴などもご紹介しています。
きくらげの栄養では食物繊維を豊富に含むのが特徴です。
食物繊維は第6の栄養素とも呼ばれています。食物繊維はご存知のとおり腸を整える効能のほか、糖尿病の予防、インスリンの分泌を抑えるなどの効果があります。
コレステロールの吸収を抑える効能もあるため、血中のコレステロールの低下に役立ち、結果、動脈硬化の予防にもつながります。
乾燥には「100g中:57.4g」、ゆでには「100g中:5.2g」の食物線維が含まれています。
きくらげはビタミンDがきのこ類の中でトップクラスの含有量を誇ります。食物繊維も多かったですが、ビタミンDもなかなかのものです。本当に栄養豊富な食材なんですね。
「日本食品標準成分表2015」より (可食部100gあたり)
グラフはきくらげと他のきのこ類のビタミンD含有量を、比較(いずれも"ゆで"で比較)したものです。
あらげきくらげとは別名「裏白きくらげ」とも呼ばれる、名の通り裏面が白く背面に毛が多いのが特徴です。中国、台湾、日本などで栽培または自生しています。一般的に食材として流通しているのは「きくらげ」です。
きくらげはあらげよりも量は劣りますが、それでも他のきのこ類と比較すると非常に多くのビタミンDを含んでいます。エリンギの3倍、しいたけの17倍以上の含有量ですね。
ビタミンDは脂溶性に分類される栄養成分です。カルシウムやリンの吸収を促す働きがあり、骨を健康に保つ効能があります。また、血中カルシウム濃度を維持する働きもあることから、神経伝達や筋肉の収縮をスムーズに行う効能などが期待されます。
きくらげには、カルシウムも含まれます。これまた、意外な栄養素ですね。
ちなみに、きくらげのカルシウム含有量はきのこ類でダントツです。
カルシウムはご存知の通り、歯や骨を形成したり、神経の興奮を抑えるなどの効能があります。とくに骨粗鬆症予防や成長期のお子さんには必要不可欠な栄養です。
また、カルシウムの効能は、筋肉の収縮や血液の凝固にも大きな役割をはたします。
きくらげの栄養には、ミネラルの一種である鉄分、ビタミンB2も含んでいます。
鉄分は、血液の主成分となる栄養です。細胞に酸素を供給し全身にくまなく運び、貧血を予防する効果や効能があります。
ビタミンB2の効能は三大栄養素の代謝に関わり、中でも脂質の代謝を促進する働きに長けています。過酸化脂質を分解する効能もあるので、体に蓄積するのを防いでくれます。
その他にも量は少ないですが、ビタミンB1や葉酸、マグネシウムなども含んでいます。
きくらげは生の状態でも売っていますが、なかなか手に入りずらいため、ほとんどのご家庭で使うのが乾燥きくらげかと思います。
乾燥きくらげは水で戻すのが最適で、戻すと7倍ほどの量になります。
お湯(30℃)を使えば短時間で戻すことができますが、この方法ではせっかくの栄養やうま味が溶け出してしまいます。乾燥きくらげがかぶるくらいの水を加えて浸しておくと、20分ほどで戻ります。
お水に長時間浸していると柔らかくなりすぎて、コリコリとした特徴的な食感が失われてしまいます。
最近は、百貨店の青果売り場や直売所などで、生のきくらげを少しずつ見かけるようになりました。
ただし生食はできませんので、必ず加熱してから食べてください。熱湯で30秒ほど湯通すると食べられます。
生のきくらげの食感は乾燥とは違った特徴があります。寒天質がプルプルの歯触りで、コリコリとした独特の食感を楽しめます。
ナムルや酢の物も良いですが、生姜醤油をつけたお刺身風がおすすめです。せっかくなので生ならではの特徴的な食感を楽しみましょう。
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