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酢の効果と効能をチェック

酢の効果と効能

お酢の効果と効能をお伝えします。人が発明した最初の調味料と言われる、酢。

なんとなく「健康にいい」というイメージは浸透していますが、では具体的にどういう効果や効能があるか、皆さんはどれくらいご存じでしょうか?

テレビや雑誌などでも、血圧や肌にいいと酢の健康効果や効能が紹介され、その都度、お酢を使ったレシピや飲むタイプが多く出ています。健康にいいからと、なんとなく利用している方も多いはず。

今回は、お酢の持つさまざまな効果や効能を探ってみましょう。また、含まれる栄養や種類などもグラフや図でご紹介していますので、こちらもぜひ参考にして下さい。

まずは酢の健康効果を知る前に、栄養や成分を確認!

酢に含まれている主な栄養のレーダーチャート

酢に含まれている主な栄養素のレーダーチャート

まずは、効果や効能をご紹介する前に、お酢の栄養や成分を見てみましょう。上図は酢に含まれている主な栄養素15種類を表したグラフです。こうして見ると、主要栄養素で特に目立つものは含んでいないのが分かります。

酢は全体の約90%以上が水分です。お酢の種類によって多少異なりますが、三大栄養素は全体に少なく、その中でも多いのが炭水化物です。その他、少量のビタミンやミネラル、アミノ酸を含みます。

さらに、お酢の栄養で注目されるのは酢酸です。クエン酸、グルコン酸、酢酸といった有機酸を含んでいますが、そのうち酢酸が占める割合が最も高いのです。

以下では、酢の持つ健康効果や効能についてご紹介していきます。

酢酸パワー! 食欲増進&消化吸収を助ける効果 - 便秘や肌の改善に

食事をしている女性

酢の主成分である酢酸には、 唾液や胃液の分泌を促し、食欲を増進させる効果があります。

酢の酸っぱさは酸味によるもので、この酸っぱさがと香りが食欲を刺激します。消化酵素の働きを活発にする効果もあるので、消化吸収も良くなります。

また、酢酸の効果や効能は腸の環境を改善する働きもあるので、腸の悪玉菌の増殖を抑えて腸内環境を整えます。

食欲が刺激されることで腸の働きが活発になり、腸内環境を整える働きが便通を促すため、便秘を改善する効能も得られます。

また、お酢は肌にも良いと美容効果も期待されています。酢のクエン酸がシミやシワに有効なビタミンCの吸収を良くしたり、便秘を改善して毒素を排出する効果や効能が肌に作用して、肌トラブルを予防します。

アデノシン生成による血圧の抑制 - 高血圧予防の効能

血圧を計測する画像

酢の効果や効能には血圧にも作用します。含まれている酢酸が細胞に吸収されると、「アデノシン」という血管を膨張させる物質が生成されます。

血管が膨張することで血流が良くなり、血圧が下がるというわけです。

約15mlの酢を6週間毎日摂取することで、高めの血圧が正常値に近づいたという実験結果もあるそうです。

また、調味料として使うと、味が濃く感じられます。酢を使うぶん塩分の使用を控えられるので、高血圧など血圧が気になる方は酢による味付けを心がけましょう。

酢酸がクエン酸に変換! 疲労回復効果 - 骨の強化にも!

トレーニングウエアを着た男性

酢に含まれている酢酸は体内でクエン酸へと変換されます。

クエン酸は血行促進やTCAサイクル(クエン酸回路)の合成を円滑に行うので、疲労回復の効果や効能が期待できます。

また酢酸にはカルシウムの吸収を助ける効果も。酢とカルシウムを一緒に摂ると、カルシウムが体内で「酢酸カルシウム」に変化します。

酢酸カルシウムはカルシウム単独よりも吸収率が50%も高く、効率的にカルシウムを摂取できるようになるのです。

血中脂質、内臓脂肪の減少を助ける効能 - 心筋梗塞や脳梗塞の予防に

ウエストを計る画像

酢には血中脂質の減少を助ける効果も持っています。

血中脂質とは、血液の中に溶け込んでいる脂質で、コレステロール、中性脂肪など、いくつか種類があります。血中脂質が多いと血栓のできるリスクが高まるため、心筋梗塞や脳梗塞などに注意が必要です。

酢に含まれている酢酸の効能がコレステロールの合成を抑え、こうした血中脂質を減少させることができます。

また、この酢酸の効果は内臓脂肪の減少にも有効です。毎日一日15ml(大さじ一杯)を続けて摂ると、血中脂肪、内臓脂肪を減らせると科学的に証明されています。

血糖値上昇の抑制効能 -「ベジファースト」ならぬ「酢ファースト」

もずくの画像

野菜をはじめに食べることで血糖値を抑え、太りにくくするという「ベジファースト」。ダイエットの一つのとして取り入れられていますね。

実はコレ、酢にも当てはまるんです。酢を使った食品を最初にとる食事法はベジファーストと同じように血糖値を抑える働きをします。これも酢酸の効能で糖の吸収を抑えてくれます。

酢の物やもずく酢、ピクルスなどを食事の最初にとると良いでしょう。サラダのドレッシングにも使えば「ベジファースト」と「酢ファースト」のW効果も期待できますね。

胃を傷めないためにも、通常の食事と一緒に摂りましょう。

健康効果を飲んで得よう - お酢を飲むタイミングと注意点

酢は食事で摂るだけでなく、飲むこともできますので、飲むタイミングや量、濃度など注意点もお伝えします。

そのまま飲むタイプと希釈タイプがありますが、希釈する割合は商品によって異なるので、必ず確認してから飲みましょう。

飲み物を飲む女性

また、飲むタイミングは食事中か食後にして空腹時は避けます。一日に飲む量は15~30ml(大さじ1~2杯)程度です。

注意点は、空腹時には飲まないことです。酸度が強いので胃の粘膜を傷つけやすく、胃痛や胸焼けの原因になります。このような症状が起きた場合は飲むのを控えた方がいいでしょう。

胃に負担をかけないためにも、必ず注意事項を守って飲むのが大切です。

酢の種類を紹介 - 健康効果を考えるなら、醸造酢を!

ひと口に酢と言ってもいろいろな種類があります。食用で使うものを「食酢」と呼び、大別すると「醸造酢」と「合成酢」の2つに分かれます。

「醸造酢」は、穀類、果実などの原料に酢酸発酵させたもの。「合成酢」は氷酢酸または酢酸を水で薄めたものに、砂糖類やうま味調味料等を加えたものになります。

以下は、「醸造酢」の種類を簡易的にまとめたものです。

分類 種類 原料 特徴
穀物酢 穀物酢 米、とうもろこし、小麦 米酢、米黒酢以外の穀物酢を呼ぶ
穀物酢 米酢 まろやかな酸味
穀物酢 米黒酢(黒酢) 玄米、小麦など 黒褐色でアミノ酸が多い
果実酢 りんご酢 リンゴ果汁 酸味が柔らかでフルーティー
果実酢 ぶどう酢 ぶどう果汁 バルサミコ。香りが強い
果実酢 ワインビネガー ぶどう果汁 酸味が強く赤と白がある

すべてに共通して言えるのが、「合成酢ではなく醸造酢のほうが健康効果が高い」ということです。醸造酢は合成酢に比べて、グルコン酸やアミノ酸など酢酸以外の有機酸がはるかに多く含まれています。

さまざまな効果や効能を実現する成分なのです。ですから、健康効果を考えるなら、醸造酢を選ぶようにしたいですね。醸造酢か合成酢かは、商品のラベルを見れば確認できます。

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