わらびに含まれている栄養や期待できる効果について解説します。わらびは春から初夏にかけてが美味しくなる山菜のひとつです。
日本で自生する場所は、日当たりのよい山地や草原で、ぜんまいとともに春の訪れを教えてくれる山菜のひとつです。食感や風味を活かした、おひたしや天ぷらなどの食べ方が人気ですね。
今回は、そんなシャキシャキとした食感が嬉しいわらびについて、栄養とその効果をご紹介しましょう。
目次
わらびの栄養と効果
わらびに含まれている主な栄養素のレーダーチャート
上の図はわらびに含まれる栄養をレーダーチャートで表したものです。わらびにはどの成分がどのくらい含まれているのかが、一目でわかるかと思います。
グラフを見ますと、わらびは葉酸とビタミンB2が多く含まれていることが分かります。ほかにも、ビタミンEやカリウム、食物繊維なども確認できます。
わらびはカロリーも糖質も低いので、ヘルシーな山菜と言えるでしょう。
ただ、しっかりとアク抜きをする野菜なので、茹でた時に水溶性の栄養は溶け出してしまうため、生の状態に比べて少なくなります。
わらびには、ビタミンB2が豊富に含まれています。
ビタミンB2は体内で炭水化物、脂質、タンパク質の三大栄養素の代謝を促進する効果が期待できます。栄養がエネルギーに変わるときに、補酵素として活躍します。
わらびに含まれているビタミンB2特に脂質の分解に特化しているので、ダイエット効果を期待する人におすすめです。過酸化脂質を除去する効果も期待できるので、生活習慣病の予防にもなるでしょう。
また、ビタミンB2は「発育のビタミン」とも呼ばれ、子供の成長気にも欠かせない栄養素です。
わらびはビタミンB2以外にも、葉酸やナイアシンといったビタミンB群も含んでいます。これらは水溶性ビタミンのためアク抜きをすると流れ出てしまいますが、茹でても多少はわらびに残ります。
わらびに含まれている食物繊維にも注目です。わらびにはとくに、不溶性食物繊維が多く含まれています。
食物繊維は体内で糖の吸収を抑える効果が期待できます。その働きは血糖値の急激な上昇を防いでくれるので、生活習慣病の予防にもつながります。
また、水分を含むことで便のかさを増やし、腸の蠕動運動を促すので便秘解消の効果にも期待ができます。
わらびを食べる場合は、水溶性食物繊維を含む海藻などの食品も合わせて摂ると良いでしょう。茹でたわらびの不溶性食物繊維は水溶性よりも5倍もの量にもなります。
ビタミンEもわらびには含まれています。
ビタミンEは抗酸化作用が強いことが大きな特徴で、老化を防止する効果が期待できる栄養です。そのため「若返りのビタミン」とも呼ばれています。
また、末梢血管を開いて全身の血行を促進する作用があるため、肩こりや腰痛の緩和にも期待できるでしょう。そして血行を良くすることで女性にはうれしい、肌の血色を良くする作用もあります。
さらにビタミンEは血液中のLDLコレステロールを減らす効能も期待されています
わらびには、「プロビタミンA」とも呼ばれるβ-カロテンも含まれています。
わらびに含まれるβ-カロテンは、体内の活性酸素を強力に抑える働きや免疫力を高める働きも期待できます。
また、β-カロテンの一部が体内でビタミンAに変換されるので、視力アップや夜盲症、ドライアイなどを改善する効能も期待できます。
β-カロテンは皮膚や粘膜を正常に保つ作用があります。それに加えビタミンB群やE、食物繊維の働きで、より肌や粘膜の健康を保つことも期待できるでしょう。
エネルギー | 水分 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 | ナトリウム |
---|---|---|---|---|---|---|
19kcal | 92.7g | 2.4g | 0.1g | 4.0g | 3.6g | Tr |
カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 | 銅 |
370mg | 12mg | 25mg | 47mg | 0.7mg | 0.6mg | 0.13mg |
マンガン | ビタミンA | ビタミンD | ビタミンE | ビタミンK | ビタミンB1 | ビタミンB2 |
0.14mg | 18μg | 0μg | 1.6mg | 17μg | 0.02mg | 1.09mg |
ナイアシン | ビタミンB6 | ビタミンB12 | 葉酸 | パントテン酸 | ビオチン | ビタミンC |
0.8mg | 0.05mg | 0μg | 130μg | 0.45mg | - | 11mg |
わらび(生)の100gあたりの成分表(Tr:微量、-:未測定「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より)
ぜんまいとわらびの主な栄養素を比較したレーダーチャート
わらびとぜんまいは、見た目や旬の時期などが似ていて、なにかと比較されやすい山菜です。
わらびとぜんまいの栄養をグラフで見てみると、含まれている成分も似ていますね。とくにミネラル類はほぼ一緒です。
違いとしては、ビタミンBがわらびの方が多く含まれている点ぐらいでしょうか。
わらびとぜんまいの見分け方のポイントは、若芽の形状です。わらびは若芽が人の拳を集めたような形をしています。ぜんまいは若芽が渦巻き状で、柔らかな毛で覆われているのが最大の特徴です。
引用および参考:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
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