鶏胸肉の栄養と効果をお伝えします。鶏胸肉は鶏肉の胸に当たる部位です。子供が好きな唐揚げから大人好みのおつまみと、料理のレパートリーが豊富です。
また、筋トレや糖質制限をしている方にとって、鶏胸肉はささ身同様、高タンパクで低カロリーという食材です。
そして、近年注目されているのが疲労を回復する栄養成分、これは特に鶏胸肉に多く含まれているそうです。
ヘルシーで疲れも摂ってくれる万能な鶏胸肉。その栄養と成分、効果についてグラフを用いりながらご紹介します。
目次
鶏胸肉の栄養と効果 一覧
鶏胸肉に含まれている主な栄養素のレーダーチャート
エネルギー | 水分 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 | ナトリウム |
---|---|---|---|---|---|---|
229kcal | 62.6g | 19.5g | 17.2g | 0g | 0g | 31mg |
カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 | 銅 |
190mg | 4mg | 20mg | 120mg | 0.3mg | 0.7mg | 0.05mg |
マンガン | ビタミンA | ビタミンD | ビタミンE | ビタミンK | ビタミンB1 | ビタミンB2 |
0.01mg | 72μg | 0.1μg | 0.2mg | 50μg | 0.05mg | 0.08mg |
ナイアシン | ビタミンB6 | ビタミンB12 | 葉酸 | パントテン酸 | ビオチン | ビタミンC |
7.9mg | 0.35mg | 0.3μg | 5μg | 0.97mg | - | 1mg |
鶏胸肉(皮つき、生)の100gあたりの成分表(Tr:微量、-:未測定「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より)
栄養と効果を知る前に、まずは鶏胸肉に含まれている栄養を確認してみましょう。鶏胸肉には皮なしと皮つきのタイプがありますから、この2つを比較したグラフを作成しています。また、下は鶏胸肉の皮つきタイプの成分表です。
鶏胸肉の皮なし、皮つきともに多い栄養がタンパク質です。また、皮には脂質が多くそれに乗じてカロリーも高くなるので、鶏胸肉の皮なしと皮つきの大きな違いは脂質の量とカロリーでしょう。
また、ビタミンB群は鶏肉全体に多く、肉類のランキングでは上位を占めるものがいくつもあります。
以下では鶏胸肉の栄養とその効果についてまとめています。
「日本食品標準成分表2015」より (可食部100gあたり)
鶏胸肉の栄養にはタンパク質が豊富に含まれています。とくに、皮なしであれば低カロリーで高タンパクと言われる、ささ身に匹敵する量です。
タンパク質は身体のあらゆる組織を作るのに欠かせない栄養、健康な筋肉や臓器、肌や髪、爪も作っています。他にも、免疫力を高める効果、ホルモンや酵素の合成にも関わります。
アミノ酸も良質で体内では合成できない必須アミノ酸も含みます。肌荒れや髪のパサつきが気になる、痩せようと食事制限をしている方には、積極的に摂ってほしい食材です。
カロリーが気になる方は皮なしが良いでしょう。皮はタンパク質やアミノ酸をほとんど含まないので、少しでも多くの量を摂るには、皮なしの鶏胸肉がヘルシーでおすすめです。
近年、鶏胸肉の栄養で注目されているのが、イミダゾールジペプチド(イミダペプチド)です。
イミダゾールジペプチドはアミノ酸が結合した成分で、鶏の羽を動かす胸の部分に多く含まれています。疲労回復に効果があると注目され、鳥が飛び続けられるのもこの成分によるものと言われています。
抗酸化作用で活性酸素によって引き起こされる疲労を軽減する効果、さらに持久力のアップにも有効です。
イミダゾールジペプチドは、鶏胸肉の他にマグロやカツオも含みます。生物の疲れやすい部分に存在し、人は脳に多いそうです。
鶏胸肉の栄養にはビタミンB群が多く、特にナイアシン、ビタミンB6、パントテン酸が肉類の上位を占めています。
ナイアシンやパントテン酸の効果では肌トラブルを予防する、皮膚や粘膜を保護する作用があります。
ビタミンB6は口内炎の予防効果があるほか、タンパク質の代謝にも関わるので、タンパク質が多い食品を摂るほど必要になる栄養です。
ビタミンB群はこのように、肌荒れやニキビといった肌トラブルの予防や改善に効果的です。美肌を作るの必要なビタミンAや脂質も含むうえに、ビタミンB郡がタンパク質の吸収を良くするので、鶏胸肉は美肌効果に優れています。
鶏胸肉の栄養と効果を見てきましたが、皮なし、皮つきのメリットやデメリットもご紹介します。
ささ身 | 鶏胸肉(皮なし) | 鶏胸肉(皮つき) | もも肉(皮なし) | もも肉(皮つき) | |
カロリー(kcal) | 114 | 121 | 244 | 138 | 253 |
タンパク質(g) | 24.6 | 24.4 | 19.5 | 22.0 | 17.3 |
脂質(g) | 1.1 | 1.9 | 17.2 | 4.8 | 19.1 |
鶏胸肉は皮があるのとないのでは脂質の量が大きく違い、その分カロリーにも差がでしまうのです。
「鶏胸肉の皮なし」のメリットは、脂質の量を約1/9に抑えて摂取カロリーを低くできます。デメリットは皮に含まれる脂溶性の栄養が摂れないことです。
「鶏胸肉の皮つき」のメリットは脂溶性のビタミンAやビタミンKがしっかりと摂れることですが、脂質が多く高カロリーなのがデリットです。
鶏の胸肉ともも肉の皮なしは、ささ身とタンパク質の量にあまり差がなくカロリーも思ったよりも高くありません。余分な脂質やカロリーを摂りたくない場合は、皮なしが良いでしょう。
引用および参考:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
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