豆板醤は単なる辛いペーストではなく、実は中国からやってきた発酵調味料です。回鍋肉や麻婆豆腐はもちろん、様々な炒め物に合う万能調味料ですね。
驚くことにこの豆板醤は栄養が豊富で、健康に役立つ様々な効果を持っています。そこで今回は、豆板醤に含まれている成分とその魅力について細かくチェックしていきましょう。
豆板醤に含まれている栄養素でまず注目したいのがカプサイシンです。
豆板醤の原料である唐辛子に含まれているこのカプサイシン、食べると脂肪分解酵素のリパーゼの働きを活性化させる効果を持っています。これによってエネルギー代謝が盛んになるため、脂肪の燃焼を助けてくれるのです。
カプサイシンが持つ辛味には、他にも嬉しい効果があります。
そのうちの一つが食欲増進。舌や胃を刺激するので、通常の調味料よりも食欲が増す傾向にあります。夏バテや風邪、疲労で食欲がないときに活用するといいでしょう。
カプサンチンの働きも見逃せません。カプサイシンと名前が似ていますが、こちらも唐辛子に含まれる赤色色素のこと。
抗酸化作用を持っており、人間の体に悪い活性酸素や一酸化窒素を除去してくれます。これによって病気はもちろんですが、老化を遅らせる効果もあります。
カプサンチンの持つ抗酸化作用の働きによって、近年、がん予防にも効果があることが分かってきました。実は活性酸素や一酸化窒素は細胞のガン化を誘発すると言われているのです。
それを取り除いてくれるカプサンチンは、がん予防にも効果があるのではないかと注目されています。
豆板醤にはナトリウムも豊富に含まれています。
ナトリウムは必須ミネラルの一つで、食塩の成分の一部のことを言います。体内では血圧の調節や酸の中和などいろいろな働きに関わっています。
その中でも注目したいのが栄養の吸収です。消化され、ブドウ糖やアミノ酸に変化した栄養素は、小腸から血液中に溶け込んでいきます。この溶け込みをナトリウムは手助けしているのです。
ナトリウムはなくてはならない栄養素なのですが、摂り過ぎは体に悪い影響を与えます。食べ過ぎないように量を調整していきましょう。
豆板醤は冷え性に非常に効果を発揮します。
唐辛子に含まれるカプサイシンは交感神経を刺激するため、脳への刺激で熱が生み出されます。抗酸化作用に優れるカプサンチンは血行改善に効果的。血流を増やして手先足先を温めてくれるのです。
発酵による温め作用を得ることができるのも豆板醤のメリットの一つ。唐辛子をそのまま食べるより高い効果を得ることができます。
気を付けたいのが食べ過ぎです。取りすぎるとカプサイシンの効果が薄れてしまうので、食べ過ぎは禁物。更に豆板醤は塩分が多い調味料なので、食べ過ぎると塩分過多になってしまいます。量はほどほどに、上手に取り入れてください。