蜂の子の栄養とその効能をまとめています。
蜂の子とはまさに蜂の幼虫やサナギといった蜂の子供のことで、これを甘露煮や油炒めなどにして食すほか、サプリメントも作られています。
同じく蜂関係の食品であるローヤルゼリーやハチミツ、プロポリスなどに比べて注目はされていませんが、蜂の子も栄養価が大変高く、鉄分やタンパク質がしっかりと採れる食品です。
蜂の子は長野県の特産品ですが山間部の県を中心に食されていて、海外では蜂以外の昆虫も食べられています。虫を食べるのには抵抗を感じる方も多いでしょうが、昆虫食は世界で注目されています。
それでは、蜂の子の栄養と成分、その効能をご紹介します。
目次
蜂の子の栄養と効能 一覧
蜂の子に含まれている主な栄養成分 (「日本食品標準成分表2020」より作成)
エネルギー | 水分 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 | ナトリウム |
---|---|---|---|---|---|---|
239kcal | 44.3g | 16.2g | 7.2g | 30.2g | 0g | 680mg |
カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 | 銅 |
110mg | 11mg | 24mg | 110mg | 3.0mg | 1.7mg | 0.36mg |
マンガン | ビタミンA | ビタミンD | ビタミンE | ビタミンK | ビタミンB1 | ビタミンB2 |
0.76mg | 42μg | 0μg | 1.0mg | 4μg | 0.17mg | 1.22mg |
ナイアシン | ビタミンB6 | ビタミンB12 | 葉酸 | パントテン酸 | ビオチン | ビタミンC |
3.8mg | 0.04mg | 0.1μg | 28μg | 0.52mg | - | 0 |
蜂の子(缶詰)の100gあたりの成分表(Tr:微量、-:未測定「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より)
蜂の子の効能や効果を知る前に、まずはどのような栄養や成分が含まれていのるかグラフや成分表で確認してみましょう。
上の図は蜂の子(クロスズメバチ)の缶詰の栄養成分の含有量を表したグラフです。蜂の子の栄養で注目なのが鉄分とビタミンB2、次いで亜鉛とタンパク質です。
その他、脂質や上記意外のビタミンB郡、ミネラル類なども含みます。糖質やナトリウムの量はつくだ煮に調理しているので多めになっています。
蜂の子の栄養で注目されているのは鉄分です。鉄分の効能には、貧血の予防や改善、全身に酸素を運搬する役割があります。
鉄はタンパク質と結びついて、赤血球中のヘモグロビンの構成成分になる栄養です。全身に酸素を行きわたらせたり、必要な時に使えるように肝臓や脾臓に貯蔵されています。
鉄分が不足すると鉄欠乏症貧血に陥るリスクが高くなります。生理のある女性に多いと思われがちですが、中高年の男性にもあらわれるもので、疲労感や体がだるいといった症状も鉄不足による貧血の可能性があるのです。
鉄分の吸収を上げるのはビタミンCの同時摂取です。また、ミツバチの蜂の子にはビタミンCも含まれているので、鉄分がより体内に吸収されやすくなっています。
蜂の子のミネラルには、亜鉛も含まれています。
亜鉛は人の骨格筋や皮膚、肝臓や腎臓、意外なところでは脳にも存在する栄養です。
亜鉛の効能で有名なのが、味覚機能の維持ですね。亜鉛は多くの酵素の成分となるほか、DNAやタンパク質、ホルモンを合成する役割があり、こどもの発育、大人では新陳代謝の促進などに関わっています。
亜鉛は比較的魚介類に多い栄養ですから、海から遠い山間部の人々にとって、亜鉛を豊富に含む蜂の子はまさに打ってつけの食品でした。
タンパク質は、植物性よりも動物性の方が吸収されやすい性質があります。
蜂の子も動物性タンパク質の供給源で、古くから重要な栄養素として食されてきました。また、蜂の子は体内では合成不可能な必須アミノ酸も含むので、大変栄養価の高い食品です。
タンパク質は体を構成する最も重要な栄養で知られていますね。筋肉や内臓、肌や髪など身体のあらゆる組織を作り、免疫抗体やホルモン、赤血球中のヘモグロビンの材料にもなります。
必須アミノ酸を含むアミノ酸類には固有の効能がありますが、主に成長や代謝の促進、脳や神経機能のサポート、肝機能の向上などが挙げられます。
ビタミンB2を多く含むのも、蜂の子の特長と言えるでしょう。
ビタミンB2は三大栄養素の代謝を促進して、エネルギーに変える効果があります。なかでも脂質の代謝に働き、過酸化脂質の生成を抑える効能があるので、老化や癌を予防する効果が期待できます。
過酸化脂質は老化を招くと言われている物質で、ビタミンB2にはこの物質の生成を抑え、分解する働きも持ち合わせています。
その他、口内炎やニキビを防ぎ、髪や肌、爪など健康に保つ効能もあるので「発育のビタミン」とも呼ばれています。
蜂の子はその名の通り蜂の子供のことで、幼虫やサナギ、若バチが食用にされています。
主にクロスズメバチ、ミツバチ、アシナガバチ、オオスズメバチがいますが、缶詰などの市販品ではクロスズメバチとミツバチの蜂の子が主流です。
蜂の子の種類で多少栄養価が異なります。これはクロスズメバチの餌は動物性のタンパク質、ミツバチはローヤルゼリーや花粉が餌であるためです。
今では珍味となっていてますが、甘露煮にして缶詰や瓶詰で手軽に購入ができ、独特の苦みがある蜂の子はお酒のおつまみとして、気軽に食べられています。
引用および参考:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
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