からすみの栄養と効能についてお伝えします。
世界三大珍味として「キャビア、フォアグラ、トリュフ」がありますが、日本国内にも三大珍味といわれる食材があります。
それは「うに(塩うに)、このわた、からすみ」の海の幸の3種類で、江戸時代から日本三大珍味と言われていたそうです。
からすみはボラの卵巣です。ボラの卵巣を塩漬けにして乾燥させたもので、少量しか取れず高級食品の一つとして数えられています。
そのからすみですが、実は栄養価に優れており、おつまみの役割だけではもったいない食材です。今回はからすみに含まれるおすすめの栄養と効能をご紹介します。
目次
からすみの栄養と効能 一覧
からすみの中で特筆すべき栄養成分はタンパク質です。からすみ全体の約40%を占める割合で含まれています。
タンパク質は体内でアミノ酸に分解されたのち、再びアミノ酸はタンパク質に合成され、これを繰り返していきます。このサイクルを繰り返すには新しいタンパク質を体内に取り入れるのが大切です。
タンパク質をとって最終的にアミノ酸になると、筋肉の組織や臓器、カラダのあらゆる組織の栄養分として吸収されます。筋肉組織に吸収されたタンパク質は筋肉を作り替える力を促進し、次々と新しい筋肉を作り出します。
タンパク質を摂ることで筋肉量の低下を防げるので、基礎代謝が落ちるのも防ぎます。また、病気に強いカラダも作ります。
アミノ酸の再合成は代謝を促進させるので疲労物質を分解し、疲労回復や滋養強壮の効能が期待できます。
タンパク質を多く含む食品は、からすみ以外にも鶏ささみや卵やかつおがあります。からすみはいちどにそう多く食べられないので、様々な食品と組み合わせて摂るのがおすすめです。
からすみの栄養の中には、リノレン酸も含まれています。
リノレン酸は多価不飽和脂肪酸の一種です。必須脂肪酸の一つとして数えらる大切な成分ですが、体内で作り出すことはできないため食品から摂取します。
リノレン酸を摂取すると肝臓から血管を通して全身を巡り、血管に残った悪玉コレステロールに取り込まれます。取り込まれたリノレン酸には、悪玉コレステロールの原因である、活性酸素との結びつきを遮断する効能があります。
それによって、体内の悪玉コレステロールが減少し動脈硬化などを防ぎます。
リノレン酸はからすみ以外の食品では、荏胡麻油(えごま油)そしてシソ油などの主成分となっています。
からすみには近年若い世代で重要とされている、亜鉛を含みます。
亜鉛は全身の臓器に存在し、肝臓の働きを手助けをしてタンパク質を作り出す効能があります。
亜鉛は体内で作り出すことはできないため、食べ物から摂取する必要があります。さらに体内で蓄えられる量は少ないので、定期的に摂取しないと亜鉛不足になります。
亜鉛不足になると様々な影響がでますが、なかでも味覚障害が有名です。
味覚を感じる器官である「味来」は常に作り替えられています。亜鉛がなくなりタンパク質の合成がうまくいかないと、新しい味来に作り替えにくくなります。
ただ、からすみは高級珍味で普段から食べれません。からすみのような亜鉛を多く含む食品を食べて、亜鉛不足を補って味覚障害予防につなげましょう。
このほかにもリンや鉄、カリウムなどのミネラルもからすみは含んでいます。
いくら栄養価や効能が優秀でも食べ過ぎは厳禁です。それはからすみを塩漬けにして乾燥させて作るため、塩分濃度が高いのです。
塩分濃度が高い食品を多く食べ続けていると、血管や肝臓、そして腎臓に負担をかけてしまうため、高血圧や腎臓病などの原因となってしまうからです。
カラスミを食べるときは薄切りにして、3~5枚を目安に食べるのがちょうどよいです。
からすみは滋養強壮があるとして、夏場に疲れたカラダを癒すのにもおすすめできる食材の一つです。
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