よもぎに含まれている栄養と、カラダへの効能、効果を解説していきます。
鮮やかな緑色と独特の香りで、春の訪れを感じさせてくれる、よもぎ。その香りには睡眠を促がす安眠効果があります。
草餅やおまんじゅう、お茶などで食されていまが、それだけでなく化粧品の成分や漢方薬としても、よもぎが利用されていることをご存じでしょうか?
今回は、そんなよもぎの効能と効果について、ご紹介していきます。
目次
よもぎの効能と効果
よもぎに含まれている主な栄養素のレーダーチャート
上図はよもぎに含まれる栄養をレーダーチャートにしたものです。
よもぎには多くの栄養や成分が含まれていて、中でも注目するのが鉄分やカリウム、ビタミンB2です。その他、ビタミンAや葉酸、食物繊維も含み、栄養豊富な野菜です。
一度に多くの量は摂れませんが、食べる以外にもよもぎ風呂や化粧品など、幅広く活用することができます。
この他にも、抗酸化作用を持つ成分や香り成分なども含み、多くの効能や効果が期待されています。以下では、おもな効能や効果をご紹介していきます。
よもぎの効能には、ガンの予防が期待されています。
よもぎは、クロロフィルが豊富です。クロロフィルは葉緑素とも呼ばれ、植物に多く含まれている緑色の色素成分です。
クロロフィルには、ガン予防や血液中のコレステロール値を下げる効能が期待できます。そして整腸作用や消炎作用があることも覚えておきましょう。
また、がん予防の働きはクロロフィルだけでなく、抗酸化作用を持つβ-カロテンの働きも大きく関わっています。
β-カロテンは、体内でビタミンAに変換される栄養で、プロビタミンAとも呼ばれます。免疫力のアップや皮膚や粘膜を健康に保つほか、視力を健康に保持する効能も持っています。
よもぎは止血効果や骨を丈夫にする効能が期待される栄養成分も含んでいます。
よもぎにはビタミンKがとても多く含まれています。「止血のビタミン」とも呼ばれるビタミンKは、ケガをしたときの止血を促がす効能が注目されています。
昔からよもぎの葉をもんで出血部分に当てると止血できるとされたのは、何をかくそうビタミンKの働きなのです。
また、ビタミンKは丈夫な骨作りを促す効能も持ち、カルシウムやビタミンDと並んで必要な栄養であることも、押さえておいてください。
カルシウムやリンも多く含むので、骨の健康を維持するのに一役買ってくれるかもしれません。
よもぎには便秘の解消やむくみの改善に効果があります。
現代人が不足しがちな食物繊維も含む点にも注目です。食物繊維は体内で水分を吸収して膨らむことで体積を増し、満腹感を与える働きをします。便の量を増やして腸の動きをよくする効能があるので、便秘を解消してくれます。
また、カリウムの利用作用には体内の余分な塩分を排出する効能があり、むくみの改善や予防に役立ちます。
ダイエット中や便秘、むくみで悩んでいる方は、よもぎが効くかもしれません。
よもぎの効能は、貧血予防にも関わります。
よもぎは鉄分やクロロフィルが豊富です。鉄分は血液中の赤血球の成分であるヘモグロビンを作るときに必要な栄養素です。鉄分が不足すると、正常な赤血球が作られずに貧血を起こし、めまいや動悸などの症状が出てきます。
クロロフィルには血液や酸素を運ぶ役割があるので、鉄分との相乗効果でより貧血を予する効能が高いといえるでしょう。
特に、成長期の子どもや女性は鉄分が不足しがちなので、栄養バランスに気を付けるようにしましょう。
エネルギー | 水分 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 | ナトリウム |
---|---|---|---|---|---|---|
46kcal | 83.6g | 5.2g | 0.3g | 8.7g | 7.8g | 10mg |
カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 | 銅 |
890mg | 180mg | 29mg | 100mg | 4.3mg | 0.6mg | 0.29mg |
マンガン | ビタミンA | ビタミンD | ビタミンE | ビタミンK | ビタミンB1 | ビタミンB2 |
0.84mg | 440μg | 0μg | 3.2mg | 340μg | 0.19mg | 0.34mg |
ナイアシン | ビタミンB6 | ビタミンB12 | 葉酸 | パントテン酸 | ビオチン | ビタミンC |
2.4mg | 0.08mg | 0μg | 190μg | 0.55mg | - | 35mg |
よもぎ(生)の100gあたりの成分表(Tr:微量、-:未測定「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」より)
よもぎは「ハーブの女王」とも呼ばれ、古くから薬草に用いられていいたもので、入浴剤にも利用されてきました。
よもぎ風呂には血行を促進する効能があり、冷え性の解消、肩こりや腰痛、生理痛の緩和などに効果があります。
また独特の香りは「シネオール」という成分で、ホルモンバランスを整えたり、安眠効果、ストレスの解消などに有効です。
よもぎ風呂に浸ることで鼻から香り成分を取り入れ、効能や効果を得ることができます。よもぎ蒸しや温灸(もぐさ)などでも、同じように効能を得られでしょう。
よもぎ風呂は簡単に使える市販の入浴剤もありますが、それ以外にも乾燥よもぎを直接お風呂に入れたり、生の葉を10分ほど煮出した煮汁をお風呂に入れる方法があります。
引用および参考:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
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