えごまの栄養と効能

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えごまperilla-frutescens

えごま(実、葉)の栄養と効能を調査

えごまの栄養と効能

「えごま油」が近年、注目されるようになりましたが、今回のテーマは「えごま」そのものです。えごまの種と葉に含まれる栄養と効能をご紹介します。

えごま油に関して知りたい方は、以下の記事を参考にして下さい。

えごまは熟すと実から種を放出するのですが、今回はその種にどんな栄養が含まれているかをご紹介していきます。

また、えごまはシソ科の植物で、葉も食べられます。葉の栄養と効能についても最後に少しご紹介します。

えごまの栄養を見てみよう!- チャート分析

えごまの主な栄養成分のレーダーチャート

えごまに含まれている主な栄養成分

それでは早速、えごまに含まれている栄養を見ていきましょう。上の図はえごまの種(乾)に含まれている主な栄養100gを指標化し、他の食品と比べてどのくらい多く含まれているのかを表したものです。

多く含まれている栄養がハイライト表示されていますが、注目すべき成分は脂質、食物繊維、カルシウム、鉄分、亜鉛、ビタミンB1といったところでしょうか。

えごまの種は水分量が5%ほどの乾燥した食材ですので、100gに換算しますと評価が高めになりますが、いずれにしても豊富な栄養を持ってますね。

以下では上記の栄養素とその効能を詳しく解説していきます。

えごまイチオシの栄養はコレ!α-リノレン酸 - 血栓を防止する効能、アレルギー疾患の予防や軽減効果

お皿にえごま油を注いでいるイメージ

えごまで押さえておきたい栄養はα-リノレン酸です。上のグラフでは脂質に該当する成分ですね。

α-リノレン酸はn-3系脂肪酸の一つで、体内でEPAやDHAに代謝され、EPAやDHAと同様の効能が期待できます。血管内の血栓を防いだり、血液をサラサラに保つ効果が期待され、高血圧や心疾患の予防に役立ちます。

また、免疫機能を正常化する働きもあるため、アレルギー疾患の予防や軽減に効果があると言われています。花粉症対策としても注目されていますね。α-リノレン酸は体内で生成されない成分ですので、えごまなどの食品から積極的に摂っていきたいです。

なお、αリノレン酸はえごまの種に含まれている脂質ですので、えごま油でも同様の効能が期待できます。えごま油に人気が集まっているのはこうした理由があるんですね。

ちなみに、亜麻仁油しそくるみなどにもαリノレン酸は多く含まれています。こちらも合わせて覚えておいて下さい。

実はカルシウムも豊富 - 骨や歯を健康に保つ効果

骨の断面イメージ

えごまにはα-リノレン酸が多く含まれていることは有名ですが、実はカルシウムも豊富に含まれています。ちょっと意外な栄養ですね。

えごまの種(乾)100gあたり390mgの含有量で、種実類では、「けし」や「ごま」に次ぐ多さです。乾燥食材ですので、量は多めに出ますがそれでも見逃せない含有量です。

カルシウムはご存知の通り、骨や歯を形成する働きがあります。

カルシウムは体内に最も多く存在するミネラルで、カルシウムの99%は骨や歯を構成する成分として貯蔵されます。骨や歯を健康に保つにはカルシウムは欠かせない栄養となります。骨粗鬆症を予防する効能も期待できます。

残りの1%は機能カルシウムと呼ばれ、血液の凝固を促進させる作用、神経の興奮を抑える効果があります。いずれにしてもカルシウムは不足しがちな栄養素ですので、えごまなどでこまめに摂取していきたいですね。

食物繊維、鉄分、亜鉛、ビタミンB1も多い - 便秘や貧血の予防、代謝の促進など嬉しい効能がたくさん

成分のイメージ画像

上のグラフを見て分かりますが、えごまには食物繊維、鉄分、亜鉛、ビタミンB1も多く含まれています。

食物繊維は腸内環境を整え、便秘の予防や改善に効果が期待できます。また、コレステロールの吸収を抑える効能もあります。鉄分は酸素を全身に運ぶ働き、鉄欠乏性貧血を予防する効能が期待できます。

亜鉛は代謝を促す作用、ビタミンB1は糖質をエネルギーに変える効能や脳や神経の機能を維持する働きがあります。どの成分もカラダに良い作用があり、一つの食品でこれだけの栄養が摂れるのもえごまの魅力です。

えごまの葉にはどんな栄養があるの?

えごまの葉

えごまの実に関する栄養と効能を解説してきましたが、ここでは「えごまの葉」についてご紹介します。

えごまの葉には、ビタミンC、β-カロテン、ビタミンE、クロロフィル、ロスマリン酸などの栄養が含まれています。

ビタミンCは副腎皮質ホルモンの合成を促す働きがあり、ストレス対策に効果的とされています。β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、免疫力の向上や皮膚や粘膜の健康を維持する効能が期待できます。

ビタミンEは血中のコレステロールの酸化を防ぐ効果、血行を良くする働きがあります。クロロフィルは緑要素とも呼ばれる色素成分で、鉄と結合して赤血球やヘモグロビンに変わる作用があります。

えごまの葉に含まれるビタミンC、β-カロテン、ビタミンE、クロロフィル、ロスマリン酸はいずれも強い抗酸化作用を持ち、老化防止や生活習慣病を予防する効果が期待できます。

こうした効能を持つえごまの葉ですが、一方で、臭いがややきついという弱点があります。シソ科ですので、見た目はしその葉と変わりないのですが、臭いは全く異なります。

韓国では、えごまの葉をキムチに包んで食べる食べ方が一般的です。そのまま食べるより臭いが緩和されるため、気になる方は試してみてはいかがでしょうか。

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