えごまとは何かについて詳しくご説明します。
えごまがどのような植物なのかに加え、主な用途やごまやしそとの違い、食べ方などをご紹介します。
目次
えごまの意味と概要について
えごまとはシソ科の植物です。一般的には植物全体を指しますが、えごまの実から出る種子を指す場合もあります。油荏(あぶらえ)、荏(え)、十稔(じゅうねん)とも呼ばれます。
えごまの果実は、蒴果(さくか)に分類され、実が熟すと乾燥して果皮の一部が裂けて中の種を放出します。種は黒褐色や茶褐色をしており、葉や茎は浅い緑色をしています。
東南アジアが原産で、インド、中国、朝鮮半島、日本などで古くから栽培または自生しています。
よく「ごま」と同じ種類かと勘違いされる方がいますが、ごまとは種類が異なります。
えごまはごまの仲間ではなく「しそ」の仲間です。しそとは同一種内の変種関係にあります。そのため、しその葉とえごまの葉はよく似ています。
高さは80cm~1mほどで、しそよりもやや大きく、茎が太いのが特徴です。しそとの最大の違いは葉の臭いです。えごまの葉には一種の臭気があります。秋に密集した白い花を開き、花冠は白くわずかに紫色を帯びています。
えごまの最も多い用途は「種を精油として使う」点ですね。
えごまの種には多くの油が含まれており、古く日本では灯明油(とうみょうゆ)として活用されてきました。
灯明油とは神社や仏閣で神仏に供える灯火(ともしび)を燃やす油のことです。その後、なたね油が用いられるようになり生産量は減少しました。
しかし、近年、えごま油がα-リノレン酸を多く含むことが注目され、食用油としても利用する人が増えてきました。
一度、えごまの生産は減少しましたが、近年では食用油として再び、脚光を浴びるようになったんですね。
名称 | えごま | 学名 | Perilla frutescens |
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別名 | 荏(え)、荏油(えあぶら)、十稔(じゅうねん) |
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分類1 | 種実類 | 分類2 | シソ科シソ属 |
原産地 | 東南アジア | 主な産地 | 東南アジア |
さて、近年の健康ブームでえごま油は有名ですが、えごまそのものは食べられるのでしょうか?
まず種ですが、こちらは炒って食べることができます。ごまの代用として利用することができますね。作り方は簡単で、えごまの種を炒ってすりつぶし、小松菜やほうれん草と和えるだけです。簡単ですね。
また、木曽や飛騨高山の郷土料理である「五平餅」のタレには、えごまの種が利用されています。地域によってはごまを使うところもありますが、えごまを利用している地域もあります。
いずれも、ごまの代用として利用できますね。今までごまを使っていた料理をえごまに代用するだけですので、とっても簡単です。
えごまの葉も食べることができます。生で食べることもできますし、しょうゆ漬けや天ぷらにも利用できます。
こちらはシソの葉の代用としても使えますね。ただし、えごまの葉は独特の臭いがあり、人によっては不快臭とされています。
見た目はシソと変わりないのですが、においはかなり違います。特に、日本人には敬遠されがちな臭いですのでご注意ください。
一方、韓国や朝鮮では好まれており、「ケンニプ」と呼ばれ料理によく利用されています。韓国では主にキムチを包んで食べられています。
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