長命草(チョウメイソウ)の効果と効能についてご紹介します。長命草は本来ボタンボウフウ(牡丹防風)と呼ばれる沖縄の伝統野菜です。
長命草の葉は肉厚で、牡丹の葉に似ていることから付けられた名前、沖縄では「サクナ」「チョーミーグサ」とも呼ばれています。ちなみに、長命草とは、沖縄県の与那国町商工会が商標登録した名称です。
長命草はセリ科の植物で、栄養価が高く幅広い効果や効能が期待されています。
沖縄県を中心とした温かい地域で育ち、海岸沿いの崖など強い日差しや潮風にさらされ、厳しい環境のもとで育つ生命力豊かな植物です。主に与那国島で生産され、島おこしにも一役買っています。
今回は長命草の効果や効能について、学んでいきましょう。
長命草は古くから風邪の予防や喘息、神経痛の治療薬として民間療法で用いられていました。栄養価の高さから「1株食べれば一日長生きする」と言われています。
長命草の栄養には、ビタミンAやビタミンC、ビタミンE、ビタミンB群、食物繊維、β-カロテン、カリウム、カルシウムやマグネシウム、鉄などのミネラル、イソサミジン、ルチンやクロロゲン酸といったポリフェノールが豊富に含まれています。
食物繊維はキャベツの5倍、鉄分はプルーンの6倍、カルシウムは牛乳の4倍とも言われています。
特に、ルチンやクロロゲン酸、ビタミンC、E、カロテンなどの強い抗酸化作用を持つ栄養を多く含みます。長命草の抗酸化作用は、同じく沖縄県の食材であるゴーヤの8倍とも言われていて、老化や病気の原因となる活性酸素の働き抑える働きがあります。
長命草には、生活習慣病や老化を予防する効能が期待されています。
これは、長命草が強い抗酸化作用をもつポリフェノールやβ-カロテン、ビタミンなどを含むためです。
ストレスや紫外線などによって体内で過剰に発生した活性酸素は、細胞にダメージを与え生活習慣病や心筋梗塞、癌といったあらゆる病気や老化の原因となります。
長命草には、この活性酸素の働きを抑え、生活習慣病や癌などの病気を予防し、アンチエイジングなどにも効果を発揮します。
長命草は血流を促す効果もあります。長命草の栄養成分には、イソサミジンやルチン、ビスナジンなどの成分も含まれています。
これらには、抗酸化作用の他にも、毛細血管の強化や血管拡張作用、血流促進作用があります。血液をサラサラにし全身の血液の流れを良くする効果や効能があり、動脈硬化の予防や冷え性、むくみの改善に有効です。
また、全身の血流が促がされることで代謝もアップするため、脂肪の燃焼を促すとして、ダイエットにも有効ではないかと期待されています。
長命草には排尿障害の改善に効果や効能があります。
長命草には利尿作用のあるカリウムが含まれていますが、それ以上に期待されている成分がイソサミジンです。
イソサミジンは、過剰に収縮した膀胱や前立腺の筋肉を緩める作用があります。その結果、一回あたりの尿の量を増やすとともに、排尿の回数を減らすことができます。
このように長命草には、頻尿や残尿感などの尿トラブルを改善する効果や効能に有効です。
多くの種類の栄養を含む長命草には、美肌効果もあります。
皮膚や粘膜を丈夫に保ったり、肌のハリを保つなど、美肌を維持するために必要なビタミンACE(エース)、ミネラル、ポリフェノールなどが、長命草には豊富に含まれています。
抗酸化作用がシミやソバカス、肌のたるみなど、肌の衰えを防ぐとともに、ルチンがビタミンCの吸収を促進、多くの栄養素の相乗効果で美肌や美白を保つ効果に優れています。
古くから沖縄で食されてきた長命草は、上記以外にも幅広い効果や効能が期待されています。
便秘、高血圧や糖尿病、リュウマチ、神経痛、喘息、肝臓の保護作用などにも効果や効能があると伝えられてきたそうです。
また、琉球大学の研究では、長命草からプテリキシンと呼ばれる抗肥満物質を発見しました。プテリキシンには中性脂肪の合成を抑え、さらに脂肪を燃やして体脂肪の蓄積を予防することが分かっています。
クロロゲン酸やプテリキシンを含む長命草は、肥満を抑止する効果が高いと言えるでしょう。
生の長明草は手に入りにくいですが、資生堂からは飲みやすいドリンクタイプや青汁、タブレットなどに加工され、健康食品として販売されています。香りや苦み渋みが強いため、苦手な方はブレンド茶や健康直品で摂るのがおすすめです。
また、沖縄県では長命草のお茶や粉末、ちんすこうが、お土産として販売されています。
沖縄では、長命草の葉を天ぷらや味噌和え、魚のツマ、お茶などで食しています。また、長命草を練り込んだ麺を使用した蕎麦を提供しているお店もあります。もし、食べられる機会があれば、ぜひ加工されていない長命草を食してみてください。