むかごと聞くと何だか聞き慣れない気がしますが、山芋のつるに秋頃に付く種のようなもの(肉芽)で、いわゆる山芋の赤ちゃんになります。
実際に、むかごを土に埋めて育てると、やがて山芋になります。コロコロとした小ぶりのフォルムがかわいらしく、炊き込みごはんや、汁物などで食されます。
今回は、そんなむかごに関して、どんな栄養があり、健康にどのような効能があるのかについて詳しく見ていきます。
むかごに多く含まれる栄養はカリウム、カルシウム、リン、葉酸、食物繊維、銅など豊富です。
その中でにも特に、カリウムはむかごに豊富に含まれています。
カリウムは疲労回復や利尿作用がありますが、それだけではなく体内の細胞の中でナトリウムと一緒になってバランスをとりながら高血圧を防いでくれるという効能があります。
ナトリウムは人間にとって必要なミネラルですが、摂りすぎると高血圧を招いてしまいます。そこに食事から摂取したカリウムが加わることで、摂りすぎたナトリウムを汗や尿として排出することができるのです。
むかごには銅も豊富に含まれています。
銅は酸素を運ぶ働きがあるヘモグロビンに鉄分を渡す役割をしています。
そのため、鉄分があったとしても銅がなければ赤血球がうまく鉄を運べず、ヘモグロビンが機能しません。そうなると鉄欠乏性貧血の原因となります。
銅を上手に摂ることで鉄分の吸収を促し、貧血も予防することができます。
そのほか、丈夫な骨や皮膚を作るためのコラーゲンを生成する助けとなるのに欠かせない栄養です。
むかごを食べることで、骨のミネラルとも呼ばれるリンを摂取することができます。
リンには、カルシウムと結合して骨や歯の組織を形成する効能があります。
リンは人間がエネルギーを蓄えておく細胞のATP(アデノシン三リン酸)の構成成分で、生命活動を支える重要な役割を果たしています。
ATPからリンが離されるとADP(アデノシン2リン酸)という細胞になり、生命活動に費用なエネルギーを放出させているのです。
むかごには山芋と同等の栄養がつまっていますので、積極的に摂りたい食材ですが、むかごの食べ方が思いつかないという方も多いことでしょう。
そんな時にはシンプルに「むかごご飯」がおすすめです。
むかごは小さくて丸くコロコロとした形なので、皮はむかずにそのままご飯と一緒に炊き上げると、ほくほくとした食感が味わえます。
香りは少し土のような感じもありますが、それは皮についた泥が入り込んでしまうためです。気になる方は、やや濃いめの味付けをするのもいいかもしれません
出汁や銀杏を加えて一緒に炊いたり、しょうゆやみりんで味付けするのもおすすめです。むかごは小粒ですが、お芋のコクを感じることができます。