フダンソウの栄養と効能についてお伝えします。フダンソウ(不断草)は、ほうれん草と同じヒユ科の野菜で、その姿や栄養価もほうれん草に似ています。
「チャード」「いつも菜」「うまい菜」「常菜」など、フダンソウは地域によってさまざまな呼び名があるのも特徴で、在来種と西洋種が存在します。
在来種は茎が太くて白く沖縄では汁物や炒めものに、西洋種は茎が細く色は赤や黄色などのカラフルでおもに「スイスチャード」と呼ばれています。どちらかというとこちらの名前の方が聞いたことがあるという方が多いかも知れません。
ビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養を含み、様々な健康上のトラブルに聞いてくれる効能があります。今回はそんなフダンソウの栄養とその効能についてのご紹介です。
目次
フダンソウの栄養と効能 一覧
フダンソウの栄養にはミネラルが含まれていますが、なかでも注目なのがカリウムです。
特にフダンソウのカリウムはほうれん草の2倍の含有量。葉野菜の中でもダントツの高さです。
夏は大量の汗をかき、その汗と一緒にカリウムも体外に排出され、低カリウム状態に陥りがちです。体内のカリウムが失われると食欲が落ちたり、体がだるくなる、いわゆる「夏バテ」の状態になります。
そんな時に豊富なカリウムを含む野菜を摂取することで、夏バテ防止に大きな効能を発揮してくれます。その他、体内の余分な塩分(ナトリウム)も排出するので、むくみを防いだり高血圧の予防にも有効です。
また、フダンソウの収穫時期は夏ですから、ちょうど夏バテの予防や改善に最適な野菜と言えるでしょう。
フダンソウに含まれる栄養には、β-カロテンも存在します。
フダンソウの豊富なβ-カロテンには抗酸化作用があるため、活性酸素の発生を抑える効能があります。
活性酸素とは呼吸から取り入れている酸素が変質したもの。細菌やウイルスなどを攻撃する働きなどがあり体に必要なものですが、ストレスや紫外線などの要因により増えすぎて細胞や遺伝子などを傷つけ、加齢とともに活性酸素の影響を受けやすくなります。
これが老化や動脈硬化、ガンなどの原因になりますが、β-カロテンの抗酸化作用がこのような病気や老化を防いでくれます。
また、β-カロテンの一部は体内でビタミンAとしても働くため、目や肌の健康にも関わる栄養となっています。
フダンソウは貧血予防の効能に有効な鉄分や葉酸などの栄養も含む野菜で、その含有量は葉野菜の中でもトップクラスです。
貧血とは酸素を運ぶ役割のある血液中の鉄が欠乏することで、体の隅々までうまく酸素が送られなくなる状態です。貧血になるとなんとなく疲れやすく、症状が進むとめまいや吐き気、頭痛などを引き起こします。
貧血を予防するには普段の食生活から上手に鉄分を摂取することが大切です。貧血は特に女性に多いトラブルなので、貧血に悩む女性は積極的にフダンソウを摂取するとよいでしょう。
また、フダンソウは三大栄養素の代謝の代謝を促進してくれるマンガンも含んでいます。マンガンの含有量もトップクラス。カリウム、鉄分も含めこれらミネラルはほうれん草よりも多く含まれています。
フダンソウはビタミンB1やB6、ナイアシンやパントテン酸などの栄養を含みビタミンB郡もそろっています。
これらビタミンB群は三大栄養素の代謝を促して、エネルギーの生成に欠かせない栄養です。そのため、フダンソウは夏バテのみならず疲労回復にも有効と言えるでしょう。
その他、粘膜や皮膚の健康を保ったり、脳や神経の働きを正常にするといった効能もあるため、健康面だけでなく美容にも必要不可欠な栄養です。
また、ビタミンB郡は各ビタミンにそれぞれの働きがありますが、お互いに作用しあって効果を発揮します。
フダンソウは漢字で「不断草」と書きます。これは季節を問わず、次々に葉が育ち、年中手に入れることができるという意味合いの名前です。
暑さに強く真冬以外はいつでも栽培・収穫が可能なので、ほぼ通年食べれるのがフダンソウの特徴です。
フダンソウは癖のない味なのでサラダやお浸しはもちろん、スープやパスタ、炒め物といったさまざまな料理に利用できるため、とても使い勝手の良い野菜です。
食物繊維不足も補えてお腹の調子も整えることができるでしょう。ぜひ、毎日の食事に取り入れ、その効能を日々の健康づくりにお役立てください。