カモミールの効能と効果についてお伝えしていきます。
世界中でもっとも親しまれているハーブの一つと言える「カモミール」は、ピーターラビットの童話にも登場するほどで、ヨーロッパで最も歴史のある民間薬の一つと言われています。
カモミールは「マザーハーブ」とも呼ばれ、数多くの種類が存在しますが、その中でもジャーマンとローマンは優れた効能をもつことで有名です。
りんごのような甘い香りを放つカモミールは、ハーブティーやアロマ、ポプリやリースなど様々な使い方ができます。
今回は、そんなカモミールの効能と効果、注意点などをご紹介します。
目次
カモミールの効能と効果
カモミールとは、ヨーロッパが原産のキク科の植物です。和名では「カミツレ」とも呼ばれています。
古代エジプトでは「最高のハーブ」と称し、クレオパトラが入浴剤に利用していたとされるハーブで、ヨーロッパでは古くから病気の治療薬に使われていたそうです。
カモミールは属が異なる種が多いですが、その中でも有名なのが「ジャーマンカモミール」と「ローマンカモミール」の2種です。
ジャーマンカモミールはマトリカリア属の一年草、ローマンカモミールはローマカミツレ属の多年草になります。2種とも白い花びらを持ち中心の部分が黄色いのが似ていますが、ジャーマンの中心はこんもりと山のように膨らみ、ローマンは平らなのが特徴です。
どちらも主な利用法に差はなく、ハーブティーやアロマ、ドライフラワーといった使い方が挙げられます。料理ではジャーマンカモミールはパンやクッキー等に、ローマンカモミールは主にリキュールの香りづけに利用します。
注意点は、妊娠中のハーブティーの量は控えめにし、キク科アレルギーの方は使用を控えてください。
カモミールの一番の利用法はハーブティーで、なかでもハーブティーに向いているのが、ジャーマンカモミールです。
使用する部位は、ジャーマンカモミールは花を、ローマンカモミールは花と茎、葉を利用します。
ジャーマンカモミールはフルーティーなりんごのような香りが楽しめ、甘みが感じられます。
一方、ローマンカモミールもりんごのような香りが楽しめますが、ハーブティーにするとやや強い苦みがでます。ティーにする場合は70℃くらいのお湯で抽出するのが最適です。
カモミールティーは飲用のみならず、蒸気を吸引して鼻づまりまりを解消したり、うがいや日焼けなどの湿布にも利用できます。
その他、カモミールから抽出したお茶を化粧水やリンスに使えば、なめらかな肌やツヤのある髪の毛にすることができます。
カモミールのハーブティーの効能には高い沈静作用があります。ストレスや不眠に有効で、イライラする気持ちを穏かにして、質の良い睡眠に効果を発揮します。
消化促進や健胃作用にも優れるので、食べ過ぎや食欲不振時に飲むと効果的です。
仕事終わりや就寝前に飲むことで疲労回復に役立ちます。体を温める作用に加えノンカフェインなので、風邪のひきはじめや就寝前の飲用がおすすめです。
この他にも、ハーブティーには抗酸化作用を持つフラボノイドが含まれていて、鎮静や消炎、殺菌作用などの効能もあるので、月経痛や口内炎にも役立ちます。
カモミールはアロマとしての使い方もできます。とくに精油に用いられるのがローマンカモミール、使用部位は「花、茎、葉」で水蒸気蒸留法を用いて採油します。
ローマンカモミールの精油の色は薄い黄色で、香りは草のようなハーブらしさを感じられるのが特徴です。
一方、ジャーマンカモミールもアロマに使え、甘みを感じられる香りがします。す。また、オイルはアズレンの一種であるカマズレンを含むため、珍しい「青色」をしているのが特徴です。
アロマは入浴や足湯での利用やバスソルト、アロマポットやアロマディフューザーで香りを楽しんだり、シャンプーやトリートメントに加えたヘアケアの使い方もできます。
カモミールのアロマには抗炎症や抗酸化作用、保湿効果があるので、ニキビや乾燥肌といった肌トラブルを緩和する効能が期待できます。
鎮痛作用もあるので頭痛や生理痛の緩和に効き、さらに腹痛や歯痛等の軽減にも役立つと言われています。
安眠に対する効能も発揮し、ストレスからくるイライラや緊張した気持ちを穏やかにしてくれます。
作用は穏かで、落ち着きがなかったり癇癪を起こしやすいお子さんの気持ちも落ち着かせてくれるおすすめのアロマです。