身体的な症状から精神的な症状まで、さまざまな症状を引き起こすといわれる更年期障害。
日本人女性の閉経が50~51歳ほどで、その前後45歳~55歳くらいを「更年期」と呼びます。
更年期障害はまさにそのあたりの年代の女性に多くみられる症状で、更年期障害と診断される人は更年期女性の2~3割ほどとされています。
今回は、そんな身近な病気である更年期障害について、その原因と対策をご紹介します。
閉経に伴い卵巣機能が低下すると、女性ホルモンのエストロゲンの分泌の減少がおこります。
このエストロゲンの減少が更年期障害の大きな原因です。エストロゲンの分泌の低下は脳の視床下部に影響を及ぼします。
脳はエストロゲンをもっと分泌させようと働き初め、それが自律神経を乱す結果となり、さまざまな不快な症状をおこします。
女性であれば誰もが経験する閉経ですが、更年期障害の症状は人によって大きく違うことも事実です。
全く気にならない人もいれば、寝込んでしまう人もいます。更年期障害は女性ホルモンだけでなく、環境因子による影響も大きいと考えられています。
50歳前後と言うと、子育てが一段落する歳ではありますが、同時に別の家庭内の問題が出てくる時期でもあります。
例をあげると、子供の就職問題であったり、結婚問題であったり、親の介護の問題であったりです。
自分達の老後の心配もあるかもしれません。心配事を多く抱えてストレスに感じるとそれが原因で更年期障害の症状があらわれやすいといわれています。
また、個人の性格も更年期障害の発症に大きく影響します。比較的に几帳面で責任感が強い人やストレスに弱い人は更年期障害に注意が必要です。
対策としては、ストレスの発散方法を見つけることです。
お風呂が好きなら、温泉めぐりをする。音楽が好きなら、楽器を習い始めてみるなど、何か新しく夢中になれることを見つけることは、ストレス対策に効果的です。
また、毎朝、朝日を浴びることで、体内リズムがリセットされ、睡眠を促すメラトニンのもととなるセロトニンが分泌されます。
セロトニンやメラトニンは自律神経を整える働きがあるので、更年期障害には効果的です。不眠にも効果があるので、毎朝、朝日を浴びることを日課にしましょう。
また、食事も大切です。偏った食生活はホルモンの分泌に影響します。寝る前の数時間は食事を避けるようにすると、夜間の熟睡につながり、しいてはホルモンの分泌を促します。
加えて、インフラボンにはエストロゲンと似た作用があるといわれています。インフラボンを含む食品は豆腐や納豆、味噌などです。意識的に取り入れるようにしましょう。
また、ビタミンE(アボカドやナッツ)や亜鉛(牡蠣やレバー)はホルモンの分泌を促します。ビタミンB類は自律神経を調整します。
適度な運動は更年期障害だけでなく、加齢と共に増えてくるさまざまな病気に有効です。
特に、有酸素運動が自律神経に効果が高いといわれています。ウォーキングやエアロビクス、ヨガや太極拳など呼吸に意識しながら、できれば毎日続けるようにしましょう。
気分がすぐれないからと、家に閉じこもるのではなく、できるだけ積極的に外に出て活動することもポイントになります。