甘いものを食べると虫歯になる。そんなイメージが虫歯にはあります。
虫歯になる原因には、甘い食べ物だけでなくいくつの要因がそろうことで作られます。それが「虫歯の輪」と呼ばれる4つ要因です。
虫歯の原因となる3つの要素が重なり合い、そこに4つ目の時間の経過が加わることで、虫歯は作られると言われています。
どの要素も完全にはなくすことは不可能ですが、適切に対処をしていけば、虫歯は予防できます。
今回は虫歯の原因と対策について紹介します。
虫歯の一つ目の原因は、口の中の細菌です。
虫歯で、歯に穴が開くのは細菌によって作り出される酸が、歯を溶かすためです
口腔内にはいろいろな細菌がいます。中でもミュータンス菌は虫歯菌とも呼ばれています。
口の中に残った砂糖を、ニュータンス菌が食べ、ネバネバとした物質を出すため、歯に付着しやすくなって、どんどんこびりつきます。
ミュータンス菌は、他の細菌もまきこんで歯垢(プラーク)を作り、さらに酸を酸をつくり出して歯の表面を溶かします。
虫歯の細菌対策として、歯磨きで細菌が歯に付着するのを防ぐのが基本です
食後の時間の経過が立つほど虫歯は発生しやすいので、歯磨きの時間の間隔は短いほうがよいです。
しかし、ただがむしゃらに歯磨きをするのではく、できるだけ磨き残しがないようにすることが大切です。
歯と歯の間には歯ブラシは通りませんから、フロスを使いましょう。一度、治療した詰め物の境目のしっかりと磨きましょう。
それでも、完全に細菌を取り除くことは難しく、残った歯垢が少しずつ歯石へと変化していきます。
歯石になると歯みがきでの除去は困難です。対策として4ヶ月おきに歯科医で歯石をとるクリーニングをしてもらうと良いでしょう。
口腔内を無菌状態にするのは不可能ですが、細菌の量をコントロールすることが大切です。
虫歯の2つ目の原因とされるのが、口腔内の細菌の餌となる糖分です。
糖分を栄養源として細菌は繁殖し、歯垢を作っていきます。
とくに糖分を含んだ柔らかい食べ物は、口の中(歯と歯の間など)に残りやすくなります。
食べ物を口にしなければ生きていけない人間にとって、糖分を摂らない事は難しいですが、歯垢がたまらないようにすることは可能です。
虫歯の三つ目の原因に、歯の質が挙げられます。
歯はエナメル質、象牙質といった層でできています。
口を開けて目に見る部分をエナメル質といいますが、この部分に強い弱いがあり、弱い人は虫歯になりやすいと言われています。
永久歯が生えたばかりの子供はエナメル質が弱い状態ですから、子供は虫歯になりやすい状態だと言えるでしょう。
また、歯の質だけでなく歯並びの悪さも入ります。歯並びが悪いと口の中に汚れが残りやすことや、磨きにくいため磨き残しが多くなるためです。
人間の歯には再石灰化という、細菌の酸で溶かされたエナメル質をより強化なものに戻す働きが備わっています。
その大事な役割を果たすのが唾液なのです。唾液の分泌を促すことは、虫歯対策には欠かせません。また、唾液には殺菌作用もあります。
「よく噛む」「鼻呼吸をする」「口が乾燥したら水を飲む」などが唾液の分泌を促します。
また口の中で、ベロ回し体操をすることも唾液の分泌が促進されます。
虫歯予防のフッ素入りの歯磨きや、再石灰化を促すキシリトール配合のガムなどもおススメです。
虫歯は、①~③の原因に時間の経過が加わることで作られます。食後いつまでも歯磨きをしない、口の中に常に食べ物を入れていると虫歯になります。
食後は、しっかりと歯磨きをして、磨き残しのないようにしましょう。