仕事や家事の途中で、ふとやる気がなくなってしまう経験がある人は多いでしょう。それは、集中力が足りていないからだと考えられます。
集中力を高めるには本人の意識付けを徹底するだけではなく、食べ物から必要な栄養素を摂取することも方法の1つです。毎日の食生活で工夫すれば、集中力が身について作業効率が上がることもあるでしょう。
ここでは、毎日の集中力を高めるために積極的に口にしたい4つの食べ物について、詳しく解説していきます。
「魚を食べると頭が良くなる」という歌がありますが、根拠のない歌詞ではありません。
実際に魚の中にはEPA、DHAという思考力や記憶力を促進する成分が含まれています。特に、成人の脳に働きかけてくれるのがEPAだといわれています。
EPAはエイコサペンタエン酸の略であり、悪玉コレステロールを減少させ、血液をサラサラにする効果も含まれています。体の組織を作るのに重宝されるEPAですが、人間の精神にも働きかけることが判明しています。
EPAを摂取するとイライラが軽減され、集中力が高まります。アルツハイマーなどの治療にも試用されている成分ですが、若い人でもEPAの含まれている食べ物を摂取すると、頭がスッキリすることもあるでしょう。
EPAを特に含んでいる魚はイワシ、サバなどの青魚のほか、マグロやブリも挙げられます。引き締まった身の魚にはEPAが多いとの説もあります。
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食卓で何気なく並んでいる卵(鶏卵)ですが、卵は脳細胞へと働きかける成分を含んでいるので、集中力アップにはおすすめの食べ物です。
卵の黄身には卵黄レシチンという成分が詰まっています。レシチンは医薬品や化粧品でも用いられるほど、人体に役立つ成分だといわれています。特に細胞を活性化させる作用が強く、アンチエイジング商品の要素としても活躍しています。
レシチンは脳細胞の活性化を促し、深い思考力や集中力をサポートします。朝食に卵、特に黄身を食べると、1日の脳の働きを助けてくれることもあるでしょう。
また、レシチンには認知症予防の効果もあると見られており、研究が進んでいます。レシチンを構成するコリンという成分は、脳に達すると記憶力や判断力を制御する力を発揮するといわれています。スーパーマーケットやコンビニで手に入りやすい食品だけに、毎日食べやすいのも卵の大きなメリットでしょう。
卵の栄養 - 理想的な栄養バランスを持つ卵とその効果について
疲れたら甘いものが食べたくなる人がいますが、それは無意識に脳が糖分を求めているからだと考えられます。
糖分は脳にとってのエネルギー源であり、長い思考が続いて集中力が切れそうなときは甘いものを補充すると、集中力を取り戻せることがあります。
甘いものの中でもおすすめしたいのがバナナです。消化によく、カロリーも高いバナナは仕事が長引いたときなどのおやつに最適です。そのうえ、大量に含まれるトリプトファンが脳に働きかけます。
トリプトファンが影響するのはセトロニンという脳内物質です。脳が感情をコントロールし、平常心を保つためにはセトロニンの分泌が不可欠です。セトロニンが多いほど、精神は安定しやすくなります。
バナナを食べるとセトロニンの大量分泌が行われることもあり、集中力アップへとつながります。長時間の仕事や家事でイライラを覚えたら、バナナを口にしてみる価値はあるでしょう。
集中力を欠いているときは、脳や体が疲れているだけでなく、目に原因があるケースもあります。
特に、細かい作業やデスクワークが続いていると目に負担がかかり、視界がぼやけたり、視力が落ちたりする傾向があります。そんなときは結果的にストレスが募り、集中力が落ち込む原因となるのです。
視力に良い食べ物を口にすることで、集中力が高まることも考えられます。小さくてこまめに補充しやすいブルーベリーは、特におすすめできる食材です。
ブルーベリーに含まれるポリフェノールの一種、アントシアニンは視神経に働きかけるといわれます。また、目を疲れさせる活性酸素も制御し、目のダメージを軽減してくれることもあります。活性酸素は目の病気の原因にもなるので、予防のためにもブルーベリーは役立つでしょう。
集中力を高めてくれる食べ物は体質によっても異なります。自分に合った食べ物を見つけて集中力アップのために取り入れてみるようにしましょう。
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