主観的運動強度とは、心理的側面からその運動がどれくらいの強度で行われたのかを知ることのできる指標のことです。
運動の強度はふつう、その運動をしたときの心拍数が、最大心拍数の何パーセントかをもって計られるものです。つまり、運動の強度を知るためには、心拍数を測らなければいけません。
しかし、心拍数は体の状態などさまざまな要因によって変化しがちで、そのとき本当に必要な数値が得られない場合もあるのです。そうなると、運動の効率が悪くなるばかりか、体を壊す危険すらあります。
主観的運動強度なら、自分が感じた運動の「きつさ」から、その運動がどれほどの強度なのか、目安として知ることができます。
主観的運動強度の目安は、安静状態では6、非常に楽だと感じるときは7、非常にきついと感じるときには19といったように、6~20までの15段階の数値で表されます。
たとえジョギングであれば、運動強度で40~60パーセントが適切とされていますが、これは主観的運動強度でいう11~13。感覚でいうと、楽であると感じる程度からややきついと感じる程度までの間にあたります。
もう少しペースを上げても楽に走れる、という感覚なら運動量は不足している可能性が高く、一方きついと感じ始めたらそれは運動が過剰になっている可能性が多くある、ということになります。
このように、自分の感覚だけで知ることのできる主観的運動強度は、場面に合わせて活用されることが期待されます。