表皮ブドウ球菌とは

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表皮ブドウ球菌staphylococcus-epidermidis

表皮ブドウ球菌とは?

表皮ブドウ球菌とは人間の皮膚表面に存在する、肌の常在菌です。

ブドウ球菌には、おもに非病原性の表皮ブドウ球菌、鼻腔や表皮に存在し病原性が高い黄色ブドウ球菌、そして泌尿器周辺の表皮に存在し尿路感染症の原因となる腐食性ブドウ球菌の3種類があります。

ブドウ球菌はコアグラーゼという血漿を、凝固させる酵素を生産するかどうかで分類がされます。人間の表皮に存在するブドウ球菌の中では、黄色ブドウ球菌のみがコアクラーゼを生産するため、他のものと区別することができます。

表皮ブドウ球菌は非病原性のブドウ球菌ですが、手術の際に医療器具に付着し体内に入ると感染性心内膜炎などの、日和見感染症を引き起こすことがあります。

一方で普段は人間の表皮に常在し、他の細菌から表皮を守る役割も果たしています。ニキビや吹き出物、肌荒れなどの肌トラブルに強い肌を保つちます。

黄色ブドウ球菌が増えると表皮感染症や食中毒、肺炎などの疾患を引き起こす原因となりますが、表皮ブドウ球菌を増やし菌のバランスをとることで健康の維持につながります。

さらに表皮ブドウ球菌は、表皮が排出した汗や脂を栄養素としてグリセリンを生産します。グリセリンは医療用、もしくは化粧用の保湿剤・潤滑剤として使用され肌を保護する働きがあります。

さらにグリセリンは弱酸性です。病原菌の多くがアルカリ性を好む性質がありますが、表皮ブドウ球菌の働きにより病原菌は増殖することができなくなります。

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