トレーサビリティーとは、主に流通業界において「物品が生産されてから廃棄するまで、どのような経路を辿っているか、追跡することができる状態」を示す言葉です。
トレーサビリティーは、日本語で「追跡可能性」と訳することもあります。
トレーサビリティーを実現することで、生産・製造者に始まり、加工業者や小売店舗などの情報を視認できるようになります。
この結果、一つの商品において、「どのような人の手を介した商品であるか」を知ることができるようになると同時に、「問題があった場合、どこが原因であったか」を突き止めることも容易になります。
消費者にとっては、原産地くらいしか分からなかった情報が公開されることで、購入時の選択肢が増えるのです。このような理由から、トレーサビリティーは、特に高い安全性や品質を求められる、食品の流通を中心に注目されるようになりました。
その他、品質が問われる工業製品や、どこでどのように運ばれているかが重要である宅配便などでも、幅広く導入されています。
なお、トレーサビリティーという言葉は、計測器に関連する用語としても用いられています。計測結果の信頼性を保つため、その測定に用いられた機器が、国際基準などを満たすように校正されているかを示す言葉です。
流通用語との区別をつけるため「計量計測トレーサビリティー」などと表現することもあります。