濃縮還元とは主に、野菜や果物の飲料の製造に用いられる手法です。
野菜や果物の液体から水分と取り出し、濃度を高め、その後再び水分を加えて濃縮前と同じ濃度に戻す事を指します。
濃縮還元のメリットとして、総面積が一時的に縮小するため、運送にかかるコストを削減できること挙げられます。濃縮還元製法により、果汁の輸入出が大幅に拡大し、世界各地の果汁を使用した飲料水の製造が可能となっています。
また、濃縮還元の場合、濃縮後の液体は浸透圧が高く抗菌作用が見込めます。総面積の圧縮により保存容器もコンパクトにでき、空気に触れる面積も少なくなるので、酸化防止になり長期保存や栄養素の維持にも向いています。
ファミリーレストラン等で見かけるドリンクバーでは、還元前の原液を機械に設置し、提供時にセルフで濃縮還元飲料になる仕組みになっています。
液体を濃縮する方法は様々で、特殊な膜でろ過する方法や、煮詰めて水分を飛ばす煮沸濃縮、フリーズドライと同様に低音で圧縮して真空状態で水分を飛ばす真空濃縮。
液体中の水分を凍らせて、氷の結晶と分離させる凍結濃縮、超音波で霧を発生させ、霧状になりやすい物質とそうでない物質を分離する超音波霧化分離等があります。
それぞれの製法によって、高い殺菌作用、熱に弱い食品の濃縮、より高い濃縮率を見込めるなどのメリットがあります。