小松菜の栄養と効能について解説していきます。
シャキシャキとした茎と、柔らかな葉の小松菜。クセがなく生でも食べられるなど、親しみやすい野菜の一つですね。東京の小松川地区で栽培されたことが名前の由来とされています。
今回は、そんな小松菜の栄養とその効能についてご紹介します。グラフも掲載していますので、こちらもあわせてご覧ください。
目次
小松菜の栄養と効能
「日本食品標準成分表2015」より (可食部100gあたり)
小松菜にはカルシウムが豊富に含まれています。
上のグラフは、小松菜と主な食品とのカルシウム含有量(100gあたり)を比較したものです。
牛乳やヨーグルトよりも多くのカルシウムを含んでいることが分かります。しかも、ほうれん草と比べると3倍以上のカルシウム含有量になります。野菜平均としても3倍近い含有量を誇ります。
カルシウムというと、牛乳や魚のイメージがありますが、小松菜などの野菜にも含まれているんですね。ちなみに、カルシウムを多く含む野菜は他に、パセリ、モロヘイヤ、バジル、ケールなどが挙げられます。葉物野菜に多く含まれています。
ただし、野菜のカルシウムは牛乳よりも吸収率が低いので、ビタミンDと一緒に摂るとより効果的です。
カルシウムは、ミネラルに分類される栄養で、歯や骨を形成する働きがあります。そのため、じょうぶな骨や歯を作り、骨粗鬆症を予防する効能があります。
また、カルシウムは筋肉の収縮をさせたり、神経の興奮を抑える効果があります。
「日本食品標準成分表2015」より (可食部100gあたり)
小松菜はカリウムも豊富に含まれています。
グラフを見て分かるように、小松菜は野菜平均よりも多くのカリウムを含有しています。
カリウムはミネラルに分類される栄養で、摂取しすぎたナトリウム(塩分)の排泄を促す効能があるため、高血圧の予防になります。
また、体内の水分量を調整するので、むくみの解消にも効果的です。
小松菜にはβ-カロテン、グルコシノレート、グルタチオンという、栄養が含まれています。
β-カロテンは、粘膜や皮膚を健康に保つだけでなく、免疫力を高め、抗酸化作用の働きで活性酸素を消去する効果があります。さらに、β-カロテンは油に溶けやすい性質があるので、炒めると栄養の吸収率が上がります。
グルタチオンは、活性酸素種から細胞を保護する補助的役割をします。
また、グルコシノレートは肝臓の働きを助け、解毒作用を高める効能があるので、抗ガン作用があるとされています。
上記の栄養はいずれも、免疫力アップや抗酸化作用がある栄養素なので、がん予防が期待されています。
小松菜にはビタミンC、鉄分、食物繊維と、女性にうれしい効能を発揮してくれる栄養が豊富に含まれています。
ビタミンCは、皮膚や血管の老化を予防し、老化を予防する効能があります。さらには免疫力も高めるので、風邪の予防の効能もあります。
鉄分はヘモグロビンを作り出す栄養素で、貧血を予防する効果があります。
また、食物繊維は第六の栄養素とも呼ばれ、腸内環境を整える働きがあるので、便秘改善の効能があります
さらには前述したとおり、小松菜にはカルシウムやナトリウムなどのミネラルも豊富なので「天然のマルチサプリ」とも呼ばれます。
豊富な栄養を含んでいる小松菜ですが、含まれている栄養をより効率的に摂取できる調理法をご紹介します。
まずは油です。少量の油は小松菜に含まれているβ-カロテンの吸収率を高める働きがあります。オリーブオイルやえごま油など、サラダやジュースを作る際は、小松菜に少量の油を加えるようにしましょう。
同様の理由から、油を使った炒め物もおすすめです。特に、小松菜はアクが少ない野菜ですので、下ゆでせずにそのまま炒めることができます。ただし、小松菜に多く含まれているビタミンCは熱に弱い栄養素です。長時間熱を通すのは避けましょう。
小松菜はカルシウムを多く含む野菜ですが、牛乳やごま、小魚などカルシウムを含む食材と一緒に食べるとカルシウムの吸収効率が高まります。こちらもぜひ、お試しください。
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