酸化ストレスとは、体内の酸化反応によって生じる悪影響のことです。
酸化反応は、酸素と分子が結合することによって発生するものですが、最も一般的な例は金属の錆です。金属は酸素と化合すると酸化が起こります。例えば自転車を放置していると錆びることがありますが、それは水の中の酸素と金属が反応するからです。
この酸化反応が人間の体内でも起こり、カラダに悪い作用を及ぼすのが酸化ストレスです。
人間は呼吸をするときに、必ず体内に酸素を取り入れています。それと同時に、食事をすることでさまざまな栄養素を摂取しています。
栄養素からエネルギーを取り出すときに栄養素を分解しますが、このとき酸素の一部は細胞内のミトコンドリアによって活性酸素に変換されます。
活性酸素は、酸素よりも酸化能力が高いという特徴を持っています。通常は活性酸素が生じてもすぐに除去されますが、運動不足や偏食といった不健康な生活を送っていると、活性酸素の生成と除去のバランスが崩壊して、酸化ストレスが起こりやすくなります。
酸化ストレスが高い状態が続くと、体内のタンパク質、糖質、脂質などが次第に酸化されていき、さまざまな病気をもたらします。
体内の糖が酸化されて起こる糖尿病や、酸化物質の蓄積で血管の内部が小さくなることで生じる動脈硬化が、酸化ストレスによってもたらされる代表的な例です。