香辛料としてイタリア料理で大活躍するオレガノ。
スパイシーな香りは、ハーブの中で最も強いと言われています。強い生命力を持つため生育も簡単で、家庭でも手軽に栽培できるほどです。
そんなオレガノには、実は知られていない多くの効能があり、さまざまな成分が含まれています。
今回はオレガノの効果と効能について詳しくご紹介します。
オレガノの特徴的な香りには、カルバクロールという成分が含まれています。
カルバクロールには殺菌や鎮静効果があり、傷ついた細胞粘膜を修復して体調を整えてくれる働きがあります。
また、鎮静作用は頭痛やイライラの緩和にも効果的です。さらには抗菌・抗ウィルス作用もあるため、オレガノは風邪予防に適したハーブと言えます。
オレガノは、ポリフェノールの一種であるロスマリン酸を含みます。こちらもオレガノが持つ効能で注目したい成分です。
ロスマリン酸はシソ科のハーブに多く含まれており、活性酵素の働きを抑える効能があるため、アレルギーの症状緩和に役立ちます。
さらに、最近の研究ではアルツハイマー予防にも効能があることが分かりました。今後、ロスマリン酸は大きな期待を寄せられる成分として注目が集まるでしょう。ロスマリン酸は、ローズマリーやレモンバームにも含まれています。
オレガノには強い抗酸化作用を持つ、チロールという成分が含まれています。
チロールなどの抗酸化物質は、夏の強い紫外線や加齢、ストレスによる影響で増加する活性酵素の働きを抑え、老化の原因となる酸化を防いでくれます。
この効果はORAC(Oxygen Radical Absorbance Capacity)と呼ばれる、活性酸素吸収能力を数値化した指標でも実証されており、オレガノの乾燥葉はそのトップ5に入るほど抗酸化作用が高い食物とされています。
古代ギリシャ・ローマ時代から重宝されていたという歴史を持つオレガノは、古代ギリシャ語で「山の喜び」をあらわす「オロス・ガノス」が転じて、オレガノと呼ばれるようになったと言われています。
当時から、胃腸の不調や、神経を鎮めてくれるなどの効能が認められていました。
料理だけでなく、オレガノの精油で頭皮のマッサージをしたり匂い袋にしたりと、香りや味、薬効成分を生かし、さまざまな用途に使われていたそうです。