世界の漁獲量の3分の1を日本で消費するという鮭。焼き魚はもちろん、おにぎりやお弁当、お寿司などにも多く使われている魚ですね。
日本人に人気のある魚ということが伺えます。鮭の卵は、「いくら」や「すじこ」として食されているのも有名ですね。
今回のテーマは、そんな日本人が大好きな鮭について。その栄養と効果を詳しく解説していきます。
目次
鮭の栄養と効果 一覧
まず、鮭で注目すべきはアスタキサンチンという栄養です。
アスタキサンチンはカロテノイドの一種で、強い抗酸化作用を持ち、細胞の酸化を押さえるため、老化防止やがん、動脈硬化を予防する効果があります。
ちょっと驚くかもしれませんが、鮭は白身魚です。鮭の身が赤い色をしているのは、アスタキサンチンの色素によるものです。アスタキサンチンは赤い色素を持っているため、鮭の身が赤くなるんですね。
アスタキサンチンを多く含む食品はほかに、イクラ、エビ、カニなどがあります。いずれも赤い色をしていますね。
鮭にはビタミンDも豊富に含まれています。
ビタミンDはカルシウムやリンの吸収を促す栄養です。カルシウムやリンの吸収を促すことで、骨を健康に維持したり、強くしたりする効果があります。
また、ビタミンDには血中のカルシウム濃度を一定に保つ働きがあるため、カルシウムの働きである神経伝達や筋肉の収縮をスムーズに行う手助けをします。
ちなみに、鮭と牛乳の組み合わせは効果が絶大です。
牛乳にはカルシウムが含まれていますが、乳糖やカゼインペプチドという成分も含まれており、これらの成分が吸収しにくいカルシウムの吸収を高める働きがあります。
つまり、カルシウムの吸収率の高い牛乳とそれを促す効果がある鮭は、とっても良い組み合わせなんです。レシピとしては、鮭と牛乳を使ったクリームシチューや鮭と野菜のクリーム煮などがおすすめです。
鮭はDHAやEPAといった栄養素も含んでいます。
通常、DHAやEPAはイワシや鯖(サバ)などの青魚に多く含まれる栄養なのですが、鮭にも意外と多く含まれています。
DHAは、血管そのものの柔軟性を高める働きや血栓を溶かす効果、中性脂肪を低下させる効能などがあります。EPAには、血中のLDLコレステロールを下げ、中性脂肪を低下させる働きがあります。また、血小板凝集抑制効果といって血液をサラサラにする効能もあります。
DHAやEPAはいずれも、動脈硬化や心疾患などの血管系の病気の予防に役立つ栄養です。もちろん高血圧の予防にもおすすめです。
また、脳の海馬にはDHAが集中していることから、DHAを摂取することで集中力や記憶力の向上が期待できます。「魚を食べるとアタマが良くなる」と言われるゆえんはこのことだったんですね。
栄養豊富な鮭ですが、さらにおすすめの食べ方があります。それは、「缶詰」です。
缶詰になることで、ホロホロになった骨まで食べることができます。骨を食べることで、カルシウムを摂取することができます。以下は「しろさけ」のカルシウム含有量の比較です。
缶詰のカルシウム量が10倍になっていることが分かりますね。カルシウムはご存じのとおり、骨や歯を形成する働きがある栄養で、イライラなど神経の興奮を抑える効能も期待できます。
缶詰は簡単に食べられる点も良いですね。育ちざかりのお子さんや、骨粗鬆症を予防したい中年の方にもおすすめです。