秋田県の名産のひとつである、ハタハタ。
ハタハタは、漢字で「鰰」と表します。ハタハタは「カミナリウオ」とも呼ばれ、産卵のため晩秋から冬にかけて雷が鳴るころに現れるためだそうです。
うろこがなく比較的面倒な下処理も必要ないため、調理のしやすい魚といわれます。白身魚の中ではうまみがあり、卵も「ぶりこ」と呼ばれうま味が強くおいしいと人気です。
また、秋田ではハタハタを発酵させて作る「しょっつる(塩汁)」が有名です。
今回は、ハタハタに含まれる栄養やその効果や働きについてまとめています。
ハタハタにはn-3系脂肪酸の一つDHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれています。
DHAには、脂質異常症、動脈硬化、高血圧の予防、そして記憶力や視力の向上に効果があります。
DHAは、血管を柔らかくする作用や中性脂肪を低下させる働きがあり、血流を良くする作用があります。
また、DHAには脳を活性化する働きもあり脳の栄養素とも言われ、脳の血液脳関門を通過できる数少ない成分です。
そして、血液網膜関門という場所も通過することができ、網膜にも入ることができるので網膜の機能を高めることができます。
ハタハタにはEPA(エイコサペンタエン酸)も含まれています。EPAは、DHAと同じくn-3系脂肪酸の一つです。
EPAには、血栓を防ぐ抗血栓作用や中性脂肪を低下させる働きがあり、血液をサラサラにする効果があります。
そのため、EPAは血液を固まりにくくして、動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞の予防に有効です。
また、DHAとの相乗効果により脳の血管を守る働きがあり、EPAは血管、DHAは脳の健康維持をする効果があります。
ハタハタにはグルタミン酸が含まれています。
グルタミン酸は、アミノ酸の一つで第5の味覚うま味として発見され成分です。
アンモニアを解毒する効果や利尿作用、疲労回復に効果があります。
また、グルタミン酸には、脳の興奮を鎮めるGABAを生成する作用があり、リラックス効果もあります。
ハタハタにはミネラルの一種であるカリウムが含まれています。
カリウムには、体内の余分なナトリウムを排出する働きがあり、高血圧やむくみの予防に効果があります。
カリウムは、過剰に摂取したナトリウムを体外に排出して、体内のカリウムとナトリウムをバランスよく保つ働きがあります。
ハタハタにはミネラルのひとつリンも含まれています。
また、豊富ではありませんがハタハタには、カルシウムやマグネシウムも含まれています。
リンは、カルシウムやマグネシウムとともに骨や歯の形成に必要な栄養素です。
そして、エネルギーを蓄えるATPの成分になったり、細胞膜のリン脂質やDNAを含む核酸の構成成分にもなる役割があります。