ししゃもshishamo

丸ごと美味しい! ししゃもの栄養と効能7選

ししゃもの栄養と効能

ししゃもの栄養と効能についてお伝えします。漢字では「柳葉魚」と書き、その名前のとおり柳の葉のようにすらりとしたボディが特徴的なししゃも。

オスもメスもおいしくいただけますが、とくにお腹にたくさんの卵が詰まった産卵期のメス、いわゆる「子持ちししゃも」は格別です。

プチプチとした食感がたまりませんし、頭から尻尾の先まで食べられるので、様々な栄養が一度にとれる食材です。

今回は、そんなししゃもの栄養と効能についてご紹介。知ればもっと食べたくなる、ししゃもの魅力に迫りたいと思います。

骨まで食べられるので栄養満点!- カルシウムで骨や歯の形成に

ししゃもは体長15cmほどで、しかも丸ごと食べられます。丸干しや干物として出回っている場合が多く、骨までバリバリと食べられるのが魅力的ですね。ししゃもには多くの栄養がありますが、骨まで食べることで豊富なカルシウムを摂取することができます。

ししゃもと主な魚のカルシウム含有量の比較

「日本食品標準成分表2015」より (可食部100gあたり)

上のグラフはししゃもと主な魚のカルシウム含有量を比較したものです。どじょうやワカサギと比較すると劣りますが、あゆうなぎ、その他多くの魚と比較してもカルシウムの豊富さが目立ちます。

カルシウムにはご存知の通り、骨や歯を形成する効能があります。カルシウムを多く含むししゃもは、育ちざかりの子供や骨粗鬆症の心配がある高齢者にはとても良い食材ですね。

また、カルシウムは、神経の興奮を抑える効能や、細胞の機能を調整する働きなどもある栄養です。

注目の栄養はEPA - 効能はアレルギーの改善を促す

5匹のししゃものイメージ

ししゃもに含まれている栄養のなかで、昨今注目を集めているのがEPA(エイコサペンタエン酸)。

EPAは、アレルギー反応を促進させる酵素の働きを阻害する効能がある栄養です。EPAを摂取することでアレルギー反応が緩和され、痛みや痒みといった症状が改善されるのです。

花粉症やアトピーなど、アレルギーの症状に悩まされている方は、ししゃもに含まれるEPAを摂取すると症状の緩和が期待できます。

EPAの効能には抗血栓作用もあります。血管を柔軟にして血液をサラサラにするとともに血流も良くするため、動脈硬化や脳梗塞などのリスクの軽減につながります。

脳の栄養に!DHAで記憶力や学習効率を高める効能もあり

ししゃもを食べることで、DHA(ドコサヘキサエン酸)を効率的に摂取することができます。

DHAは、記憶力・学習力を高める効果があるため「頭のよくなる栄養素」といわれています。脳を構成する神経細胞の膜の中に存在し、神経伝達を活性化する効能があります。

DHAは魚の脂肪に多く含まれており、とくに眼の裏側にあたる眼窩脂肪はDHAの宝庫です。

目玉だけを食べるにはちょっと勇気がいるかもしれませんが、ししゃもなら丸ごと一匹食べられるので、効率的にDHAを摂取することができます。

ししゃもの栄養には血圧を安定させるカリウムも

魚のフライが5本

ししゃもにはミネラルの一種であるカリウムも含まれています。

カリウムはミネラルに分類される栄養の一種で、細胞の内と外の水分量や浸透圧を調整する働きや効能があります。

また、血圧を安定させる作用もあり、高血圧の予防やむくみを解消する効能や効果も期待できます。

カリウムを含む魚介類には、かんぱちやさわら、きはだまぐろなどが挙げられます。

元気の源、ビタミンB2!- 代謝の活性化で身体を動かすエネルギーに

ししゃもをたくさん食べると、元気に活動できるようになります。その秘密のカギを握るのが、ししゃもに豊富に含まれているビタミンB2。

ビタミンB2は水溶性のビタミンで、糖質や脂質を分解して体内の代謝反応を促進する効能があります。

活発に運動する人ほど必要量が多い栄養素ですが、余分に摂取しても尿に溶けて体外にでてしまうため留められません。そのため、必要に応じて補給しなくてはならないのです。

ビタミンB2を補給したい、そんなときこそししゃもが便利。手軽に食べられてビタミンB2を簡単に摂取できるので、エネルギー供給源にぴったりなのです。

マグネシウム&亜鉛も豊富! 効能はカラダの代謝維持

だし巻きたまごと子持ちシシャモのイメージ

ししゃもにはマグネシウムや亜鉛も豊富に含まれています。

マグネシウムと亜鉛はともにミネラルに分類される栄養で、マグネシウムは酵素の働きを助ける効能や、カルシウムとともに骨を丈夫にする働きがあります。

一方、亜鉛は新陳代謝を促す作用の他にも、舌の味蕾という器官を作り味覚を正常に保つ効能などがあります。

いずれもカラダの基礎的な働きや代謝に関わる栄養ですので、ししゃもを丸かじりするだけで、これらの栄養素がとれるのは嬉しいですね。

コラーゲン - 子持ちししゃもでお肌ケア

プチプチ感がたまらない、秋の味覚の子持ちししゃも。お腹の中にたっぷり詰まった卵には、コラーゲンが含まれています。

コラーゲンは、細胞と細胞をつなぎ止める接着剤のような効果がある成分。その効能はコラーゲンを摂取することで、きめ細かく弾力のある肌になります。

おいしくて美容効果も抜群。子持ちししゃもは、お肌のお悩みを抱えている女性におすすめしたい、美容食でもあるのです。

コラーゲンの合成をサポートする栄養にはビタミンCが有効です。ししゃものフライにレモンが添えてある場合は、一緒に食べるのがおすすめです。

実はししゃもは高級魚!? 「ししゃも」と「樺太」の違い

七輪で焼いている5本のししゃも

ししゃもには様々な種類がありますが、日本の市場に出回っている多くが「樺太(からふと)ししゃも」とも呼ばれている「カペリン」という魚であることをご存知ですか?

スーパーや居酒屋で丸干しや干物として提供されるししゃもは、ほぼ「樺太」と言えます。

実は「ししゃも」はとても高級な魚で、北海道沿岸の一部の地域でしか漁獲されていません。産卵期の秋に北海道南部の一部に見かけられます。日本周辺にだけ生息している、日本固有の魚なのです。

どちらもおいしくいただける魚ですが、代替食である樺太と比べると本物のししゃもはやはりひと味違います。

値段は高値ですが、産卵期の秋には関東の市場でも出回ることがあるようです。食べたことがない人は、ぜひ一度ご賞味ください。

関連コンテンツ

関連記事