シリアルの栄養と効能についてご紹介します。忙しい朝の時間でも短時間で食べられるシリアルは、その利便性から多くの方が利用している食べ物と言えます。
しかし、シリアルは調理不要というだけでなく、サプリなどに使用されている健康成分が配合されていて、身体に良い効能が期待できる、というメリットもあります。
そこで今回は、シリアルに含まれている健康成分について説明していきます。
シリアルは比較的バランスよく栄養が含まれていますが、その中でも注目すべき成分がイヌリンです。
イヌリンはデンプンの一種で、ごぼうや菊芋などに含まれている天然の成分です。そして、人間はイヌリンを分解する酵素を持っていないため、カロリーはほとんど吸収されずに腸内で分解されてしまいます。
そのため、満腹感がありながら太らないという効果が期待できます。
また、腸内で分解されたイヌリンはフラクトオリゴ糖となり、腸内細菌のエサになるため、善玉菌の育成にも役立ち、腸の健康効果も期待できます。
前述したイヌリン等の食物繊維や各種オリゴ糖などは、別名プレバイオティクスと呼ばれています。
プレバイオティクスを簡単に説明すると、消化管で吸収されず、善玉菌の食料となって人体にも良い影響をもたらす成分を指します。
これと似た言葉にプロバイオティクスというものがありますが、こちらは善玉菌のことを指します。
プレバイオティクス(食物繊維など)を日常的に摂取するとプロバイオティクス(善玉菌)が繁殖して、健康状態が改善するという効能を期待することができます。
シリアルの中にはビタミンDが添加されているものも多く販売されています。
ビタミンDは一般的に骨に良いとされている栄養ですが、その理由とは、カルシウムの腸からの吸収と、骨への吸収を助ける作用があるからです。
ビタミンDは日光を浴びることでも生成される栄養ですが、現在は昔に比べてデスクワークが多く、日光に当たる機会が以前より減っています。
そのために、シリアルなどに添加されているビタミンDを摂取することで、骨を強くする効能を期待することができます。
最近では、ビタミンDが妊娠にも良い作用をもたらすという医療機関での研究報告が相次いでいます。
ビタミンDの濃度が低い女性の場合、卵子の数が少ない傾向がある、という研究結果が出ています。
また、女性の卵子だけでなく、男性の精子を作るのにもビタミンDが関係しています。
ですから、不妊で悩んでいる方の場合、女性だけでなく、男性もビタミンD配合のシリアルなど食べることで、卵子と精子に対する良い効能を期待することができます。
シリアルの購入で注意しておきたいのは、一口にシリアルといっても、グラノーラやミューズリーなど様々な種類がある、という点です。
糖分が添加されているグラノーラと基本的に糖分無添加のものが多いミューズリーでは、栄養や効能、味に違いがあります。
ですから、シリアル食を始める場合、最初から大量にまとめ買いしないで、いろいろなものを少しずつ試してみて、最終的に一番自分に合ったものに決めると良いでしょう。
また、食事は肉や魚、野菜、きのこ、海藻などバランスよくとる必要があります。シリアルに栄養を頼るのではなく、きちんとした食事をしたうえで、うまくシリアルを活用するようにしましょう。