変わった名前を持つノビル。ユリ科の野菜でねぎの仲間です。
ノビルは野菜というよりかは野草としても知られています。日本では河原の土手などで自生していますね。
ニラのような形をした葉を持っていて、その根元にある小さな玉ねぎ状の部分を食べます。
ネギやニラに比べると知名度の低いノビルですが、実は様々な栄養素が豊富に含まれています。今回はその効能についてチェックしてみましょう。
ノビルの鉄分含有量は100グラムあたり2.6mgほどで、これは野菜としては非常に多い含有量です。
ノビルに多く含まれている鉄分は、小腸で吸収される栄養で、ミネラルの1つです。血液の色素であるヘモグロビンの成分になっています。
ヘモグロビンは単なる色素ではなく、酸素と結び付いて体中に酸素を運ぶという働きをしています。
つまり鉄分が不足すると、ヘモグロビンを作る材料がなくなってしまうため、酸素が体にいきわたらず貧血を起こす可能性があるのです。鉄欠乏性の貧血予防には適した栄養と言えるでしょう。
ノビルにはビタミンB1、B2、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6といったビタミンB群が豊富に含まれています。
ビタミンB群は、体の中で補酵素として機能することが分かっています。補酵素とは酵素の働きをサポートする成分です。
酵素は食べたものの分解、吸収、排泄を行っているほか、代謝などにも大きな役割を果たしています。しかし酵素単体では十分に働くことができません。そんな酵素をサポートするのが、補酵素です。
ノビルには、ビタミンB群の中でも、特にビタミンB2が特に豊富に含まれています。ビタミンB2は過酸化脂質の分解を促し、動脈硬化や心筋梗塞の予防に役立ちます。
ノビルには100gあたり160μgのビタミンKが含まれています。
ビタミンKは油に溶ける脂溶性ビタミンの1つで、血液を濃くして出血を抑えてくれる働きがあります。怪我をしたときなどに正常に血を止めるにはビタミンKの力が不可欠なのです。
また、ビタミンKで注目したいのが丈夫な骨を作るという効能です。カルシウムが骨に沈着するにはタンパク質の力が必要です。ビタミンKはこのタンパク質の働きを活発にする効果があるため、丈夫な骨づくりには欠かせません。
また同時に骨吸収を抑制してくれるので、骨粗しょう症を予防する効能も期待できます。
ノビルに含まれているビタミンCは、100g当たり60mgほどです。
これはイチゴなどとほぼ同じで、他の果物や野菜に比べても遜色ない量が含まれていることが分かります。
ビタミンCにはいろいろな効能が期待されています。コラーゲンの生成やメラニンの抑制による美肌効果はもちろんのこと、抗酸化作用によって体が老化するのを防ぐ働きもあります。
また、ビタミンCはストレスに対抗する副腎皮質ホルモンの分泌を促す働きがあります。ドーパミンやアドレナリンの分泌に関わりますので、ストレス対策に適した栄養と言えます。
ノビルはあまり馴染みのない野菜ですので、どのようにして食べれば良いかわからないでしょう。
ノビルはにおいが強いので、強い香りのある調味料がおすすめです。味噌なんかがちょうど良いでしょう。
フライパンで味噌、醤油、砂糖と炒めるだけで簡単に味噌炒めにすることができます。コツはノビルを根、茎、葉の部分にそれぞれ分けて、その順番で炒めていくことです。
葉の部分の色が濁る前に火からあげると、見た目にも綺麗に仕上がります。