にんにくの効果と効能についてお伝えします。古くから滋養強壮やスタミナ食として知られるにんにく。
イタリヤ料理や中華料理に多く使われ、日本でも香辛料としても馴染みのある食材ですね。古くはエジプト王朝時代から栽培され、滋養強壮や頭痛薬として使われてきた歴史のある野菜です。
熱狂的なファンがいる一方、「においが強いから苦手!」、「息がくさくなるから嫌!」という方もいるのではないでしょうか?
しかしながら、にんにくの持つ強烈なにおいには、秘密がありました。その名はアリシン。今回はそんな「にんにく」の持つ効能と、注目の成分アリシンの効果について解説していきます
目次
にんにくの効果と効能 一覧
にんにくの効果・効能で外せないのが、滋養強壮、スタミナアップでしょう。にんにくはねぎ類の中でも特にアリシンが多く含まれています。
アリシンはにおいの元であり、含流化合物の一種です。にんにく特有のあの匂いはアリシンだったんですね。アリシンはビタミンB1と結合するとアリチアミンに変化し、体内に長くとどまることにより、滋養強壮やスタミナアップの効果が期待されます。
よく、「にんにくを食べてスタミナアップ!」と言われているのは、このアリシンの効能だったんです。アリシンには様々な効能が期待されます。
また、アリシンは細胞を壊すことにより発生するため、刻んだりすりつぶしたりして食べるのがより効果的です。加熱しすぎると効果がなくなるため、注意が必要になります。
にんにくには抗菌や殺菌効果も期待できます。こちらの効果の正体もアリシン。抗菌や殺菌の効能が期待できるため、風邪やO-157対策にも有効ですね。
アリシンには強い殺菌作用があり、ウイルスや細菌からカラダを守ります。風邪のウイルスはもちろん、O-157菌も殺すほどの威力があります。
ちなみに、「にんにくは消化が悪い」というイメージを持ちがちですが、実は消化を促進する効果もあります。
ただし、食べすぎると胃を痛めるため、料理のアクセントとして適度にくらいにとどめておきましょう。
にんにくには血圧やコレステロールを抑える効果があります。こちらの正体も、実はアリシン。
アリシンは加熱するとスコルジニンという成分に代わります。
スコルジニンは、毛細血管を拡張させる作用があり、冷え性の改善や動脈硬化の予防、血圧やコレステロールを抑える効能があります。
ただし、加熱しすぎる(100度以上)と効果がなくなるため、注意して下さい。
「日本食品標準成分表2020」より (可食部100gあたり)
にんにくにはビタミンB1も豊富に含まれています。
上のグラフは、にんにくと野菜平均とのビタミンB1含有量を比較したものです。野菜平均の2倍以上のビタミンB1を含んでいることが分かります。
ビタミンB1は糖質をエネルギーに変える効果が期待できる栄養素です。糖質をエネルギーに変える効能があるため、夏バテ対策としても効果的です。
また、前述したとおり、にんにくにはアリシンも含まれているため、滋養強壮やスタミナアップの相乗効果もあります。夏バテで疲れがとれない方は、にんにくを食べてみて下さい。
また、ビタミンB1が豊富に含まれている豚肉と一緒に食べるとより効果的です。にんにくと豚肉の炒め物なんか良いですね。
こちらは、にんにくに含まれているDATS(ジアリルトリスルフィド)の効能。
DATSには、がん細胞の増殖を抑える効果、がん細胞を消滅させる効果があることが分かりました。
実際に、にんにくのがん予防効果は米国でも証明されており、米国のデザイナーフーズ・プログラムによると、「ガンになる危険性を少なくする効果がある最も重要な食物」として、にんにくが選ばれています。
また、統計的に、韓国や中国などにんにくを多く食べている人が多い地域には、がん患者が少ないというデータもあります。
エネルギー | 水分 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 | ナトリウム |
---|---|---|---|---|---|---|
129kcal | 63.9g | 6.4g | 0.9g | 27.5g | 6.2g | 8mg |
カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 | 銅 |
510mg | 14mg | 24mg | 160mg | 0.8mg | 0.8mg | 0.16mg |
マンガン | ビタミンA | ビタミンD | ビタミンE | ビタミンK | ビタミンB1 | ビタミンB2 |
0.28mg | 0μg | 0μg | 0.5mg | 0μg | 0.19mg | 0.07mg |
ナイアシン | ビタミンB6 | ビタミンB12 | 葉酸 | パントテン酸 | ビオチン | ビタミンC |
0.7mg | 1.53mg | 0μg | 93μg | 0.55mg | 2.0μg | 12mg |
にんにく(りん茎 生)の100gあたりの成分表(Tr:微量、-:未測定「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より)
滋養強壮や生活習慣病の予防など多くの効果や効能を発揮するにんにくですが、食べ過ぎには注意が必要です。
先にも述べましたが、にんにくは消化を促進する効果がありますが、刺激が強いので食べ過ぎると胃を痛めます。
食べる際には、1日1~2かけらぐらいを目安に摂取しましょう。
にんにくをメインにというよりも、焼き物や炒め物などのアクセントとして使うのが効果的です。ステーキやサラダにかけるガーリックチップも少量を摂る分にはおすすめです。
引用および参考:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」