ラム肉の栄養と効能をご紹介します。ジンギスカンで知られるラム肉は、ここ数年で人気が高まりつつあります。
「ラム肉」は生後一年未満の羊肉のことで、臭みがなく肉質が柔らかいのが特徴です。一方「マトン」は生後一年以上の羊肉で、成長するほど独特なにおいが強くなるそうです。
国産も出回っていますが、ラム肉の多くがオーストラリア、ニュージーランドからの輸入頼りとなっています。
ラム肉はほかの肉類に比べてヘルシーでダイエット向きと言われています。脂質を含むお肉がなぜダイエットにいいのか、その効能が気になりますね。
ここでは、そんなラム肉の栄養と成分、効能についてまとめています。
目次
ラム肉の栄養と効能 一覧
ラム肉に含まれている主な栄養素のレーダーチャート
エネルギー | 水分 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 | ナトリウム |
---|---|---|---|---|---|---|
206kcal | 64.8g | 17.1g | 17.1g | 0.1g | 0g | 70mg |
カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 | 銅 |
310mg | 4mg | 23mg | 120mg | 2.2mg | 5.0mg | 0.13mg |
マンガン | ビタミンA | ビタミンD | ビタミンE | ビタミンK | ビタミンB1 | ビタミンB2 |
- | 8μg | 0.9μg | 0.5mg | 23μg | 0.13mg | 0.26mg |
ナイアシン | ビタミンB6 | ビタミンB12 | 葉酸 | パントテン酸 | ビオチン | ビタミンC |
4.2mg | 0.12mg | 2.0μg | 2μg | 0.94mg | - | 1mg |
ラム肉(かた、脂身つき、生)の100gあたりの成分表(Tr:微量、-:未測定「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より)
まずは、栄養と効能の説明の前に、ラム肉に含まれている栄養や成分をグラフや表で確認してみましょう。
ラム肉の栄養で注目するのは、脂質と亜鉛です。また、タンパク質も豊富でビタミン類も含んでいます。
他の肉類の栄養と比較をすると、ラム肉のタンパク質は意外にも牛肉よりも多く、亜鉛や鉄分といったミネラルも、豚肉を上回っているのが分かります。
ビタミンB1は豚肉に劣りますが、B2の比較では豚肉と牛肉を超える量を含みます。
このように、臭みがあるとして敬遠されがちなラム肉ですが、じつは豚や牛肉よりも優れる部分があります。以下では、ラム肉の栄養とその効能、グラフには掲載されていない栄養成分もご紹介しています。
ラム肉の栄養には脂質が含まれていますが、この脂はカラダに吸収されにくいとされています。
これは、ラム肉の脂質の沸点が人の体温よりも高いためで、体内では溶けずらく消化吸収されにくいと言われています。吸収されなかった脂質は便とともに体外へ排出されるので、これがヘルシーと言われる理由です。
ラム肉 | 牛肉 | 鶏肉 | 豚肉 | |
沸点 | 44℃ | 40℃ | 30℃ | 28℃ |
牛や豚など他の肉類も脂質は含みますが、他の肉類と比較するとラム肉の沸点は高く、とくに鶏肉や豚肉は人の体温よりも沸点が低くなります。
また、ラム肉は不飽和脂肪酸も含むので、悪玉コレステロールを減らす効能がある他、血栓や動脈硬化の予防、血圧を下げるといった効能も持っています。
その他、パルミチン酸やステアリン酸などの飽和脂肪酸も含んでいますが、主な効能はエネルギー源となることです。摂りすぎは肥満の要因になりますが、適度な量は善玉コレステロールを増やしたり、脳出血の予防にも役立ちます。
ラム肉はL-カルニチンと呼ばれるアミノ酸を含むのもポイントです。L-カルニチンには、脂肪の燃焼を促す効能があります。
年齢とともに体内で生成されるL-カルニチン量は減少するため、脂肪が燃やされにくくなり、その結果、体内に脂肪が蓄積して肥満の原因となります。
ラム肉に含まれるL-カルニチンを摂取することで体脂肪が燃焼されやすくなり、内臓脂肪や皮下脂肪の蓄積を防いでくれます。そのため、生活習慣病を予防する効能が期待できるので、ダイエット中にはラム肉がおすすめです。
その他L-カルニチンの効能には、持久力の向上や疲労回復、脳の活性化なども期待されています。
ラム肉は亜鉛や鉄分、銅といったミネラルも含みます。これら栄養に共通する効能が貧血予防です。
亜鉛、鉄分、銅の3つのミネラルは、牛や豚肉よりもラム肉に多く、とくに亜鉛の含有量は牛肉の2倍、豚肉の3倍近くにもなります。
亜鉛の効能には、正常な味覚の維持に大切な味蕾を作る作用があります。その他、酵素やタンパク質の合成にも重要な働きをしますが、不足すると赤血球がうまく作られず貧血を招きます。
また、鉄分は体内に吸収されやすいヘム鉄ですから、血液の主成分となりやすく、銅は鉄分の吸収を促がす効能があります。
その他、貧血の効能に関わるタンパク質やビタミンB12、葉酸などの栄養も含むので、ラム肉は予防に有効な食材です。
ラム肉はもちろんタンパク質も含みます。豚肉には負けますが、鶏もも肉とほぼ同じくらいの量を含んでいます。
タンパク質は、筋肉や臓器、肌、髪、爪と、カラダの重要な構成成分となる栄養で、健康を維持するにはとても大切な役割があります。
カラダを作るだけでなく免疫力を高める効能や、赤血球のヘモグロビンの原料となって全身に酸素を運ぶ役割もあります。
タンパク質が不足すると肌荒れや筋力の低下のみならず、貧血や疲労にも関わってきます。
ラム肉はジンギスカンがもっとも有名な食べ方ですが、骨付きのラムチョップ、しゃぶしゃぶ、生姜焼きなど様々な食べ方ができます。
家庭で調理する際は焼け具合の見極めが難しく、牛肉のようにレアでも食べられるのかも、気になるかと思います。
ラムチョップのように厚みのあるお肉は、中がローズ色になった頃が焼き上がりの合図。焼きすぎは硬くなるので、お肉を押して弾力を感じるくらいがちょうどいいです。
ラム肉は半生でも大丈夫という声もありますが、やはり自宅での調理ではリスクがあるので、生は控えましょう。
冷めると油が固まって美味しくなくなるので、温かいうちに食べるのがポイントです。
引用および参考:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
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