ホタテに含まれる栄養とその効能について、複数の文献を根拠にお伝えしていきます。ホタテにはどのような栄養が多く含まれているのか、どのような効能があるのか、冷凍と生では栄養価に違いがあるのかなどを解説していきます。
また、ホタテの選び方や食べ方、天然と養殖の違いなどもご紹介します。ホタテは栄養価が高く、扱いやすい食材です。これを機にホタテの魅力をぜひ堪能してみてください!
ホタテには以下のような栄養成分が多く含まれています。
ホタテで注目すべき栄養素はタンパク質です。ホタテには他の貝類の2倍ほどのタンパク質が含まれます。タンパク質はエネルギー源となるほか、筋肉や臓器、皮膚、爪や髪などの材料となり、これらの働きを正常に保つ効能があります。
また、ホタテのタンパク質には、タウリンなどのアミノ酸が豊富に含まれます。タウリンには肝臓の機能を高め、血中コレステロールの上昇を防ぐ効能が期待されます。特に、現代人の多くはコレステロールをとりすぎてしまいますので、この効能はうれしいですね。ホタテに含まれているタウリンは、牡蠣に次ぐ豊富な量で、その他あさりやしじみなど貝類に多く含まれています。
ホタテには鉄や亜鉛などのミネラルやビタミンB群も豊富に含まれており、鉄には貧血の予防、亜鉛には味蕾の新陳代謝に関与する効能などが期待できます。
ちなみに、ホタテに含まれているコレステロールは、普通の二枚貝の2~3倍ほど含まれていますが、コレステロールは100gあたり33mgで、他の食品と比較するとさほど多い方ではありません。
ホタテの栄養成分表
エネルギー | 水分 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 | ナトリウム |
---|---|---|---|---|---|---|
66kcal | 82.3g | 13.5g | 0.9g | 1.5g | 0g | 320mg |
カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 | 銅 |
310mg | 22mg | 59mg | 210mg | 2.2mg | 2.7mg | 0.13mg |
マンガン | ビタミンA | ビタミンD | ビタミンE | ビタミンK | ビタミンB1 | ビタミンB2 |
0.12mg | 334μg | 0μg | 0.9mg | 1μg | 0.05mg | 0.29mg |
ナイアシン | ビタミンB6 | ビタミンB12 | 葉酸 | パントテン酸 | ビオチン | ビタミンC |
1.7mg | 0.07mg | 11.0μg | 87μg | 0.66mg | 0μg | 3mg |
ほたてがい(生)の100gあたりの成分表(「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より)
ホタテには豊富な栄養が含まれていることが分かりましたが、生のホタテを毎回調理するには手間がかかります。そこで冷凍ホタテで代替できないかと考えるわけですが、栄養価が変わってしまうのではとお思いの方も多いのではないでしょうか。
結論から言いますと、冷凍ホタテでも栄養価は変わりません。
ですので、時間がない方は冷凍ホタテをうまく献立やレシピに活用しましょう。自分で生を冷凍しても結構ですし、冷凍用を買ってきても問題ありません。生のホタテを冷凍するときは、殻から外して貝柱にして冷凍しましょう。冷凍では1か月ほどはもちます。最近では、むき身の冷凍なども豊富に売っていますので、これらをうまく活用したいところですね。
おいしいホタテの選び方としては、生の場合は殻が閉じているものを選びましょう。殻がかたく閉じているか、触ると閉じるものがおすすめです。ホタテを焼くときは、ドライバーなどで殻を開けておき、貝柱をはずして網焼きで焼きます。
ホタテの貝柱は透明感があり、ふっくらしたものを選びましょう。貝柱は刺身やバター焼きで調理するとおいしく食べれます。
干した貝柱はうま味が凝縮し、うま味の塊といった状態になっています。
ホタテには天然と養殖がありますが、天然ものは自由に動き回るため身が締まっています。しかしながら、天然と養殖では味や栄養素に大きな違いがありません。ホタテは通年食べることができますが、産卵を迎えた身が厚みとうまみを増すため、1月がおすすめです。栄養豊富なホタテはおいしく、扱いやすい食材です。ぜひ、活用してみてください。
『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』、『ビジュアル食品成分表』(大修館書店)、『くらしに役立つ栄養学』新出真理 監修(ナツメ社)、『あたらしい栄養学』吉田企世子、松田早苗 監修(高橋書店)、『知っておきたい栄養学』白鳥早奈英 監修(学研)、『新版 日本食品大辞典』杉田浩一 ほか 編集(医歯薬出版)
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