アマランサスの栄養とその効果や働きなどについてご紹介します。
スーパーフードのひとつとして今も人気のアマランサスは、南米やアフリカなど幅広い地域で栽培されている「スーパーグレイン(驚異の穀物)」とも呼ばれる穀物です。
アマランサスによく似たスーパーフードにキヌアがありますが、100gあたりのカロリーはほぼ同量でも、ミネラル類はアマランサスの方が豊富です。
アマランサスを混ぜた雑穀米では、白米には少ない食物繊維やミネラルを摂ることができます。
今回は、アマランサスの栄養と成分、その効果についてご紹介します。
目次
アマランサスの栄養とその効果 一覧
アマランサスに含まれている主な栄養素のレーダーチャート
エネルギー | 水分 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 | ナトリウム |
---|---|---|---|---|---|---|
343kcal | 13.5g | 12.7g | 6.0g | 64.9g | 7.4g | 1mg |
カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 | 銅 |
600mg | 160mg | 270mg | 540mg | 9.4mg | 5.8mg | 0.92mg |
マンガン | ビタミンA | ビタミンD | ビタミンE | ビタミンK | ビタミンB1 | ビタミンB2 |
6.14mg | Tr | 0μg | 1.3mg | 0μg | 0.04mg | 0.14mg |
ナイアシン | ビタミンB6 | ビタミンB12 | 葉酸 | パントテン酸 | ビオチン | ビタミンC |
1.0mg | 0.58mg | 0μg | 130μg | 1.69mg | 16.0μg | 0mg |
アマランサス(玄穀)の100gあたりの成分表(Tr:微量、-:未測定「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より)
アマランサスに含まれている栄養を、分かりやすくグラブにしてみました。すべてではありませんが、主要栄養素を15種類ピックアップし、下は成分をまとめた表を作成しています。
アマランサスはミネラル類が豊富な穀物、その中でも鉄分や亜鉛が多く含まれています。穀物なので炭水化物の割合も多いですが、食物繊維もしっかりと含まれています。
その他、葉酸やカリウム、カルシウムといった栄養も含まれていますね。
アマランサスはグルテンを含まないグルテンフリーの穀物です。そのためグルテンアレルギーの方でも雑穀米やサラダ、スープなどに加えて食べられます。
以下ではアマランサスの栄養と成分、その効果をまとめています。
アマランサスは鉄分が豊富です。その量は白米の11倍、キヌアの2倍にもなります。また、葉酸も白米の10倍も含んでいます。
鉄分は血液の主成分となる栄養で、葉酸は赤血球を作り、この2つの栄養は貧血の予防効果で有名です。
また、赤血球に含まれるヘモグロビンの生成には、タンパク質とビタミンB6も必要となりますが、アマランサスはこれら栄養も含むため、貧血予防に有効な穀物です。
女性は生理や出産などで血液を必要とします。そのためにもアマランサスを雑穀米やサラダなどに加えて普段から摂取し、貧血予防のサポートに役立てるのがおすすです。
アマランサスの栄養にはアミノ酸が多く、その中でも必須アミノ酸のリジンが注目されています。
リジンの効果には疲労回復や集中力を高める作用があります。これは、リジンがタンパク質の吸収やブドウ糖の代謝を促す働きをするからです。
さらに、リジンは子供の発育には欠かせないアミノ酸です。リジンにはホルモンや酵素の生成、カルシウムの吸収、成長を促進するなどの効果や働きがあります
アマランサスに含まれているアミノ酸はバランスが良く、アミノ酸スコアが75%と高く吸収も良いと言われるので、効果も期待できるでしょう。
一度に多の量はたべられないので、雑穀米の他にもスープにもアマランサスを加えて、なるべく食べる機会を増やしましょう。
アマランサスの栄養の中には、脂肪分のスクワレン(スクアレン)も含まれています。
脂肪分であるスクワレンは人の体内はもちろんのこと、サメの肝油、オリーブオイルなどにも含まれています。アマランサスにはこのスクワレンが、脂肪分全体の約7%ほどになります。
スクワレンの働きは新陳代謝を活性化し、肌のターンオーバーを活発にする効果があります。その効果や作用は女性にはうれしく、新しい肌細胞に生まれ変わる美肌効果が期待されています。
スクワレンはサプリメントだけでなく、肌への浸透性もよいため化粧品にも利用されています。
アマランサスの食物繊維は、白米のおよそ15倍も含まれています。
食物繊維は腸内で便のかさを増し、さらに腸を刺激して蠕動運動を促がす働きがあります。この働きがスムーズな排便を促がしてくれるので、便秘の解消に効果があります。
また、食物繊維は血糖値の上昇を緩やかにする効果もあります。とくに糖質が多く食物繊維の少ない白米を空腹時に食べると、血糖値が急上昇しやすくなります
これらを予防するには、昼食用のおにぎりやお弁当にもアマランサスなどの食物繊維が豊富な穀物類を加えるといいでしょう。
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アマランサスにはミネラル類が豊富。その中でもカリウムやカルシウム、マグネシウム、リン、亜鉛が豊富で、その量は白米やキヌアよりも優れています。
「日本食品標準成分表2015」より (可食部100gあたり)
アマランサスのミネラルと白米、キヌアを比較すると、カリウム「白米の6.7倍」、カルシウム「白米の32倍、キヌアの3.4倍」、マグネシウム「白米の11倍、キヌアの1.5倍」、リン「白米5.6倍、キヌアの1.3倍」、亜鉛「白米の4倍、キヌアの2倍」と上回わります。
カリウムは高血圧やむくみの予防に効果のある栄養です。これはカリウムの効果に体内の余分なナトリウムを排出する作用があるからです。また、亜鉛は新陳代謝に関わる多くの酵素をつくる成分となる、重要な働きをしています。
丈夫な骨や歯の形成に必要な栄養はカルシウム、マグネシウム、リンですね。骨や歯の強度を増す効果もあるので、骨粗鬆症の予防に有効です。
白米にアマランサスやキヌアといった雑穀を一緒に炊くことで、白米には少ない栄養を補えます。
アマランサスの若い葉は、野菜として食べられています。
ほうれん草の様に葉を利用する葉利用型があり、家庭でも育てられます。アマランサスの葉は沖縄県で「ちゃーびら菜」の名前でも、販売されています。
見た目はほうれん草やモロヘイヤに似ていて、タンパク質やカルシウム、鉄分などを含み栄養価も高く、様々な効果が期待できます。
食べ方も様々で、ほうれん草のようにお浸しにしたり、和え物、天ぷらサラダと幅広く活用できます。
ごわつくような繊維質でもなく柔らかな葉で、アマランサスの葉にはモロヘイヤのような粘りはないそうです。生だと少しクセがあるので、火を通した方がおいしく食べられるかもしれませんね。
引用および参考:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
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