玄米の栄養とその効果をご紹介します。ダイエットや美容、健康に効果的な食品として玄米が注目を集めています。
玄米はヘルシーというイメージがありますが、実際白米と玄米のカロリーを比較するとさほど違いがありません。茶碗1杯分(150g当たり)のカロリーは「玄米247kcal、白米252kcal」とあまり変わりません。
では、なぜ玄米はヘルシーや健康維持のイメージがあるのでしょうか?それは白米と比較すると含まれている栄養の種類や量が豊富だからです。
今回は玄米に含まれる栄養や成分、カラダにもたらす効果についてご紹介していきます。また、玄米と白米の栄養の比較もグラフにしているので、ぜひこちらも参考にしてださい。
目次
玄米の驚くべき栄養と効果 一覧
玄米と白米の主な栄養素の比較
上図は玄米と白米の栄養を比較したグラフ(水稲めし)ですが、まずは、玄米に含まれている栄養を見てみましょう。緑色であらわしているのが玄米の主要栄養素15種類です。
玄米はもみ殻を取り除いただけの栄養豊富なお米。中でも注目される栄養がビタミンB1です。その他にもビタミンやミネラル、食物繊維などが含まれています。
玄米と白米の栄養を比較すると、やはりビタミンB1やEが白米に比べてとても多く、鉄や亜鉛、食物繊維の量も長けています。よく「玄米は白米の〇倍」と表現されるのもうなずけますね。
一方で炭水化物の量は白米が勝っています。玄米に比べ食物繊維が少なくその分糖質を多く含みます。白米と玄米を比較して分かったのは、脂質やタンパク質の量、カロリーには大きな差がないということです。
玄米に残された胚芽やぬか層にどれだけ多くの栄養が含まれているかが分かりますね。玄米にはグラフ上にはない効果的な栄養もあります。以下では玄米の栄養と成分、効果についてご紹介します。
玄米の栄養の中でも注目される栄養がビタミンB1です。その量は白米と比較すると8倍にもなります。
玄米の胚芽やぬか層に多いビタミンB1は、炭水化物(糖質)をエネルギーに変える働きがあるため、糖質を含む玄米には大切な栄養です。ビタミンB1不足では糖質の代謝が低下し、エネルギー不足で疲労や倦怠感が出やすくなるとともに、イライラしたり集中力の低下などが起こります。
また、ビタミンB2やナイアシン、ビタミンB6といったビタミンB群も含むため、効果は糖質だけでなく脂質やタンパク質の代謝や、成長促進、免疫力の向上にも。また、女性にはうれしい肌荒れの予防や美肌の維持にも効果的です。
ビタミンB群は疲労で負担がかかっている肝臓にエネルギーを補うため、疲労回復効果が期待されてます。
玄米のぬか層には、フィチン酸(イノシトール6リン酸)やポリフェノールの一種であるγ(ガンマ)-オリザノールが含まれています。
フィチン酸やγ(ガンマ)-オリザノールには強い抗酸化作用があります。効果や効能としては、癌や生活習慣病の予防、老化防止や免疫力を高めます。
血管を広げ血液の循環を良くして血栓予防に役立ち、コレステロールの増加を抑える効果も期待されています。
玄米はこの他にも抗酸化作用を持つビタミンEやミネラルのセレンも含み、これらにも癌のリスクを低減させる効果や、アンチエイジング作用が期待されています。特にセレンは微量でも代謝に欠かせない栄養です。
玄米は豊富な食物繊維を含みます。白米との比較では約6倍もの差があります。
食物繊維はおなかの調子を整えて便秘を解消するだけでなく、血糖値の急上昇を抑えコレステロールの吸収を抑制するため、生活習慣病や肥満の予防にも効果があります。
また、食物繊維はお腹の中で膨れるため満腹感を得られやすく、食べ過ぎを防ぐ効果もあるのでダイエットにも大いに役立ちます。
玄米は不溶性食物繊維が多いので、水溶性食物繊維が豊富なわかめやモズクなどの海藻類も一緒に食べるのがおすすめ。便を柔らかくして排出しやすくします。
玄米にはミネラル類も多く含まれています。
亜鉛は味覚異常を予防する効果がありますが、それ以外にも多くの酵素の構成成分となりタンパク質やホルモンの合成、免疫機能の維持に働きます。また、貧血予防に効果的な鉄は白米と比較すると6倍にもなります。
また、グラフ上には記載されていませんが、白米の7倍もの量を含むマグネシウムは、骨の形成に関わるほかにも、筋肉の収縮や血圧を調整する効果があります。また、リンやマンガンなども白米の3倍ほど含まれています。
玄米に含まれるミネラルは必要量に届かなくても、白米と比較すると何倍もの量が含まれています。微量でも身体の構成成分や、身体の機能を正常にしたり維持する効果があります。
エネルギー | 水分 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 | ナトリウム |
---|---|---|---|---|---|---|
152kcal | 60.0g | 2.8g | 1.0g | 35.6g | 1.4g | 1mg |
カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 | 銅 |
95mg | 7mg | 49mg | 130mg | 0.6mg | 0.8mg | 0.12mg |
マンガン | ビタミンA | ビタミンD | ビタミンE | ビタミンK | ビタミンB1 | ビタミンB2 |
1.04mg | 0μg | 0μg | 0.5mg | 0μg | 0.16mg | 0.02mg |
ナイアシン | ビタミンB6 | ビタミンB12 | 葉酸 | パントテン酸 | ビオチン | ビタミンC |
2.9mg | 0.21mg | 0μg | 10μg | 0.65mg | 2.5μg | 0mg |
玄米(水稲めし)の100gあたりの成分表(Tr:微量、-:未測定「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より)
なにかと白米と比較されやい玄米は、栄養豊富で多くの効果が期待できる穀物です。ただ、薄皮が付いた状態なので硬く、よく噛まないと消化吸収ができません。
玄米は白米よりも硬く胃腸に負担をかけやすいため、よく噛まないとかえって下痢や便秘になることがあります。まずは、一口30回を目安に噛みましょう。よく噛むことで唾液の分泌も促進され消化合吸収も良くなります。
玄米は硬めで噛みごたえがあるため、噛んでいくうちに満腹中枢を刺激。さらに食物繊維でお腹が膨らみ満腹感も得られやすいため、食べ過ぎを抑え便通も良くなるためダイエット効果もアップします。
便秘やダイエットにはストレスは大敵ですが、玄米にはストレス対策に効果のあるGABAも含みます。このような悩みを抱えやすい女性には、主食は玄米がおすすめでしょう。
玄米の栄養の効果を発揮するには、とにかくよく噛むのが大切です。
引用および参考:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
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