栗の栄養と効果をご紹介します。秋の味覚を代表する栗は、ゆでや焼きはもちろん、炊き込みご飯やおこわ、ぜんざいやモンブランなど主食やスイーツなど様々な料理に利用されています。
栗は高カロリーで栄養が豊富なため、古くから栄養食として世界中の人々に愛されてきました。ちなみに「9月9日は栗きんとんの日」だそうです。
最近では品種改良によって薄皮が剥きやすい「ぽろたん」という栗も作られています。渋皮を活かした渋皮煮や実だけを使った甘露煮など、用途によって使い分けられるのがいいですね。
今回は知っていそうで知らなかった、栗の栄養と効果とその魅力について詳しく解説します。
目次
栗の栄養と効果 一覧
栗の栄養には、ミネラルの一種であるマンガンが多く含まれています。
マンガンは、栗以外にもくるみやアーモンドなどの種実類に豊富に含まれる栄養素で、土壌にも多く含まれます。
マンガンは三大栄養素であるタンパク質、炭水化物、脂質の代謝に関わる酵素の構成成分となるため、代謝を促進す効果があります。
また、カルシウムとともに骨の形成にも関わるミネラルでもあるため、骨の再石灰化を促して骨粗鬆症の予防にも役立っています。
栗にはミネラルの一種である銅も、比較的多く含まれています。その含有量は、ナッツ類のなかでトップ10に入るほどです。
銅は赤血球のヘモグロビンを作るために欠かせない成分で、鉄分の利用を促し貧血を予防する効果があります。
また、消化や代謝に必要な酵素の材料になり、抗酸化物質であるSOD(スーパーオキシドディスムターゼ Superoxide dismutase)といった約10種類ほどの酵素の材料に利用されます。
このほかにも銅にはコラーゲンの生成を助けたり、髪の健康を保ったりする効果も認められている栄養素です。
栗の栄養の中では炭水化物の含有量が極めて多く、木の実の中ではトップレベルとなります
炭水化物は糖質と食物繊維の総称を指し、身体の中に蓄えられてエネルギー源となります。
脳や筋肉などは、炭水化物なしでは働きません。脳のパフォーマンスを上げる効果から見ても、炭水化物はとても大切な栄養素なのです。
ただし、栗の糖質の量は多いので食べ過ぎには気をつけましょう。白米の糖質はお茶碗一杯(150g)で55gを含みますが、栗の糖質は1個の重さが20gのものであれば10個程度で50gにもなります。
これでは白米とあまり差がなくなってしまいますね。また、殻むきの甘栗はさらに糖質が多く食べ過ぎ安くもなっていますので、小分けにして食べましょう。
果物や野菜に多く含まれているイメージが強いビタミンCですが、実は栗にも豊富に含まれる栄養なのです。
木の実の中で見れば、ビタミンC含有量は日本栗がトップ、中国栗が3位に入っています。
ビタミンCは、コラーゲンの合成に必要な栄養素で、肌荒れや日焼け防止に効果を発揮します。
また、ストレスに強くなるホルモンの合成を促したり、抗酸化作用で老化のスピードを緩めたり、免疫力の強化などが期待できます。
栗は日本と中国とで栄養価が多少異なりますが、日本の方が渋皮が取れにくいといった性質上の違いもあります。
渋皮はポリフェノールが多く含まれているほか、食物繊維も豊富。栄養的な面や得られる効果からみて、取らずに食べることをおすすめします。
日本の栗は渋皮が剥きにくいので、渋皮ごと煮る甘露煮や茹でや、くりきんとん、炊き込みご飯がおすすめでしょう。
中国栗は小ぶりで薄皮が剥きやすいため、甘栗に最適です。ヨーロッパ産はマロングラッセに最適でモンブランなどの洋菓子に良く合います。
私たちが普段栗だと思って食べているホクホクした部分は、じつは種です。
その種を包んでいる外側の硬い殻(鬼皮)が栗の果実になるそうで、イガイガした棘の部分が殻にあたります。
そのほかにも、くるみやアーモンド、銀杏なども同じつくりになっています。
ちなみに、栗の花の匂いは独特です。栗の花のハチミツの香りも好き嫌いがハッキリと分かれます。南の地域では3~4月、北の地域では5~6月、北関東では梅雨時に臭ってくるので、まだ嗅いだことがない方は、機会があればぜひチャレンジしてみてください。
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