鶏の胃袋のような消化器官である砂肝は、筋胃(きんい)または砂嚢(さのう)とも呼ばれています。
筋肉が発達しているために、独特なコリコリとした食感が特徴的ですね。
砂肝は低カロリーでダイエットにもおすすめの食材ですが、見た目とは想像がつかないくらい身体にうれしい栄養がつまっているんです。
今回は、あまり知られていない砂肝の栄養と効果についてご紹介します。
砂肝にはビタミンKがやや多めに含まれています。
「日本食品標準成分表2015」より (可食部100gあたり)
上の図はビタミンKの含有量を他の肉類と比較したグラフ(いずれも生)ですが、手羽やももの鶏肉と比較すれば少ないですが、牛肉や豚肉と比較するとやや多く含まれています。一般的にビタミンKは鶏肉に多く含まれており、鶏の消化器官である砂肝も例外ではないということですね。
ビタミンKはビタミンに分類される栄養素で、「止血のビタミン」とも呼ばれています。ビタミンKが不足してしまうと血が固まりにくい体になってしまいます。
また、骨の形成や骨密度を維持する働きもあることから、骨折の予防にも効果が期待できます。
砂肝には鉄分も含まれています。砂肝に含まれる鉄分量は2.5mg。一般的な牛肉の赤身肉とほぼ同等、豚肉や鶏肉よりは多い含有量を誇ります。
鉄分はミネラルに属する栄養素で、血液中のヘモグロビンを増やす働きがあります。また、貧血の原因である鉄欠乏症の予防に効果があります。さらに、鉄分とビタミンB12と一緒に摂ると、さらなる貧血の改善が期待できます。
鉄分とビタミンB12の両方を含んでいる砂肝は、まさに貧血予防にうってつけの食べ物なんですね。
砂肝に含まれている栄養素の一つにビタミンB12が挙げられます。
ビタミンB12は水溶性のビタミンで、おもに動物性食品に含まれています。
ビタミンB12は葉酸とともにヘモグロビンの生成を助け、赤血球を作る働きがあります。血行を良くしてくれるので、貧血予防にも効果的です。
砂肝には亜鉛も含まれています。
亜鉛はおもに動物性食品に含まれている栄養素で、細胞を再生させたり、新陳代謝を活発にしたりする働きがあります。
また、皮膚や肌の細胞をフレッシュな状態にしてくれるので、美肌効果や皮膚の炎症を予防する効果があります。
砂肝にはコレステロールも含まれています。
コレステロールと聞くとカラダに良くないもののイメージがありますが、適量のコレステロールは身体の細胞膜やホルモンの生成に必要です。
健康維持のために、砂肝で適度にコレステロールを摂取しましょう。
エネルギー | 水分 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 | ナトリウム |
---|---|---|---|---|---|---|
86kcal | 79.0g | 18.3g | 1.8g | Tr | 0g | 55mg |
カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 | 銅 |
230mg | 7mg | 14mg | 140mg | 2.5mg | 2.8mg | 0.10mg |
マンガン | ビタミンA | ビタミンD | ビタミンE | ビタミンK | ビタミンB1 | ビタミンB2 |
- | 4μg | 0μg | 0.3mg | 28μg | 0.06mg | 0.26mg |
ナイアシン | ビタミンB6 | ビタミンB12 | 葉酸 | パントテン酸 | ビオチン | ビタミンC |
3.9mg | 0.04mg | 1.7μg | 36μg | 1.30mg | - | 5mg |
筋胃(砂肝)(生)の100gあたりの成分表(Tr:微量、-:未測定「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より)
引用および参考:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
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