欧米では「デビルフィッシュ」と呼ばれて少々敬遠されているたこですが、日本の食文化には深く浸透してきました。
たこ焼きや寿司ネタ、酢の物、サラダなど、幅広い料理に利用されています。低カロリーでさまざまな効能を持つことから、ヘルシー食材としても注目です。
今回は、日本人にとって身近な海鮮素材であるたこを取り上げ、その栄養と効能をご紹介します。
目次
たこの栄養と効能 一覧
たこは、高タンパク質が魅力の食品です。
タンパク質と聞くと肉類に多く含まれているイメージがあるかと思いますが、たこのような魚介類にもタンパク質は多く含まれています。
肉類と違い、たこには脂質がほとんど含まれませんので、効率的にタンパク質を摂取することができます。高タンパクで低カロリーですのでダイエットにもおすすめですね。
タンパク質は、筋肉や臓器などの構成成分となる働きがあり、生物が生きていくために不可欠な栄養です。
また、血液の赤血球の中にあるヘモグロビンの成分にもなり、身体のすみずみに酸素を運ぶなどの効能もあります。
たこは、アミノ酸の一種であるタウリンが非常に豊富です。たこには、タウリンを多く含むとされるイカとほぼ同等のタウリンが含まれています。
タウリンには、弱った肝臓の機能を高める効能や、交感神経を抑制して血圧を下げる効果が期待できます。
また、目の働きを助けて傷ついた網膜を修復する作用があり、目薬の成分として活用されています。
一般的に、タウリンと聞くと栄養ドリンクに多く含まれており、疲労回復のイメージを持つ方も多いかもしれませんが、直接的な疲労回復効果はあまり期待できません。誤ったイメージですので改めましょう。
たこには、ミネラルの一種である亜鉛も含まれています。
亜鉛は、カラダにとって重要な働きをしている酵素の成分となる栄養です。
亜鉛は200を超える酵素の成分となり、発育を促したり、新陳代謝を良くしたりするなどの効能を発揮します。
また、亜鉛は別名「セックスミネラル」とも呼ばれる栄養で、生殖機能や性欲を正常に保つ効果も期待できます。年齢による性の衰えを感じる方は、たこなどで亜鉛を積極的に摂取しましょう。
たこに豊富に含まれるビタミンEは、脂溶性ビタミンの一種です。
ビタミンEは抗酸化作用が強い栄養で、活性酸素による老化の進行を抑え、アンチエイジングに役立つ効能が期待できます。
また、血行を良くし、血液をサラサラにして動脈硬化や脳卒中を予防する効能も期待できます。
さらに、ビタミンEは性ホルモンの生成に関わっている栄養で、ホルモンバランスを整えたり、生殖機能の維持、生理不順の改善などを促す効果も期待できます。
たこには、水溶性ビタミンの一種であるナイアシンも含まれています。
ナイアシンは、補酵素となって3大栄養素であるタンパク質、脂質、炭水化物の代謝をサポートする効能が期待できます。
また、アルコールの代謝を促し、二日酔いの原因物質であるアセトアルデヒドを分解する働きがあります。
飲食前または飲食中にたこなどのナイアシンを多く含む食品を摂ることで、翌日の二日酔いを抑えることができます。
たこには250ほどの種類がありますが、日本ではおもにマダコやミズダコ、イイダコが一般的に食されています。
たこは欧米では「デビルフィッシュ」と呼ばれ、忌み嫌われている食品です。世界ではたこを食べる人種は少数派と言われています。
一方で、世界の水揚げ量の2/3が日本で消費されており、海外からの輸入品が多く流通しています。日本でたこは当たり前のように食べられていますが、世界で見ればまれな人種なんですね。
栄養も豊富で美味しい食べ物ですが、消化に時間がかかるので、胃の調子が悪い時は食べ過ぎに注意が必要です。
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