食品・食材栄養効果
egg

理想的な栄養バランスを持つ卵とその効果について

卵の栄養と効果

卵に含まれている栄養とその効果をグラフを交えてご紹介します。

たまご焼きや厚焼き玉子、オムライスにスクランブルエッグ、親子丼など卵を使用した料理は数多くあります。

卵が嫌いという人はあまりいないのではないでしょうか。もしかしたら、一日に一食は何かしらの卵料理を食べているかもしれませんね。

今回はそんな馴染みの深い卵について、特徴と栄養、その効果をご紹介していきます。普段私たちが食べている卵にはどんな栄養が含まれているのでしょうか。

卵に含まれている栄養や成分をざっくり見てみよう!

卵の栄養を分析したレーダーチャート

卵に含まれている主な栄養素 (「日本食品標準成分表2020」より作成)

エネルギー 水分 タンパク質 脂質 炭水化物 食物繊維 ナトリウム
142kcal 75.0g 12.2g 10.2g 0.4g 0g 140mg
カリウム カルシウム マグネシウム リン 亜鉛
130mg 46mg 10mg 170mg 1.5mg 1.1mg 0.05mg
マンガン ビタミンA ビタミンD ビタミンE ビタミンK ビタミンB1 ビタミンB2
0.02mg 210μg 3.8μg 1.3mg 12μg 0.06mg 0.37mg
ナイアシン ビタミンB6 ビタミンB12 葉酸 パントテン酸 ビオチン ビタミンC
0.1mg 0.09mg 1.1μg 49μg 1.16mg 24.0μg 0mg

鶏卵(生)の100gあたりの成分表(Tr:微量、-:未測定「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より)

まずは卵にどんな栄養が含まれているのざっくりと見ていきましょう。上のグラフは卵に含まれている15種類の栄養素をレーダーチャートで示したもので、下は成分の一覧表です。

グラフを見ますと、ビタミンB2が多いことが分かります。脂質、鉄分、亜鉛、ビタミンAもやや多いことが分かりますね。また、全体的にバランスの良い栄養であることも分かります。比較的、まんべんなく含まれていますね。

一方、カロリーや脂質がやや多いこともポイントです。卵には1個につき240mgのコレステロールを含みます。食べ過ぎると肥満や招きますので注意して下さい。

以下では卵が持つ特徴と、カラダにもたらす効果を詳しく解説していきます。また、上のグラフにはない栄養や成分も合わせてご紹介していきますので、ご参考ください。

理想的な栄養バランスを持つ卵 - 準完全栄養食品

かごに入ったいくつかの卵

具体的な効果をご紹介する前に、卵の持つ特徴をとりあげます。卵は、理想的な栄養バランスを持った食品です。

具体的には、タンパク質、脂質、炭水化物、ナトリウム、カリウム、リン、鉄分、亜鉛、ビタミンA、ビタミンB群、葉酸がバランスよく配合されています。

ビタミンCと食物繊維以外の栄養をすべて含んでいるため、準完全栄養食品とも言われています。上のグラフを見ても食物繊維とビタミンC以外は全て含まれていることが分かりますね。

普段何気なく食べている卵ですが、実はとてもバランスの良い栄養を持った食材だったんです。

ビタミンB2が豊富に含まれている - 細胞の新陳代謝を促す効果

ビタミンBと書いてあるイメージ

卵にはビタミンB2という栄養が豊富に含まれています。

ビタミンB2は補酵素の一種で、3大栄養素がエネルギーに代わるのを促する働きがあります。また、ビタミンB2は「発育のビタミン」と呼ばれ、細胞の新陳代謝を促す効果があります。

また、ビタミンB2はグルタチオンペルオキシダーゼという酵素と結合し、過酸化脂質を分解する働きがあります。そのため、過酸化脂質を原因とする動脈硬化や心筋梗塞の予防にも役立ちます。

ビタミンB2は全ての動植物に含まれており、卵のほかに、レバーチーズうなぎ納豆モロヘイヤなどに多く含まれます。使わない分は尿として排出されるため、過剰摂取になりにくい栄養です。

アミノ酸スコア100のタンパク質を含有 - 筋肉や皮膚を正常に保つ効果

アミノ酸をイメージした画像

卵で注目すべき栄養の二つ目はタンパク質です。

タンパク質はご存知の通り、筋肉や臓器、皮膚、髪、爪などカラダを作る主成分となり、これらを正常に保つ効果があります。また、免疫力の抗体の原料になるため、免疫力の低下を防ぐ効果もあります。

卵に含まれているタンパク質は9種類の必須アミノ酸を全て含んでいる点が注目です。タンパク質のアミノ酸含有量を示す「アミノ酸スコア」は100となります。

ちなみに、同じタンパク質でも植物性タンパク質の多くは必須アミノ酸を全て含んでおりません。

ただし、卵と組み合わせることによりアミノ酸のバランスはアップします。おすすめは納豆と卵の組み合わせです。大豆の持つアミノ酸の栄養を卵がうまく引き出してくれます。

注目の成分レシチン - コレステロールを抑制する効果、記憶力の向上

スプーンにのった卵黄

卵には、レシチンと呼ばれる成分が含まれています。これは上のグラフでは脂質に分類される成分です。

レシチンとは、卵黄に含まれる脂肪酸の一種で、アセチルコリンという神経伝達物質の元となる成分です。水と脂質の両方になじむ性質があります。

血中コレステロール値を抑制する効果や、脳の働きを活発にし、記憶力や集中力を向上する効能などがあります。また、レシチンには動脈硬化や肝硬変、認知症を予防する効果も期待されています。

ただし、上のグラフでも確認できますが、卵は脂質を多く含む食品です。食べ過ぎにはご注意下さい。1日1~2個あたりが食べる目安量となります。

鉄分、亜鉛、ビタミンA、葉酸もそこそこ含まれる

パックに入っているいくつかの卵

含有量は多くありませんが、卵には鉄分、亜鉛、ビタミンA、葉酸などの栄養も含まれます。

鉄分はご存知の通り、鉄欠乏性貧血を予防する効果が期待できます。特に、月経のある女性には必要な栄養ですね。亜鉛は補酵素の成分となり、代謝に欠かせない成分です。また、味覚を正常に保つ働きもあります。

ビタミンAは目の健康を保ったり、感染症を予防する効能が期待できます。葉酸は胎児の先天異常を予防する効果があるため、妊婦の方には欠かせない栄養となります。

いずれも含有量が多くありませんので、効果は限定的ですが、卵にはこうした栄養がバランスよく含まれています。

引用および参考:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)

関連コンテンツ

関連記事