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チーズcheese

チーズの栄養と健康効果5選

チーズの栄養と効果

チーズの栄養と効果についてご紹介します。牛や山羊の乳に乳酸菌や凝乳酵素を加えて固め、水分を取り除いて発酵させるチーズ。

さけるタイプや、モッツァレラ、マスカルポーネ、パルメザンといった多くの種類があり、ピザやパスタ、グラタンなどの料理はもちろん、独特な香りや味は、お酒にもよく合いますよね。

今回はそんなチーズに含まれる栄養や成分、働きなどをご紹介します。カロリーが高く、太りやすいと敬遠されがちですが、栄養と効果 の面でも着目してみましょう。

グラフで表すチーズ(プロセス)の主な栄養や成分は?

チーズに含まれている主な栄養のレーダーチャート

チーズに含まれている主な栄養素のレーダーチャート

エネルギー 水分 タンパク質 脂質 炭水化物 食物繊維 ナトリウム
313kcal 45.0g 22.7g 26.0g 1.3g 0g 1100mg
カリウム カルシウム マグネシウム リン 亜鉛
60mg 630mg 19mg 730mg 0.3mg 3.2mg 0.08mg
マンガン ビタミンA ビタミンD ビタミンE ビタミンK ビタミンB1 ビタミンB2
- 260μg Tr 1.1mg 2μg 0.03mg 0.38mg
ナイアシン ビタミンB6 ビタミンB12 葉酸 パントテン酸 ビオチン ビタミンC
0.1mg 0.01mg 3.2μg 27μg 0.14mg 2.1μg 0mg

プロセスチーズ (生)の100gあたりの成分表(Tr:微量、-:未測定「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より)

チーズの15種類の栄養をレーダーチャートで表しました。下には成分をまとめた表も作成しています。こうしてグラフを見ることで多く含まれる栄養と、そうでないものの差が大きいのが分かりますね。

チーズはタンパク質やカルシウム、脂質が注目されていますが、グラフでも含有量が高いことを示しています。ビタミンB2やビタミンA、亜鉛、ナトリウムも多く含まれています。

その他のビタミンやミネラル、炭水化物は少ないですね。さらにチーズは食物繊維を含みません。糖質は少ないですが脂質が多いので、高カロリーで低糖質の食品です。

以下では、チーズに含まれる栄養や成分、効果をご紹介するとともに、有効な食べ合わせもご紹介もしています。

少量でたくさんのカルシウムがとれる - 骨粗しょう症の予防効果

木の背景にと様々なナチュラルとプロセスタイプ

チーズに含まれるカルシウムは体内に吸収されやすのがメリット。つまり少量でたくさんのカルシウムを摂取できるのです。

その吸収率は小魚や海藻の約2倍であるといわれています。カルシウムは体内に吸収されにくい栄養ですが、チーズや牛乳などの乳製品に含まれているカルシウムはタンパク質と結合し吸収されやすいた状態。その吸収率は約40~50%となっています。

カルシウムは人の体内に最も多く存在するミネラル。99%が骨や歯などを構成する重要な栄養です。丈夫な骨や歯を作るため、高齢者の骨粗鬆症を予防する効果だけでなく、子供の発育にも大切な働きをしています。

その他のカルシウムの効果では、ホルモンの分泌、筋肉の収縮の調整、精神状態を安定させる作用があります。イライラしているときは、チーズを食べましょう。

日本人はカルシウムが不足しがち。チーズのカルシウムは吸収率は高いですがビタミンDを一緒に摂るとさらに吸収がアップします。イワシや鮭、あん肝といった魚類やきくらげやシイタケなどのきのこ類にビタミンDは多く含まれています。

チーズは良質タンパク質 - 健康な躰作り、がんや高血圧の予防に

小皿に盛ったとろけるタイプ

タンパク質もチーズには豊富に含まれていますね。チーズをはじめとする牛乳やヨーグルトといった乳製品のタンパク質は「アミノ酸スコアが100」ととても良質です。

チーズに含まれているタンパク質の一部は乳酸菌によってアミノ酸に分解されています。そのため、原料である牛乳よりも消化吸収率が高くなっています。

また、一部のタンパク質は体内で分解されてアミノ酸に変化します。筋肉や細胞、血液や臓器などを作り、ヒトの身体を構成する大切な栄養です。また、タンパク質は、鉄分と結合することでがんの予防に効果があるとされています。

熟成したチーズほどアミノ酸の量が多いので、肝臓機能の改善や肝臓疾患の治療には、より熟成したハードタイプのチーズが効果的です。

さらに、このアミノ酸にはアルコールを分解してくれる働きも。お酒とチーズは味の相性がいいだけでなく、食べ合わせの面でもベストパートナーだったんですね。

豊富なビタミンB2 - 効果はダイエットや疲労回復に

カマンベールのアップ画像

チーズに含まれるビタミンB群の中でも、最も多く含まれているのがビタミンB2

ビタミンB2には脂肪を分解し、燃焼させる働きがあるのでダイエットに効果的なのです。脂質も多く含まれるチーズにとっては有益な栄養です。

その他、過酸化脂質を分解して蓄積するのを防ぐ効果や、皮膚や粘膜、髪といった細胞の再生や発育を促すなどの働きがあるため「発育のビタミン」とも呼ばれています。

さらにビタミンB2が不足すると疲れやすい身体になってしまうので、疲労回復にも効果的。身体が疲れているなと感じたらチーズを食べましょう。

脂質も大切な栄養 - チーズの脂肪は太りにくい?

紙の上に乗せたチェダーのアップ画像

チーズの脂質は全体の25%とタンパク質と並ぶ量を含んでいます。脂質は身体に悪いイメージがありますが「1g中9kcal」と、身体を動かすためには必要不可欠な栄養です。

また、チーズに含まれている脂肪はすばやくエネルギー源に変わるので、脂質と言えど太りにくいタイプのもの。これはチーズの脂肪球が細かいためで、消化吸収しやすく燃焼しやすい形であるからです。

また、チーズには脂質の代謝を促すビタミンB2も含むため、より脂質の燃焼に効果的となっているでしょう。

脂質は美容面にとっても大切な成分。肌や髪にツヤを与え便秘の予防にも必要となるほか、ビタミンEなどの脂溶性ビタミンの吸収を促す効果があります。

さらに脂質には細胞膜やホルモンの構成成分になる効果もあるため、生命を維持するには欠かせない栄養なのです。

ビタミンA - 効果や働きは美肌づくりに最適!

ホットトーストのクローズアップのイメージ

チーズの栄養にはビタミンAが含まれています。これはチーズの原料となる乳を作る牛や山羊が緑黄色野菜(草)を食べているためです。

ビタミンAは皮膚や粘膜を丈夫にし、また、美肌効果に期待できます。そしてチーズはビタミンB2や脂質も含むため、肌や爪、髪といった女性が意識する部分の健康を維持してくれます。

ビタミンAの効果では、視覚を正常に保ち目の健康を維持、免疫力を高め風邪の予防にもつながります。

子どもから大人まで必要な栄養が入ったチーズを毎日食べて、健康を維持していきましょう!

チーズは世界に1000種類以上!? - 有効な食べ合わせもご紹介

切り株のボードにのせた6種類の乳製品の画像

乳を原料に作るチーズは、世界に1000種類以上もあると言われています。製法によって栄養価が異なりますが、一部を除きカルシウムとタンパク質は豊富です。

そんな種類が豊富なチーズは「ナチュラル」と「プロセス」に分類されます。ナチュラルは乳を乳酸菌と酵素で発酵させて作ったもの。プロセスはナチュラルを加熱して溶かし再度固めたタイプ。これは乳酸菌と酵素の働きを止めて味を一定に保つとともに、保存性を高める役割があります。

また、チーズはビタミンCやβ-カロテン、食物繊維といった栄養を含みません。これらを含むフルーツや野菜と一緒に摂ることで不足する栄養が補え、効果や作用も向上するでしょう。

引用および参考:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)

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