ナツメグの効能と効果について詳しく解説していきます。ハンバーグやミートローフなどひき肉料理にはかかせないナツメグ。
料理をする方にはおなじみの香辛料ではないでしょうか。また、特有の甘い香りから精油としての利用も多く、アーユルヴェーダやアロマテラピーなどにも活用されています。
今回はそんなナツメグについて、その正体と成分、カラダにもたらす効果効能、使用するうえでの注意点などをご紹介していきます。
目次
ナツメグの効能と効果
ナツメグの効果や効能をご紹介する前に、「ナツメグとは何か」を解説していきます。知らない人も意外と多いのではないでしょうか?
ナツメグとは、ニクズク科ニクズク属の常緑高木で、種子の中の仁(種子の核の部分)を乾燥させて粉末にしたものです。
ナツメグは熱帯雨林気候で良く育ち、インドネシアのモロッカ諸島が原産、スリランカや西インド諸島のグレナダが主な産地です。
ハンバーグやミートローフなどひき肉料理には欠かせない香辛料で、クッキーやケーキなどのお菓子にも使われています。また、精油としての利用もされており、アロマテラピーやアーユルヴェーダにも活用されています。
ナツメグには、消化を促進する効能や発汗を促す作用があります。
この効果は、ナツメグに含まれているピネンによるものです。
ピネンは有機化合物の一種で、胃の働きの正常化や消化を促す効能を持っています。胃腸薬の成分としても採用されているほどです。
食べ過ぎや胃もたれのときは、嬉しい成分ですね。
さらにピネンには、体を温めて発汗させる作用のほか、熱を下げる作用もあるので、風邪をひいたときに少量を摂るのもおすすめです。
ナツメグには、食欲を増進させる働きや腸内環境を整える効能が期待できます。
この作用はナツメグに含まれているミリスチシンによるものです。
ミリスチシンは、ナツメグの精油中に含まれる成分で、食欲増進の効能が期待できます。夏場や体調不良時の食欲不振にも助かりますね。
また、腸内環境を整える効能もあるので、食べ過ぎたときやお腹の調子が悪いときにもミリスチシンを含んだ食品を少量摂ることで効果が得られます。
一方で、こちらのミリスチシンには注意が必要です。ミリスチシンには抗不安など向精神作用があり、大量摂取すると幻覚の症状があらわれる場合があります。
一般的に、成人で5g以上を摂取すると幻覚の症状が見られるとの報告もあり、過剰摂取には十分に注意して下さい。一般に香辛料として適量を使う分には問題ありません。
ナツメグには、オイゲノールという成分も含まれています。
オイゲノールは、ナツメグをはじめ、クローブ、ローリエ、シナモンなどに含まれている香り成分の一種です。
抗菌・殺菌作用があるのが特徴で、口臭を予防する効能が期待できます。そのため口腔ケアなどの商品に幅広く使われています。
さらに、腹痛や胃痛を抑える効果もあることから、普段から胃腸の弱い人にはおすすめの栄養成分です。
成分を色々と見てきましたが、栄養では銅も忘れてはいけません。
銅は、毛髪の黒い色素の材料となる栄養です。銅が不足すると健康的な黒髪が生えてこなくなったり、白髪が増えることにも繋がるので、毎日の食事からきちんと補うようにしましょう。
また、血中に含まれる鉄分の働きを効果的に促進するため、増血に効果があります。貧血に悩まされている方や、鉄分が不足しがちな女性はとくに、鉄分だけでなく銅も積極的に摂るように心がけましょう。
さらに銅には、多くの酵素の原料となる作用もあります。酵素の原料となることで、過酸化脂質の抑制や酸素の運搬を触媒する働きがあります。
今までナツメグの効果や効能をご紹介してきましたが、過剰摂取には注意しましょう。
ナツメグの食べ過ぎによる毒性や副作用はいくつか報告されています。香辛料として適量を使う分には問題がありませんが、大量のナツメグを摂取すると幻覚や下痢、吐き気、めまい、血尿、痙攣などの症状が出る場合があります。
先ほど紹介しましたが、ナツメグにはミリスチシンと呼ばれる成分が含まれており、大量に摂取すると幻覚誘発作用、視覚のゆがみなどを引き起こす可能性があります。
また、オイゲノールという成分は過剰に摂取すると下痢や吐き気、めまい、動悸、血尿などの症状を引き起こすことがあります。
カラダに良いからと大量にナツメグを摂取することは避けて下さい。成人の場合、5g以上を摂取すると中毒や副作用を引き起こす可能性があります。注意しましょう。
また、妊婦の方や小さなお子様には特にご注意ください。通常、スパイスとして使う分には問題ありません。使用量を守ってナツメグの効能を享受しましょう。
ナツメグに含まれる効果や効能をご紹介してきましたが、実は同じ原料からもう一つ香辛料ができることはご存知ですか?
それは「メース」という香辛料です。ナツメグは種子の中の仁を乾燥させて粉末にしたものですが、「メース」は種皮(種の周りを包むもの)を乾燥させたものになります。
メースは香辛料として利用され、まろやかな香りと味が特徴です。シナモンと合わせると効果的で、焼きりんごやケーキなどの菓子類、スープなどに多く使われます。
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