醤油は、日本が誇る調味料のひとつ。
日本の食卓に欠かすことのできない醤油は、近年、日本食ブームもあり「Soy Sauce」として欧米諸国から人気を集めています。また、大豆や小麦などを原料に発酵・熟成させる醤油は発酵食品でもあります。
古くは、醤油はお刺身に繁殖した菌を殺菌するための消毒液のようなものだったそうです。
今回は日本人として知っておきたい醤油の豊富な栄養や、健康に作用する効果についてご紹介します。
醤油の特徴的な栄養素は、なんと言っても香り成分「フラノン」でしょう。
フラノンには抗酸化作用があり、ガンの予防効果があると言われ、胃がんの発生率を3分の1に抑えたとの報告もあります。
また、コレステロール値を下げたり、血液をきれいにするといった効果もあります。
少量で十分な効果が期待できるので、積極的に料理で使っていきたいですね。
醤油にはメラノイジンという、褐色の色素成分が含まれています。この成分は食品の風味や味わいに関わります。
メラノイジンにも、抗酸化作用があり動脈硬化の原因である、脂質の酸化を防ぐ働きがあります。
また、こちらもコレステロール値を下げ、血糖値を正常に保つ効果もあります。
醤油には、原料である大豆由来の食物繊維であるペクチンが含まれています。
ペクチンは、水溶性の食物繊維で腸内の乳酸菌や善玉菌を増やし腸の調子を整え便秘や下痢を解消する効果があります。
また、ペクチンは免疫力を高める働きもあり、アレルギー症状を抑制する効果があります。
醤油の原料には、アレルギー食品に分類される大豆や小麦を利用していますが、麹菌のタンパク質分解酵素によってアミノ酸などに分解されるため、アレルゲンとなるタンパク質は存在しないといわれます。
ただ、アレルギーの反応が強い方は専門医のアドバイスを参考にして下さい。
醤油には、薄口、濃口、たまり、白醤油などがありますが、中でも薄口と濃口の具体的な違いについてはご存じでしょうか。
見た目の違いでは、薄口は色が薄く、濃口は色が濃くなります。一方、塩分濃度に関しては薄口が高くなります。そのため薄口醤油は少ない量でしっかりと味を出せるので、食材がきれいな色のまま仕上げることができます。
醤油の「生」というのは、火入(加熱処理)をしない醤油で、もろみ特有の香りが失われずにそのまま残っているのが特徴です。
お味噌と同様に地域によりさまざまな醤油があり、味に地域差があります。