名称 | せり | 分類 | セリ科セリ属 |
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旬の時期 | 2~4月ごろ | 主な産地 | 宮城県、茨城県など |
せりの旬は2~4月の冬から春にかけてです。
「七草粥」として食べられる「春の七草」のひとつであるため、11~4月ごろに栽培物が出回り、このお正月時期に出荷のピークを迎えます。
露地栽培が主流ですが、現在は養液栽培も盛んで栽培物が通年流通し、さらに天然物も出回っています。お正月時期の天然物はまだ非常に小さく旬には早いですが、芽を伸ばし茎や葉が柔らかい2~4月頃が、最もおいしく頂ける旬の時期といえます。
せりの主な産地は宮城県と茨城県で、この2県で全国の6割を占めています。
産地(県) | 生産量(収穫量(t)) | 旬の時期 | |
1 | 宮城 | 467 | 2~4月 |
2 | 茨城 | 370 | 12~2月 |
3 | 大分 | 151 | 12~1月 |
4 | 秋田 | 122 | 9~3月 |
せりの主な産地と旬の時期
せりの生産は全国一位なのが宮城県、次いで茨城県、大分県、秋田県が主な地域です。
せりの特徴
せりは休耕田や湿地、川べりなどを好む湿地性植物で、日本各地に自生している身近な植物です。水田やあぜ道のわき、河川の土手などに自生し天然物は「田ぜり」「野ぜり」とも呼ばれ、栽培物より茎が短く香りも強いのが特徴です。
「春の七草」は1月7日に7種の野菜入れたお粥を食べて、健康を祈願するものです。七草に数えられる野菜は、せり、はこべら、すずしろ(大根)、すずな(かぶ)、なずな、ごぎょう、ほとけのざで、同じく2~4月の時期に旬を迎えます。
せりの中でも有名なのが、宮城県で栽培される「仙台せり」、生産量4位ではありますが秋田県の「関三せり」は旬の時期が長い間続きます。
お正月の七草のイメージが強いですが、東北地方では寒い時期の鍋料理に欠かせない旬の具材となっています。
七草粥
宮城県のなかでも名取市で栽培されているものは「仙台せり」と呼ばれています。仙台せりの旬も全国平均と同様に2~4月頃に迎えます。名取市では古くから栽培が盛んで、きれいな地下水が豊富なこの地域では、8月下旬~翌年の4月頃まで収穫し、根っこを切らずに出荷します。
旬の仙台せりは「セリ鍋」の具材として用い、葉や茎、さらにきれいに洗った根っこまで一緒に鍋に入れ、冬の定番食とになっています。シャキシャキとした食感と特有の香りを楽しめます。
秋田県の湯沢市で栽培されているせりは「関三せり」と呼ばれ、9~4月頃が旬です。8~12月の時期は露地栽培が行われ、11月中旬~3月下旬頃はハウス栽培へと移行します。
比内地鶏のきりたんぽ鍋
関三せりは自生するせりの中から、色、味、香りなど優れたものから選ばれた品種です。秋田県の豪雪地帯ですからミネラルを含んだ湧水が豊富で、寒い地域でもあるのでせりがゆっくりと育ち、その分根っこが長く育ちます。
特徴的なのは白くて長い立派な根っこで、葉や茎も太く育っています。せり特有の香りも良く、歯触りはシャキシャキとしていて、全体にサクサクした食感が楽しめるそうです。
「関三せり」は秋田の名物「きりたんぽなべ」に欠かせない旬の具材です。この他にもきんぴらや天ぷらなどで食べられています。