大根に含まれている栄養とその効能をご紹介します。和を代表する野菜の一つである大根。
煮物やお味噌汁、おでんに切り干し大根、たくあんなど、どれも和食の定番メニューが揃いますね。普段私たちが食べているのは大根の根の部分ですが、実は葉っぱにも豊富な栄養が含まれています。
今回はそんな大根について、含まれる栄養と効能をご紹介します。また、気になる葉っぱの栄養も合わせてご紹介しますので、そちらもぜひご覧ください!
目次
大根の栄養と効能 一覧
大根でまず注目すべき栄養は、アミラーゼなどの消化酵素です。
消化酵素とは、食べ物を消化するときに力を発揮する酵素です。その酵素の一種であるアミラーゼは、食べ物の消化を助けて腸の働きを整える効能があります。
アミラーゼは食べ物の消化を促すため、胃もたれや消化不良などを解消する働きが期待されます。
ただし、アミラーゼは熱に弱い消化酵素なので、たくあんや大根おろしなど加熱しない大根を摂取することをおすすめします。
また、大根には食物繊維も含まれています。食物繊維は第6の栄養素とも呼ばれ、こちらも腸の働きを刺激して活発にする効能があります。
また、食物繊維にはコレステロールの吸収を押さえたり、血糖値の急激な上昇を抑える効能が期待できます。
大根で次に注目すべき栄養は、辛みのもとであるイソチオシアネートという成分です。
イソチオシアネートとは、グルコシノレートから生成された成分で、大根やキャベツ、ブロッコリー、ケール、小松菜などアブラナ科野菜に共通する栄養成分です。
大根おろしにすると辛みが増すのは、このイソチオシアネートのせいです。
イソチオシアネートには、血栓を防ぐ効能、解毒作用のほか、がんを予防する効能があります。
イソチオシアネートは、「疫学的研究などから現在最もがん予防効果が期待される食品成分」(岡山大学)とされ、ガンにかかった人にとっても有用性の高い成分とされています。
大根にはビタミンCも多くはありませんが含まれています。
ビタミンCはカラダの酸化や老化を防ぐ栄養です。ビタミンCを意識的に摂取することで若々しいカラダを手に入れることができます。
また、ビタミンCはストレスに対抗する作用を持つ副腎皮質ホルモンの合成を促す効能があります。ストレス対策にはおすすめの栄養素です。
さらに、美肌効果や肌荒れ防止、免疫力の向上、風邪予防などの効能も期待されます。
一方で、体内のビタミンCは多くを貯えておくことはできません。一般的に約400mgで飽和状態になるとされています。大根をはじめ、野菜や果物でこまめにビタミンCを摂取することが望まれます。
エネルギー | 水分 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 | ナトリウム |
---|---|---|---|---|---|---|
15kcal | 94.6g | 0.5g | 0.1g | 4.1g | 1.4g | 19mg |
カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 | 銅 |
230mg | 24mg | 10mg | 18mg | 0.2mg | 0.2mg | 0.02mg |
マンガン | ビタミンA | ビタミンD | ビタミンE | ビタミンK | ビタミンB1 | ビタミンB2 |
0.04mg | 0μg | 0μg | 0mg | Tr | 0.02mg | 0.01mg |
ナイアシン | ビタミンB6 | ビタミンB12 | 葉酸 | パントテン酸 | ビオチン | ビタミンC |
0.3mg | 0.04mg | 0μg | 34μg | 0.12mg | 0.3μg | 12mg |
大根(根 皮付き 生)の100gあたりの成分表(Tr:微量「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より)
大根は主に根の部分と葉の部分に分かれます。通常、私たちが大根を連想するときは根の部分ですね。
分類上、根は淡色野菜、葉は緑黄色野菜となります。ここで注目すべきは、大根の葉の栄養です。
大根の葉には、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEの栄養(ビタミンACEとも呼ばれます)が豊富に含まれています。
ビタミンAは目の健康を守る効能、ビタミンCはカラダの酸化を防ぐ働きがあり、ビタミンEは血行を良くする効果などが期待できます。
さらに、鉄分、葉酸、カルシウムなどの栄養は根よりも葉の方が豊富に含まれています。
鉄分には鉄欠乏性貧血を予防する効果、葉酸には胎児の先天異常を予防する働き、カルシウムには骨や歯を形成する効能があります。
こうしてみると、大根の葉は捨てるにはかなりもったいないですね。
大根の葉は油で炒めれば食べやすく、βカロテン、ビタミンE、食物繊維の吸収率がアップするのでおすすめです。
引用および参考:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
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