さくらんぼに含まれる栄養と効能をお伝えします。赤くツヤめき、まるで宝石のような輝きのあるさくらんぼ。
ハリのある食感と口の中に広がる甘みが特徴的ですね。さくらんぼは一年のうちで6~7月にしか流通しないため、貴重な果物でもあります。
小さく可愛らしいさくらんぼですが、実は栄養がたくさん詰まっていて、身体にうれしい効能がたくさんあります。
今回はそんなさくらんぼの栄養や成分、効能を探っていきましょう。
目次
さくらんぼの栄養と効能 一覧
さくらんぼに含まれている主な栄養素のレーダーチャート
エネルギー | 水分 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 | ナトリウム |
---|---|---|---|---|---|---|
64kcal | 83.1g | 1.0g | 0.2g | 15.2g | 1.2g | 1mg |
カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 | 銅 |
210mg | 13mg | 6mg | 17mg | 0.3mg | 0.1mg | 0.05mg |
マンガン | ビタミンA | ビタミンD | ビタミンE | ビタミンK | ビタミンB1 | ビタミンB2 |
- | 8μg | 0μg | 0.5mg | 0μg | 0.03mg | 0.03mg |
ナイアシン | ビタミンB6 | ビタミンB12 | 葉酸 | パントテン酸 | ビオチン | ビタミンC |
0.2mg | 0.02mg | 0μg | 38μg | 0.24mg | 0.7μg | 10mg |
さくらんぼ(生)の100gあたりの成分表(Tr:微量、-:未測定「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より)
上のグラフはさくらんぼの栄養成分を表した図です。数多くの栄養素がありますが、15種類を選別して作られています。
さくらんぼの栄養は炭水化物と葉酸が多いのが特徴です。次いでカリウムやビタミンEを含みます。含有量は少ないですが、これら以外のミネラルやビタミン類も含まれています。
栄養や効能とともに気になるのが、カロリーと糖質です。炭水化物を含みますがどちらも低い水準です。
さくらんぼはアメリカンチェリーに比べると少ないですが、ポリフェノールの一種であるアントシアニンも含み、目の健康を維持する効能が期待されています。
「日本食品標準成分表2015」より (可食部100gあたり)
さくらんぼはカリウムを比較的、多く含む果物です。
上のグラフは、さくらんぼと主な核果類に分類される果物の、カリウム含有量を比較したものです。核果類ではアメリカンチェリーに次いで2番目に位置します。※核果(かくか)類とは、硬い殻で覆われた種の周りを、柔らかい果肉で包んだ果物です。
カリウムの効能は高血圧や動脈硬化の予防に効果的。体内の過剰なナトリウムを汗や尿とともに、排出する働きがあります。
さくらんぼはカリウムだけでなく、利尿作用のあるアスパラギン酸も含むため、顔や足のむくみの解消にも効果を発揮します。利尿作用を促す働きは、慢性腎臓炎を抑える効能もあります。
カリウムを含むさくらんぼは、むくみやすい体質の方におすすめです。
「日本食品標準成分表2015」より (可食部100gあたり)
さくらんぼの栄養には、アスパラギン酸や、リンゴ酸やクエン酸などの酸味成分(有機酸)、ブドウ糖が含まれています。
とくにアミノ酸の一種であるアスパラギン酸は、果物類でトップクラスの含有量です。
これら栄養の効能や働きには、素早くエネルギー源となったり、エネルギー代謝(クエン酸回路)を活発して乳酸を分解、エネルギーに変換して疲労を回復してくれます。
その他、さくらんぼの栄養には、三大栄養素の代謝を促してエネルギーをつくるビタミンB群、疲労回復に役立つ鉄やカルニチンなどの栄養の吸収を高めてくれるビタミンCまでも含まれています。
さくらんぼには鉄分や葉酸、銅などのミネラルやビタミンも含まれています。
鉄分や葉酸の効能には貧血の予防や冷え症の改善などに効果がありますが、リンゴ酸やクエン酸にも血行を促す働きがあります。
また、さくらんぼは銅も含み、鉄の利用を促す効能があるため、女性にとっては欠かせない栄養がたくさん含まれています。
葉酸はカラダの組織をつくり、胎児の先天異常を予防する働きを持つので、特に妊娠さん授乳中の女性にはおすすめの栄養です。
この他にもβ-カロテンやビタミンCなどの栄養もさくらんぼは含みます。女性にうれしい、抗酸化作用やアンチエイジング、美白効果や効能が期待されています。
さくらんぼには、ソルビトールという糖アルコールの一種が含まれています。
このソルビトールは、虫歯の原因となる菌の餌にはならず、それと同時に消化吸収もされにくいので、便秘の解消や虫歯予防などの効能があります。
また、クエン酸は胃液の分泌を促して食欲を増進させ、消化吸収の改善に効果的です。それに加えリンゴ酸の効能には整腸作用があるので、より便通の改善に有効です。
ソルビトールはお菓子にも使われている天然甘味料です。保湿効果もあるため、食品以外にも化粧品の保湿成分に使われています。
さくらんぼを乾燥させたドライフルーツは、水分が蒸発しています。その分栄養が凝縮されているので。一粒一粒の栄養価が高くなります。
また、ドライフルーツのさくらんぼは、ほとんどがアメリカンチェリー(ビングチェリー)で作られているので、アントシアニンや不眠にも効くメラトニンも含まれています。
生とドライでは、同じ量でもカロリーや糖質の量が多くなりますが、手軽に食べられるので、間食に利用するのがおすすめです。
お菓子作りに利用されることが多いですが、オイルや砂糖不使用のヘルシーなタイプもあります。
引用および参考:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
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