パクチーの栄養とカラダへの効能についてお伝えします。独特でクセのある香りが特徴的な香草。
パクチーというのはタイ語で、英語ではコリアンダー、中国語では香菜(シャンツァイ)と呼ばれています。違う野菜と思っている方も多いですが、呼び名が異なるだけです。
エスニック系の料理には欠かせない香草で、トムヤムクンやラクサには必ず入っています。好き嫌いの大きく分かれる食材ですが、なかにはクセのある香りがやみつきになる人も。
今回は、そんなパクチーの栄養と効能面についてご紹介していきます。
目次
パクチーの栄養と効能 一覧
パクチーの香り成分には、ゲラニオール、リナロール、ボルネオールという成分が含まれています。
ゲラニオール、リナロール、ボルネオールに共通する効能には、胃腸の働きを助ける作用があります。消化を促進して食欲を増進してくれます。
ゲラニオールには女性ホルモンであるエストロゲンの働きを高める作用もあります。ホルモンバランスを正常化する効能が、更年期障害の予防効果も期待できます。
パクチー好きで、ホルモンバランスが乱れやすい女性にとっては、ゲラニオールを含んでいるパクチーは相性ピッタリかもしれません。
また、ボルネオールとリナロールの効能には、鎮静や鎮痛、抗炎症作用も持っています。
パクチーの栄養成分には、ビタミンKも含まれています。ビタミンKの含有量は100g当たり310μgと、ほうれん草の(270μg)よりも多く含んでいます。
ビタミンKは血液を凝固させる作用があることで知られる栄養で、ケガや手術時の止血をするといった大切な働きをします。
また、骨の形成にも必要な栄養です。骨の健康を保つにはカルシウムの摂取が重要ですが、その他にも多くの栄養が関わり、ビタミンKもその一つに入ります。
ビタミンKは骨の形成に関わるタンパク質の活性化をサポートするため、骨粗鬆症の治療薬にも使われています。
そして、パクチーには骨の健康に関わるカルシウムやマグネシウム、リンなどの栄養も含んでいます。なかなか毎日食べれませんし、一度に多くの量も摂れませんが、食べる機会を増やすだけでも効能や効果は得られるでしょう。
緑黄色野菜に多く含まれるβ-カロテンは、パクチーの主要な栄養。
βカロテンはビタミンAの前駆体です。βカロテンの効能は摂取すると、粘膜の免疫力を高めてくれるビタミンAに変化し、カラダを細菌やウィルスから守る働きをします。
病気知らずの強いカラダづくりのためにも、積極的にパクチーを摂取していきましょう。
その他、β-カロテンは目が光を感じるのに必要なロドプシンとなる働きがあるので、夜尿症の予防や改善、視力の低下を防ぐ効果があります。
パクチーの栄養にはカリウムも豊富に含まれています。
カリウムの効能や働きには、体内の過剰なナトリウムを排出、ミネラルバランスを整えて、むくみや高血圧を予防する働きを持ちます。
また、利尿作用で尿とともに体内の老廃物も一緒に排出されるので、デトックス効果も高くなります。
香りには食欲を増進する効能があります。汗をたっぷりとかく上に、食欲が落ちやすい真夏は、ナトリウムやカリウムなどのミネラルが必要となるので、パクチーはおすすめの香草でしょう。
上記の他にも、整腸作用や抗酸化作用などの様々な効能がパクチーには秘められています。近年、とくに注目されているのが、パクチーのキレート作用。
なんとパクチーには、カドミウムや水銀などの有害な重金属をはじめ、放射性物質まで体外に排出してくれる驚異的なキレート作用があると期待され、研究されています。
体内に蓄積されやすい有害物質も、パクチーを食べれば効果的にデトックスが可能になります。
独特な香りが苦手という人も多いかもしれませんが、健康のためにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
最近のパクチーブームでタイ料理や多国籍料理店では、一押しのメニューが増え、ファミリーレストランでもフェアをやるほどです。また、あまりの人気にパクチーフェスまでも開催されています。
上記のように有益な栄養や効能のある野菜ですが、独特な香りのため好き嫌いがはっきりと分かれます。そして、この特徴的な香りは、カメムシの臭いと同じ成分が含まれているそうです。
生の葉は少しちぎるだけでも香ってきますが、乾燥させたものは生の葉と比較すると香りが弱くなっています。また、最近は国内産のパクチーも増えていて、香りもマイルドです。
個人差はありますがパクチーの食べ過ぎで下痢を起こすことがあるそうなので、胃腸に負担をかけない程度に楽しみましょう。
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