セロリに含まれる栄養とその効能についてお伝えします。シャキッとした歯ごたえに、独特の香りをもつセロリ。
セロリの特徴でもある強い香りは、好き嫌いが大きく分かれる要因です。そして、やはり嫌いな野菜ランキングで3年連続1位となるほどです。
そんなセロリの香りには、効能があります。茎の部分よりも、意外にも葉に栄養が多いのも特徴で、葉は捨てずに食べるのがよいでしょう。
今回は、そんなセロリの栄養や成分、その効能についてご紹介します。
目次
セロリに含まれる栄養と効能 一覧
セロリに含まれている主な栄養素のレーダーチャート
エネルギー | 水分 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 | ナトリウム |
---|---|---|---|---|---|---|
12kcal | 94.7g | 0.4g | 0.1g | 3.6g | 1.5g | 28mg |
カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 | 銅 |
410mg | 39mg | 9mg | 39mg | 0.2mg | 0.2mg | 0.03mg |
マンガン | ビタミンA | ビタミンD | ビタミンE | ビタミンK | ビタミンB1 | ビタミンB2 |
0.11mg | 4μg | 0μg | 0.2mg | 10μg | 0.03mg | 0.03mg |
ナイアシン | ビタミンB6 | ビタミンB12 | 葉酸 | パントテン酸 | ビオチン | ビタミンC |
Tr | 0.08mg | 0μg | 29μg | 0.26mg | 1.2μg | 7mg |
セロリ(生)の100gあたりの成分表(Tr:微量、-:未測定「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より)
上図はセロリに含まれている栄養のグラフと成分表です。数多くある中からピックアップして作成しています。
セロリには茎だけでなく葉も栄養が豊富です。注目する成分はミネラルの一種であるカリウムです。その他、量はあまり多くはないですが、食物繊維、葉酸などのビタミンなども含んでいます。
三大栄養素が少ないため、セロリのカロリーと糖質量は低く、糖質や食事制限中には、最適な野菜と言えます。
そして、主要栄養素以外にもセロリの独特の香りには数多くの成分が含まれて、様々な効能が期待されています。
まずはセロリに含まれる成分とその効能からご紹介します。セロリ特有の香りには、約40種類もの香り成分が含まれていて、主な香り成分は、アピイン、テルペン、アビオイル、セネリンなどがあります。
アピインはポリフェノールに分類される成分の一種で、精神の安定や、不眠を解消するなどの効能があります。また、テルぺンにはリラックス効果があります。
そのため、セロリにはイライラする気持ちを鎮めリラックスをさせるなど、ストレス解消に効果があります。
この他、頭痛や生理痛などの痛みを和らげる効能があります。これは香り成分に鎮痛作用もあるためです。セロリの鎮痛作用は二日酔いが原因で起こる頭痛にも効果があります。
セロリの種から抽出した精油は、アロマテラピーにも利用されています。
セロリのカリウムにも注目です。
カリウムは過剰に摂取したナトリウムを排泄する働きがある栄養です。利尿作用でむくみを解消するのに役立ち、塩分の摂りすぎで起こる高血圧の予防にもつながります。
カリウムはミネラルの一種で、細胞内外の浸透圧を調節する効能があります。
カリウムはバナナ、アボカド、ほうれん草などにも含まれています。セロリが苦手な方は他の食品からカリウムを摂るのが良いでしょう。
セロリには、ビタミンU(キャベジン)が含まれています。
ビタミンUはキャベツから発見された栄養で、レタスなどの野菜にも含まれています。
胃酸の分泌を抑えたり、胃の粘膜を修復するなどの働きがあり、胃もたれを予防する効能や、胃や十二指腸潰瘍の予防にも役立つと期待されています。
また、セロリには食欲があまりない時にも有効です。それは香り成分であるアビオイルに食欲を増進する働きがあるからです。
そして食物繊維も含むので、腸の調子を整えて便秘の改善にも役立ちます。このようにセロリには、胃腸に関わる効能が多くあります。
セロリの栄養は、実は茎の部分よりも葉に多く含まれています。セロリの効能や効果をしっかりと得るには、葉も捨てずにいただきましょう。
中でも葉にはβ-カロテンが豊富で、その量は茎の2倍もの含有量です。抗酸化作用で活性酸素の働きを抑え、生活習慣病の予防や視力の低下や眼精疲労を防ぐ効能があります。
また、葉の部分にはピラジンと呼ばれる栄養も含まれます。ピラジンは血液をサラサラにする効能があるので、血流を改善しコレステロールの低下や動脈硬化の予防に役立ちます。
この他にもセロリの葉には、ビタミンB群や食物繊維、ビタミンC、Eなど、数多くの栄養が含まれています。そのため、肌荒れやシミやシワを予防する、美肌効果、疲労回復などの効能があります。
セロリはおもに茎の部分を食すことが多いですが、葉も多くの栄養があるので捨ててしまうのはもったいない部分です。
β-カロテンやビタミンEなどは、油で炒めたり油を含むディップにつけて食べると、吸収力がアップします。クセがあるので、葉と茎はベーコンと一緒に炒めるとセロリ特有の香りが和らいで食べやすくなります。
一方で、香り成分は、油に溶け出しやすい性質を持っています。そのため、生で食べたりスープなどで煮汁も一緒に摂れる調理がおすすめです。また、セロリの葉を一緒に煮込むことで、肉や魚の臭みを摂ることもできます。
セロリの葉は捨てずに炒め煮などのスープにすると、栄養を余すことなく、効果的に摂取することができます。
引用および参考:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
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