寿司ネタとしても人気の高いカンパチ。その全長は0.5m~1.5mにも達する海産魚です。
ぶりと間違われることも多いようですが、カンパチはブリに比べて脂質が少なくややあっさりとした味わいが特徴です。東京ではぶりよりも高値で取引されています。
鮮度の良いカンパチは噛むとシコシコとした食感を楽しめ、栄養価も高く、寿司ネタやお刺身の生食として親しまれています。
今回はそんなカンパチに含まれる栄養とその効果を学んでいきましょう。
カンパチはカリウムが豊富で、生の魚介類の中ではトップクラスを誇る含有量です。
「日本食品標準成分表2015」より (可食部100gあたり)
上のグラフはカンパチと主な魚介類のカリウム含有量を比較したものです。比較的、魚介類はカリウムが多い食材ですが、カリウムは煮るなどの調理法で失われやす栄養素なので、お刺身など生食ができる魚介類を上げています。
魚介類の中ではほやがトップとなりますが、カンパチのカリウムの含有量はトップクラスです。また、カリウムが豊富と言われるバナナは100g中360mg、スイカは100g中120mgとなり、カンパチのカリウムの豊富さが実感できますね。
カリウムはミネラルに分類される栄養で、細胞の中と外の水分量や浸透圧を調整する役割や筋肉の収縮を正常に行う働きを持っています。
また、カリウムにはナトリウムの排泄を促す効果もあるため、高血圧の予防やむくみの解消などにも一役買ってくれます。
カンパチを食べると、DHAを摂取できる点も見逃せません。
DHAは、動脈硬化や脂質異常症を始め、虚血性心疾患や高血圧などの、いわゆる生活習慣病の予防や改善に効果があります。
また、脳の働きを良くする栄養のため、認知症やアルツハイマーの予防や、記憶力・集中力の向上も。
その他、イライラの改善など精神的な面でもさまざまな効果が認められています
カンパチには、EPAもたくさん含んでいることも忘れてはいけません。
EPAは、血液をサラサラにして動脈硬化の改善に効能がある他、花粉症やアトピーの改善にも効果があり、特に青魚に多く含まれている栄養素。
血液中の中性脂肪を減らすことで、高脂血症の予防や改善につながるなど、多くの働きがあり、DHAと並んで積極的に摂りたい栄養のひとつとなっています。
カンパチには、タンパク質が比較的多めに含まれています。
タンパク質は、体内の組織作りに必須の栄養で、不足するとさまざまな影響が表れます。
適度な量のタンパク質を摂ることで、免疫力も強化し感染症を予防する効果も。
また、代謝に関わる酵素や血液中のヘモグロビンの原料になるなど、その働きははたくさんあります。
カンパチは、ビタミンB6も摂ることができます。
ビタミンB6は、体内でタンパク質の代謝を強力にサポートする栄養で、皮膚や髪・歯の健康を保ったり肝臓に脂肪が蓄積したりするのを防ぐ効果もあります。
カンパチは、ビタミンB群であるビタミンB12も含んでいます。
ビタミンB12は、私たちの神経機能の働きを正常化したり、傷ついた末梢神経を修復したりする栄養素です。
また、ビタミンB12は赤血球を作り、造血する作用があるため、貧血予防や改善も期待できます。
葉酸とともに造血作用を発揮するので、葉酸を多く含むアサツキを薬味にするのもお勧めです。
カンパチは、セレンも含む魚です。
セレンは、抗酸化作用の強さと解毒する作用のある栄養素です。解毒作用で体内の不要物を強力に排出するため、老化防止に大きな効果があると言われます。
また、セレンにはガン予防の効果がある点も注目すべきでしょう。
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