日本の夏の風物詩であるスイカ、その栄養と効能をお伝えします。
みずみずしく上品な甘さが、暑さで乾いた喉やカラダを潤してくれます。大玉や小玉、赤や黄色、丸や楕円と様々な品種が出回っています。
スイカは「水分ばっかりで栄養なんてなさそう」という、イメージをもちますが、意外にもスイカの栄養は機能性が高く、特に夏バテの解消に役立ちます。
今回は、スイカの意外な効能とその栄養についてご紹介します。皮の部分についてもまとめていますので、ぜひご覧ください。
目次
スイカの栄養と効能 一覧
スイカに含まれている主な栄養素のレーダーチャート
エネルギー | 水分 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 | ナトリウム |
---|---|---|---|---|---|---|
37kcal | 89.6g | 0.6g | 0.1g | 9.5g | 0.3g | 1mg |
カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 | 銅 |
120mg | 4mg | 11mg | 8mg | 0.2mg | 0.1mg | 0.03mg |
マンガン | ビタミンA | ビタミンD | ビタミンE | ビタミンK | ビタミンB1 | ビタミンB2 |
0.03mg | 69μg | 0μg | 0.1mg | 0μg | 0.03mg | 0.02mg |
ナイアシン | ビタミンB6 | ビタミンB12 | 葉酸 | パントテン酸 | ビオチン | ビタミンC |
0.2mg | 0.07mg | 0μg | 3μg | 0.22mg | 0.9μg | 10mg |
スイカ(生)の100gあたりの成分表(Tr:微量、-:未測定「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」より)
まずは栄養とその効能や作用をご紹介する前に、スイカの栄養をグラフで見てみましょう。数ある栄養素の中から15種類に絞って作成し、下にはスイカの成分をまとめた表を配置しました。
スイカは全体の90%近くが水分のため、各栄養の含有量が少ない果物です。その中でもビタミンC、カリウムです。
炭水化物は果糖が最も多く、次いでブドウ糖です。糖類は果肉の中心部に多く、外側と比較すると2%ほど割合が高いそうです。
グラフ上には表示されていませんが、β-カロテンやリコピンは赤い果肉のスイカに大量に含んでいます。
「日本食品標準成分表2015」より (可食部100gあたり)
スイカはβ-カロテンが豊富な果物です。それに加えリコピンやビタミンCといった栄養も含んでいます。
スイカのβ-カロテン量は、アンズやパッションフルーツと比べると劣りますが、果物類ではトップクラス、果物平均値とでは約5倍の差があります。
β-カロテンやリコピン、ビタミンC、この3つの栄養素の共通点は抗酸化作用。これらを含むスイカの効能では、老化や病気の原因となる活性酸素を抑え、がんや動脈硬化の予防が期待されています。
その他の効能では、粘膜や皮膚を保護する働きもあるので、美白や美肌作りにも効果が見られます。シミやしわの予防、アンチエイジング効果など、女性にうれしい効能がスイカにはたくさんあるのですね。
スイカにはシトルリンやアルギニン、カリウムを含みます。この3つの栄養で期待されている効能は利尿作用です。
アミノ酸の一種であるシトルリンは、スイカから発見された成分で、メロンやきゅうりなどウリ科の植物に多い栄養です。
シトルリンやアルギンには腎臓の働きをサポート、水分代謝を促進してくれます。そして、尿を出やすくするとともに老廃物も排出する効能があります。
また、スイカの効能は、ナトリウムを排出するカリウム、シトルリンとアルギニンとの相乗効果によって、むくみの解消や膀胱炎、腎炎の予防に効果的です。
シトルリンは果肉よりも、皮の白い部分に多く存在する栄養成分です。
スイカの栄養はバランスがよく、夏バテや疲労回復の効能があります。
スイカは90%以上が水分ですが、前述の栄養素の他にもミネラルやアミノ酸が豊富です。
さらに、ビタミンB1やビタミンB2、すばやくエネルギーに変わる果糖やブドウ糖など、多くの栄養をバランスよく含むので疲労回復に優れています。
夏バテや疲労回復の効能をより高めるには、スイカと一緒に塩分を含む食品と摂るのがおすすめです。これは、汗とともに流れ出てしまったナトリウムを補えるからです。
こちらもスイカのシトルリンとカリウムの効能。血行改善や夏場の冷え性の解消にも効果があります。
シトルリンの効能には、血管を広げ末端の毛細血管まで血流を良くしてくれます。これは、シトルリンが血管を拡張する作用のある一酸化窒素を増やす働きがあるためです。
そのため、夏でも冷え性に悩む方や、クーラーでカラダが冷えてツライという方にスイカはおすすめです。
また、シトルリンには血圧を下げる効能も注目されています。カリウムにも血圧の上昇を抑える作用があるため、シトルリンとカリウムのW効果で高血圧を予防します。
スイカの皮の白い部分には、果肉の2倍もの量のシトルリンが含まれています。食べ残せばシトルリンの効能もられないので、捨ててしまうのはとてももったいないですね。
この皮の白い部分は、塩もみやぬか漬けなどにも利用できるので、ぜひ挑戦してみてください。その他にも、炒めもの、かき揚げ、スープ、サラダといった利用法もあります。
ウリ科独特のにおいが苦手な方は、スムージーやフレッシュジュースなどに加えるのがおすすめです。
最近の品種はこの皮の白い部分が少なくなってきてきていますが、ある程度の厚みがあるものは、ぜひ利用してください。
スイカは果糖が多いので、良く冷やすと甘みが強く感じられます。
引用および参考:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
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