キャベツに含まれている栄養とその効果をご紹介します。シャキシャキの歯ごたえとみずみずしい食感。私たちにはおなじみの野菜ですね。
キャベツの原産種はケールで、葉が発達して現在の形となりました。現在ではグリーンボールやレッドキャベツなど様々な品種があります。
今回はそんなキャベツについて、どんな栄養があってどのような効果があるのかをご紹介していきます。知っているようで知らないキャベツの魅力をご覧ください。
目次
キャベツの栄養と効果
キャベツに含まれている栄養の中で、注目すべきはビタミンUです。
ビタミンUはキャベツの汁から発見されたビタミン様物質の一つで、キャベジンとも言われます。キャベジンは胃腸薬の名前としても知られていますね。
ビタミンUはキャベツやレタス、セロリなどに多く含まれ、胃酸の分泌を抑制し、粘膜のただれを防ぎ、胃の粘膜を保護する効果があります。
そのため、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を防ぐ効果も期待されます。
「日本食品標準成分表2015」より (可食部100gあたり)
キャベツの栄養で注目すべきもう一点は、ビタミンCを多く含むということです。
グラフはキャベツと野菜平均とのビタミンCの含有量を比較したのもです。野菜の平均値よりも多いビタミンCを含んでいることが分かります。
なお、キャベツのビタミンCの含有量は淡色野菜ではトップで、芯の周辺に多く含まれています。
ビタミンCは主に、カラダの酸化や老化を防ぐ抗酸化作用、ストレス対策、美肌効果、免疫力の向上などの効果が期待できます。
ちなみに、ビタミンCは熱に弱い栄養素です。生で食べるのが一番良いですが、気になる方は、さっと火に通すくらいがビタミンCを多く摂取できます。
キャベツにはビタミンKも含まれています。
ビタミンKは脂溶性ビタミンに分類される栄養素です。血液凝固を促す効果や止血作用、骨の形成を促す効果、骨粗鬆症の予防などに役立ちます。
また、キャベツにはカルシウムも含まれていますが、このカルシウムを骨に沈着させる作用もあります。ビタミンKとカルシウムの両方の栄養を含むキャベツは実は、骨の健康に良い野菜だったんですね。
キャベツにはカルシウムも含まれます。これは意外な栄養ですね。
特に、葉の部分にはカルシウムやアミノ酸が多く含まれています。
カルシウムは、ミネラルに分類される栄養で、骨や歯を形成する働き、筋肉の収縮、細胞の機能調整、神経の興奮を抑える効果などがあります。
ちなみに、カルシウムは不足しやすい栄養です。魚だけでなく、キャベツなどの野菜からも摂れることを知っておくと良いですね。他にカルシウムを多く含む野菜はパセリ、ユリ根、よもぎなどが挙げられます。
また、カルシウムはビタミンDと一緒に摂ると効果的です。こちらもあわせて覚えておきましょう。
エネルギー | 水分 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 | ナトリウム |
---|---|---|---|---|---|---|
21kcal | 92.7g | 1.3g | 0.2g | 5.2g | 1.8g | 5mg |
カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 | 銅 |
200mg | 43mg | 14mg | 27mg | 0.3mg | 0.2mg | 0.02mg |
マンガン | ビタミンA | ビタミンD | ビタミンE | ビタミンK | ビタミンB1 | ビタミンB2 |
0.16mg | 4μg | 0μg | 0.1mg | 78μg | 0.04mg | 0.03mg |
ナイアシン | ビタミンB6 | ビタミンB12 | 葉酸 | パントテン酸 | ビオチン | ビタミンC |
0.2mg | 0.11mg | 0μg | 78μg | 0.22mg | 1.6μg | 41mg |
キャベツ(生)の100gあたりの成分表(「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より)
トンカツに山盛りのキャベツの付け合せ。私たち日本人にはお馴染みの光景ですね。実はこのトンカツとキャベツ、健康面や栄養面でも相性が良かったのはご存じですか。
先にも触れましたが、キャベツにはビタミンUという栄養が豊富に含まれており、胃粘膜を保護する効果があります。油の多いトンカツから胃を守るという意味で、トンカツとキャベツは相性バツグンの付け合せです。
また、キャベツに含まれているビタミンCと豚肉に含まれているタンパク質、ビタミンB1の栄養はともに、免疫力を向上させる働きがあります。
さらに、ビタミンCは豚肉の鉄分の吸収を助ける効果があります。鉄分がスムーズに吸収されることにより、鉄欠乏性貧血の予防に役立ちます。
知ってか知らずかはわかりませんが、トンカツにキャベツの付け合せは健康面、栄養面でも相性抜群だと言えます。
引用および参考:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」